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      縁の花

      (魂が成長する正直な心と心のネットワーク誌)

              第139

          永遠の1/2

 

       

      ♀「永遠の1/2のドラマは最高です」

 永遠の1/2というドラマが、昼の1時から30分間、tbs、4チャンネルでありました。

 いや、本当にすばらしい番組でした。

 久しぶりに、はまってしまいました。

 月曜日から金曜日まで、60回、3ヶ月間、放送されていたのですが、その間、紫陽花は幸せで一杯でした。

 仕事があるので、リアルタイムでみる事はできなくても、録音はできるので、毎回,帰ってから「にゃにゃ」しながらみていました。

 特に、最終回にちかくになると、紫陽花の頭の中は、永遠の1/2で一杯でした。

 おかげで仕事も手につかない状態で、困ってしまいました。

 主人公の美由紀と亜希がんばれと、何回も何回もみていたのです。

 こんなに紫陽花が熱中したのは、大林宣彦監督の映画、「ふたり」以来です。

 まさしく永遠の1/2は、紫陽花にとっては5本の指に入るドラマになったと思います。

 いえ、no1かもしれないのです。

また、昼ドラなので殆どの人は知らなかったと思うので、この永遠の1/2が何故いいのか、皆さんに紹介しますと、まず、ストーリーが最高です。

原案はアイリーン・グージ「偽りの薔薇の園」(扶桑社ロマンス文庫刊)なので、ストーリーはしっかりしていますし、それを山永明子さん、三上幸四郎さん、遠藤彩見さんの3人が見事に日本人に合うように脚本しています。

今の夜のドラマは、ショムニのように、いいものもありますが、大抵のものはなんかごちゃごちゃしていて、見る気になりません。

一言でいえば、愛が足りないのですが、永遠の1/2は、愛にあふれています。

ドラマの一つ一つのシーンに愛があり、ここにもある、ここでも見つけたという具合です。

紫陽花が永遠の1/2の作者なら、こんなシーンを造った、こんなシーンもあっていいのかではないかと想像力が書きたてられるのです。

こんなドラマは始めてです。

みる人を元気に、幸せにできるのです。

しかも脇あくの方を含めて、俳優の人達がすばらしいです。

美少女で有名だった小沢真珠さん、思わずファンになった主演の戸田麻衣子さんは,ホームページで多くの人が書いていたように、夜のゴールデンドラマに出てくる人達に負けないぐらい美人ですし、お母さん役で、誰もが知っている多岐川裕美さんが出ています。

その3人を引き立てる、恋人役の青木伸輔さんや飯田基祐さん、父親役の春田純一さんの演技も良かったです。

特に飯田基祐さんと春田純一さんの熱演はすばらしく、多くのファンができました。

ホームページの提示板には、私だったら小山さん(飯田基祐)を絶対にほっとかないとか、川島さん(春田純一)のような父親が欲しいという言葉であふれていました。

その上に他にも弁護士事務所の所長大泉役の御木本伸介さんや事務員の久我さんの熱演もひかりました。

芝居のうまい人ばかり集めているのか、全員プロの役者で、夜のドラマのように、下手な新人の役者が出ていません。

芝居が上手なので、違和感がないのです。

その上、主題歌「edelwiss」が最高です。

映画「二人」と同じように、いろんなシーンで出てきますが、おもわず口ずさんでしまいます。

まさしく多くの人がいうように、歴代の昼ドラの中で、最高だと思います。

今までの主婦を対象にしたドラマではなく、誰もがみられる画期的なドラマです。

永遠の1/2とはそういったドラマで、再放送は難しいかもしれないので、紫陽花は縁を持てて本当に幸せだったのです。

しかもこの永遠の1/2は、ただドラマを見るだけでなく、もう一つ、すばらしいことを教えてくれました。

永遠の1/2のホームページを開く事で、紫陽花にもう一つの見る喜びを教えてくれたのです。

 

    「永遠の1/2のホームページ」♀

永遠の1/2のホームページは、残念ながら、今は存在しません。

番組が終わった後も、しばらくの間、残していてくれたのですが、残念です。

本当に、面白くて、縁が持てる、すばらしいホームページでした。

と同時に、このホームページは、紫陽花に新しいドラマの見方を教えてくれました。

検索の中で、何故、テレビ局のホームページに人気があるのか納得です。

もっと早く知っていたらと、今は残念で仕方がありません。

何故ならホームページを開く事で、誰もが知らない情報を知る事は、実に気持のいいものだからです。

是非、皆さんも、縁を持ってみて下さい。

といって、その情報といっても、別に大した情報がある訳ではありません。

みどころとか、あらすじ、キャスト、スタッフ、掲示板があるぐらいです。

でもそれを知るだけでも楽しかったです。

特に「あらすじ」は、テレビガイドよりも、次週の「あらすじ」をもっと詳しくみられましたし、見逃していた過去のものも全部ありました。

最初からみられなかった人にとったら、ドラマのストーリーが分かっていいと思います。

また懇親会というものがあって、出ている役者さんのコメントが紹介されていました。

第一回目は、戸田麻衣子さんと小沢真珠さん、第2回目は、戸田麻衣子さんと飯田基祐さんのメッセージが載っていましたが、気に入った人達のメーセージをみるのは悪くないものです。

しかもそのメッセージで、紫陽花は戸田麻衣子さんが、ショムニのドラマで秘書役をしている戸田菜穂さんの妹だという事を知りました。

何となく似ていると思っていたけど、始めてホームページをみて知ったという人が、多かったですが、紫陽花もその一人になるのです。

しかしやはり一番良かったのは、提示板でした。

この中で、永遠の1/2についてのいろんな意見や感想を、いろんな人が書いていました。

最終回にちかづくにしたがって、どんどん書き込みが多くなって、何と3千人を超えたそうですが、多くの方が、はまったと書いており、嬉しくなりました。

ここがよかったとか、美由紀、亜希がんばれ、今までのドラマの中で、一番ですという絶賛のオンパレードです。

時にはでもここがおかしいとか、厳しい意見をいう人もいましたが、皆さん、永遠の1/2のフアンになり、再放送やビデオ化を熱心にお願いしていました。

紫陽花も同意見ですが、この提示板の内容を見る事によって、いろんな勉強をしました。

新しい見方やこんな感想を持つのかと、参考になりました。

多くの人が永遠の1/2の提示板を通して、意見がいえる縁を持てるなんて最高だと思ったのです。

しかもその上、多岐川裕美さんや主演の戸田麻衣子さん、小沢真珠など・・・出演した殆どの役者さんも、提示板に書き込んでくれており、それを見るのも楽しかったです。

インターネットとは、こんなすばらしいのかと思うと、益々、気に入りました。

高度情報社会になれば、こういったホームページで、もっともっとすばらしい事ができます。

21世紀がつくづく楽しみになったのです。

しかし紫陽花が唯一残念な事は、たぶん、「縁の花」の読者の多くの人が、この番組と縁を持てない事です。

昼ドラの番組が再放送される事は、めったにありませんし、ビデオ化も難しいと思います。

多くのファンがホームページを通して、声を出していきますが、プロデューサーの鈴木伸太郎さんが、いうように、難しいのです。

だから紫陽花が、縁の花で永遠の1/2の粗筋をみじかくまとめて書く事にしました。

紫陽花の得意技ですが、もう終わったので問題ないと思いますし、永遠の1/2のテーマは、主人公の美由紀と亜希が永遠に縁を持つという事です。

いろんな縁の形や考え方が出てきて、縁の花の考えとも一致します。

ですから今から、紫陽花の意見や感想、推測、多少のアレンジを加えて、永遠の1/2の物語を書くので、是非、皆さんも少し長いけどお読み下さい。

 

   永遠の1/2の物語

                         ハイジとかぐや姫」

 

 

物語は、ある福島県の山間の産院、ふるさと産院で始まります。

 このふるさと産院で、同じ日に、二人の女性が別々の女の子供を産みました。

 室井緑(多岐川裕美)と芳本文子(芦川よしみ)です。

 しかし二人には、それぞれ大きな悩みがありました。

 室井緑の子供は、夫と自分から生まれるはずの血液型とは違っていました。

 夫の後輩で、仕事でも片腕になっている川島新一郎(春田純一)との過ちで生まれた子供だという事は明白で、緑は悩んでいました。

 夫である室井崇(河原崎建三)は、自分を愛してくれており、緑も愛しています。

 夫の後輩の川島新一郎と、どうして過ちを犯したのかは分かりませんが、緑はそれで苦しんでいたのです。

 また、芳本文子も悩んでいました。

 夫は、文子が妊娠中に事故を起こして死んでしまったからです。

 生活は貧しく、子供の将来の事を考えると、不安を抱えていたのです。

 しかしそんな二人に大事件がおきます。

 ふるさと産院で火事が起こり、逃げ送れた文子は、自分の子供を、緑に託して死んでしまいます。

 文子の子供は、お母さんを亡くしてしまったのです。

 だけどこの火事の悲劇はそれだけで終わりませんでした。

 文子に託された子供と自分の子供を抱えて逃げた緑は、文子の血液型が、文子の母子手帳からo型だと知ると、何と二人の子供を変えてしまいました。

 悩んでいた事と、火事で気が動転していた為に、そんな大きな罪をとっさにしてしまうのです。

 紫陽花の解釈では、室井崇が会社の社長だから、その地位を捨てたくという訳ではなく、喜ぶ夫に子供が自分の子供でないとしれる事が恐かったのです。

(緑さんはそんな女性でありません。何しろ多岐川裕美さんがしている役ですから)

 そして緑は、文子さんの葬式に参加すると、文子の母親、祖母になる初枝に「頼まれましたから」と自分の子供を託し、逃げるようにその場から離れ、東京に帰ったのです。

 こうして緑の実の子は、母親がいない為に、祖母の初枝と叔母の島田陽子の元で、美由紀と名付けられ、文子の子供は、室井家で亜希と名付けられると、まったく対照的な暮らしをするようになりました。

 美由紀は、頭がいいのに、貧しい生活の為に、定時制高校でしかいけず、新聞配達などのアドバイトしているのに、身体の弱い叔母の島田陽子からは疎まれていたからです。

島田陽子は、おまえを育てた為に、身体を悪くしたと罵られながら亡くなっており、身内で美由紀の事を、心から愛してくれる人は、祖母の初枝しかいなかったのです。

 しかしそれに対して亜希は、社長の一人娘として、なに不自由しない生き方をしました。

 父親の崇からは、本当にかわいがられていたのです。

 でもそんな亜希にも、悩みはありました。

 母親の緑との仲は、いつの頃からか、なぜかしっくりいかないようになっていたのです。

 緑は亜希に負い目があるのか、おろおろするところがあり、それを敏感に亜希は感じていたのです。

 その上、亜希の周りに集まってくる友人は、お金目当てな人ばかりで、亜季は孤独を感じていました。

 亜希も幸せとはいえなかったのです。

 そして運命は、そんな二人を目に見えない糸ですでにくっつけていました。

 同じ日に、同じ市で生まれた事を、ある雑誌の文通欄で知った、美由紀と亜希は、いつの間にか文通するようになっていました。

 二人は、お互いの事をハイジ(山の麓に住んでいるから)とかぐや姫(家具屋の娘だから)と呼ぶ、親友の間柄になっていたのです。

 だけど運命の女神は、そんな二人に大きな試練を与えます。

 二人の事を一番理解してくれている人、初枝と崇は同じ日に倒れてしまいます。

 どちらも余命が少ない重病になってしまうのです。

 またそのことで、美由紀は初枝が亡くなったら田舎を出て、東京に行く決心をします。

 定時制高校で知り合った、プロのカメラマンを目指す同級生、田口洋介とほのぼのとした恋をしている美由紀は、田口洋介が東京にいく事を知って、自分も東京で暮らしたくなるのです。

 しかも初枝が亡くなれば、唯一の身内になる叔父の島田雅司は、どうしようもない人間で、入院している初枝の大切にしている引き出しを開けると、大金の入った貯金通帳と産院火災の新聞記事を見つけ、美由紀の出生の秘密に気がつくと、美由紀をつけ狙うようになりました。

 というのも美由紀が6歳ぐらいの時に、一人の女性が美由紀と内緒で会い、こっそり大金の入っている貯金通帳を置いていく事があったからです。

初枝はその事もあって、美由紀は文子の子供ではなく、葬式の時に美由紀を渡した女性の子供ではないかとうすうす気が付いていたのです。

だから初枝はその事を美由紀に伝える決心をしましたが、美由紀の事を問い詰める島田と言い争いになって、そのまま倒れて亡くなってしまいます。

その後、美由紀は島田に襲われそうになった事もあり、東京で唯一の知り合い亜希に「会いたい・・・かぐや姫が自分の1/2であるという気がするので・・・・」という手紙を送ると、東京に向かったのです。

と同時に、亜希もまた、父親崇の死で、運命が大きく変わります。

崇の会社は、崇の亡くなった後、他の役員に乗っ取られ、緑の味方になってくれる人は、崇の片腕川島新一郎だけになります。

緑は崇が死ぬ時に、子供の事を告白しようとしましたが、亜希が自分の子供でない事は分かっていた崇に「君の子供だから愛せた」といわれるぐらい包み込んで貰っていましたが、亡くなると周りに頼れる人が居ない為に、自然に川島新一郎に頼るようになり、亜希はそれが気に入りませんでした。

崇が倒れた病院の主治医、大竹恵一(榊原利彦)に引かれた亜希は、緑からの反発もあって、大竹恵一に走るようになり、唯一の親友、美由紀に対しても、会いたいという思いを持つようになります。

亜希もまた、「会いたい・・・ハイジが自分の1/2であるという気がするので・・・」という手紙を送ると、美由紀を訪ねて、福島県に向かうのです。

 

       ♀「美由紀と亜希」♀

東京に行った美由紀は、何も分からないままアルバイト先を探しますが、うまくいきません。

 身寄りの無い美由紀を簡単に雇ってくれる所はなかったのです。

 また福島県の美由紀の居る場所を訪ねた亜希は、叔父の島田夫婦に会い、既に美由紀が家を出た事を知ります。

 その時、亜希は、美由紀が自分の生活とはまったく正反対の、逃げ出したいぐらい、苦労している生活をしていた事を知ったのです。

 そしてそんな二人は、東京で間一髪の所で会えます。

 東京に戻った亜希は、家に届いている美由紀の手紙を読んで、美由紀が東京に来ている事を知り、慌てて美由紀との待ち合わせの場所に向かい、そこで二人は出会います。

 亜希は、美由紀が想像していたような美人で、上品なまさしく竹から生まれたかぐや姫、美由紀は、亜希が想像していたように、苦労しているのにそれを微塵も見せない、明るく、素朴な,芯の強さを持った笑顔が似合うかわいい女性、ハイジです。

 二人はお互いを認め合ったのです。

 また亜希は、そんな美由紀の為に、知り合いのカラオケボックスの店長を紹介します。

 人に頼みごとをした事もない亜希は、美由紀の為に、頭を下げ、店長は、美由紀を住み込みで雇う事にしたのです。

 しかし二人の運命は、もうすでにこの時点から大きく周りを巻き込んでしまいます。

 亜希との関係に悩む緑は、出かけて帰って来ない亜希の部屋で、美由紀からの手紙と、亜希の部屋に貼られている見覚えのある写真を見ると、愕然とします。

 芳本美由紀、ハイジと名のって、亜希と文通している女性は、福島に置いてきた自分の子供ではないか。

 どうしてその女性が、亜希と文通しているのか、緑は分かりませんが、衝撃を覚えます。

 大きな運命、めぐり合わせを感じたのです。

 ですから緑は、ハイジの事を調べる為に、福島県の興信所に調査を依頼しましたが、何とそこは島田も出入りしている所でした。

 島田はやはり、美由紀の出生には何かの秘密があり、緑からお金が取れる事を確信します。

 美由紀を探しに東京に向かったのです。

 また美由紀の彼、田口洋介は、コンクールに応募した写真が入選し、東京にアシスタントの仕事をしていましたが、プロのカメラマンを目指して、海外で仕事をする事を美由紀に告げます。

 田口はその出発の日、美由紀と一日を過ごし、海外から帰ったら、一緒に暮らそうというと口づけをし、美由紀は、洋介を信じて、いつまでも待つ決心をします。

 洋介は、美由紀に見送られながら、海外に向かったのです。

 そして会社が乗っ取られた事で、崇の会社を継ぐ事もなくなった亜希は、付き合っている大竹の事もあって、大学を辞め、看護学校に行く決心をします。

 看護婦になる道を選んだのです。

 でもここで縁の花の神様は、一見過酷な運命を二人に与えます。

 島田は、美由紀が残した文通相手のかぐや姫、亜希の住所を探り出すと、亜希の後を尾行する事で、美由紀の居場所をつきとめます。

 だけど美由紀は、そんな島田の姿を見つけると、逃げようとして交差点に飛び出し、小山勝治(飯田基祐)の運転する車にはねられてしまったのです

 しかも美由紀は、事故の後遺症で、記憶を無くしていました。

 その上美由紀は、身元の分かるものを何も持たずに出かけていたため、誰もどこの誰なのか分からない状態です。

 カラオケの店長も亜希も、美由紀の事を心配しながらも、まさか記憶を無くしたとは思わないので、警察に身元届けを出しませんでした。

美由紀は住み込みの生活が嫌で、何の連絡もせずに田舎に帰ったか、どこかにいったとしか思わなかったのです。

だから美由紀の身元は、いつまでたっても分からず、車で美由紀を引いた、心療医の小山はそんな美由紀に責任を感じてしまいます。

記憶をなくした美由紀は、自分が誰なのか分からずに苦しんでいます。

自分の消息を心配してくれる人がいない事もショックで、美由紀は、唯一、身に付けていた記憶のある、何かとても大切なルビーのネックレスを探そうと病院から抜け出します。

このルビーのネックレスは、緑が美由紀の事が心配で、6歳になった美由紀をこっそり訪ねた時に、渡した耳に付けていたルビーのピアスを、美由紀がネックレスにしたものです。

美由紀は、子供心で、その緑の態度にただならぬものを感じており、ずっとそのルビーのネックレスをお守りとして持っていたのです。

もしかしたら、このいい匂いのするおばちゃんは、自分の母ではないかという直感があったのです。

だけどそのルビーのネックレスは、事故の現場になく、やがて、美由紀は小山に発見されると、病院に連れ戻されてしまうのです。

しかしそのルビーのネックレスは、小山が二日間も必死に探して、発見します。

でもそのルビーのネックレスをみても、美由紀は何も思い出せず、やがて、病院から退院させられます。

身体的に完治しているので、病院を出ていかないといけないのです。

ですから小山は、行く当てのない美由紀の為に、身元引受人になると、妹と住んでいる自分の家で暮らさないかと恐る恐る提案します。

心療医である小山は、美由紀を車にはねたという責任感だけではなく、記憶を無くしても前向きに生きようとする美由紀の性格に引かれていました。

美由紀に好意を持っており、「私、小山さんと一緒に暮らしてもいいですよ」という返事に喜んでしまうのです。

また美由紀がいなくなった後の亜希は、看護学校に合格すると、看護婦の道を歩き、大竹との愛を育てていきます。

大竹は、小山と同じ病院に勤め、二人は親友同士ですが、性格は正反対で、大竹は、母親に捨てられた恨みから、女性に対して、偏見を持っていました。

女性を平気で捨てるところがあり、やがて、亜希とも肉体関係を持ってしまうのです。

 

                   ♀「翔子」♀

 

名前をなくした美由紀の新しい名前は、翔子になりました。

名付け親は小山の妹、明日香です。

明日香は、小山がはっきり事情をいわなかったので、美由紀が一緒に住む事に最初、びっくりしますが、持ち前の明るさで、美由紀を歓迎すると、名前をプレゼントしました。

新しい名前を気に入った翔子は、記憶はなくても、今まで苦労した分、何でもできます。

料理も上手だし、美人だし、性格も素直です。

明日香は、たぶん自分よりも年上の翔子をお姉さんのように慕います。

兄思いの明日香は、小山が翔子の事が好きなのは、痛いほど良く分かっており、兄の援護もします。

3人はまるで家族のように、仲良く暮らすのです。 

しかし亜希の方は、大変な事になります。

大竹との間に妊娠してしまったのですが、大竹はそれを聞くと、亜希から離れようとします。

子供をおろせというのです。

でも亜希は、それを緑に相談できません。

二人の気持ちは、緑が社長として活躍する事で益々離れてしまいました。

緑は、崇の弁護士、大泉(御木本伸介)から、崇が前もって緑の為に残していた新しいエステの会社がある事を知り、川島新一郎(専務)と一緒に、その会社を必死に経営していました。

社員の中には、素人の緑が急に社長になる事に、反発して辞める社員もいましたが、緑には経営者としての才能があるのか、会社は大きく発展しようとしていました。

その分、亜希とのコミュニケーションはとれず、緑は亜希が妊娠した事を知ったのは、喧嘩した時でした。

亜希が大竹医師の子供を身ごもった事をいい、自分の過去の苦しみを思い出して、ショックを覚えたのです。

ですから緑は、亜希に内緒で、病院に行くと、大竹に、どうするつもりなのか追及します。

大竹はそんな緑に対して、取り合おうともせず、緑は大竹に激しい憎しみを覚えるのです。

だけどそのおかげで、緑は、実の子、翔子と縁を持ちます。

病院で、翔子と出会い、小山から、翔子という名前は、記憶喪失なので、仮に付けた名前だと聞いて、なぜか、翔子に強く惹かれます。

亜希に対して何もしてあげられない緑は、翔子に対して、何かをしてあげたいと思うと、エステの無料権を渡し、いつでも会社に遊びにくるようにいいます。

翔子もまた、緑に対して、ものすごく心が通じ合う気がするのを押えられず、気晴らしに緑の会社に行き、二人の仲は、急速に深まります。

お互いの悩んでいる心が通じ合い、緑は翔子に娘との関係の悩み、翔子は勉強がしたい事をいいます。

六法全書のようなものを、記憶を無くす前から読んでいたような気がするという翔子の為に、緑は大泉のいる弁護士事務所を紹介し、そこでアルバイトとして働く事が決まったのです。

でも緑との関係が深まっても、翔子は亜希とは会えませんでした。

翔子は緑の会社のパーティーに招待された時に、緑さんの為に、緑の子供、亜希さんと友達になりたいと願っていましたが、パーティーが始まる前に、母親に相談に来た亜希は、子供をおろしなさいと冷たく言う緑に反発したのか、「もうおろしたわ」と多くの社員の前で緑を突き倒すと、そのまま行き先もつげない置手紙を残すと、海外のボランティアに行ってしまったからです。

緑と翔子は、緑の家に行った時には、もう遅かったのです。

だけどこの事をきっかけに、益々、緑と翔子の縁は深まりました。

緑は亜希のいない寂しさから、翔子のよき相談相手になるのです。

また川島新一郎は、緑を通して、翔子と知り合います。

緑を今でもひそかに愛している川島新一郎は、亜希はもしかしたら自分の子供ではないかと疑っており、亜希を探そうともせずに、翔子と親しくする緑に、反感を覚えていましたが、翔子に対しては、何故か好印象を持っていました。

翔子には優しかったのです。

そしてそんな緑と翔子は、やがて一緒に暮らすようになります。

というのも小山の家での3年間の生活は、翔子自身幸せでしたが、小山の翔子に対する思いは、ますます大きくなっていました。

小山は酒を飲んだら人が変わり、「翔子さん好きです」と大勢の前でいっても、後は全然覚えていないという羨ましい性格です。

しかも妹の明日香は、そんな兄が見ていられないのか、二人の関係が正式に結ばれる事を心から望んでいます。

「翔子さんも子供じゃないのだから、兄の気持ちは分かってくれるよね」と明日香にいわれたら、翔子は何も答えられませんでした。

 小山が自分を好いてくれる事も十分分かっていますし、翔子自身も、嫌いではありません。

 でも自分が過去一体どんな女性だったのか、分からない翔子は、小山の気持ちに答える事はできません。

 小山は、翔子に「過去を思い出す必要はない。翔子さんは翔子さんでいい」といいますが、誰も身元届けさえ出そうとしない自分の過去に、翔子は自信を持てず、その小山の気持ちにどう答えたらいいか分からなくなったのです。

ですから翔子は、その事を相談し、緑の家で一緒に暮らすことになりました。

小山の家に帰れず、自分の帰りを待っていた翔子を、緑は母親のように抱きしめると、緑の家で暮らすようになったのです。

こうして緑と翔子は、実の親子とは知らずに、まるで親子のように楽しい生活をします。

亜希が居ない寂しさを緑は、翔子と暮らす事で、埋めていきます。

川島新一郎も、緑の家に招待され、3人で食事をした事さえあったのです。

しかしそんな二人の生活も長くは続きませんでした。

海外の亜希から、初めて帰国するという内容の手紙が来たからです。

というのも海外でボランティア看護婦としてガンバッテいる亜希は大きく成長しました。

今までのお嬢様の生活ではなく、難民キャンプの心療場で、たった一人の日本人看

護婦として生活する事によって、いろんな苦労をしました。

緑とのわだかまりも解けて、緑を素直に母親と呼べるようになっていたのです。

しかも亜希には、恋人の男性ができました。

翔子が記憶を無くす前に付き合っていたカメラマンの田口洋介です。

田口洋介は、海外に行ったものの、人に騙され、恋人の美由紀は、カラオケのララに居なくなった事で連絡が取れなくなった為に、人生に投げやりになっていました。

美由紀には捨てられたと思った田口洋介は、生きるためにカメラマンとしての心も売り、体だけでなく精神的にも傷ついて、病院に担ぎ込まれたのです。

でも亜希はそんな田口洋介の内面の優しさを見抜くと、同じ日本人として親近感を覚えた事もあって、献身的に看護しました。

「一人でいい。誰かと一緒にいたいと思うと弱くなるから」という田口洋介の言葉に亜希は「そうだネ。好きな人ができると心が弱くなるから」というとやがて愛し合うようになります。

 そして体力も気力も回復した田口洋介が、日本に帰国する決心をした時に「一緒に帰ろう」と誘い、二人は結婚の約束をすると、帰国しました。

 緑には、手紙の中で、お母さんに会わせたい人がいると、報告していたのです。

 だから緑は、手紙が届いてからは、亜希の事で頭が一杯になって、翔子は少し寂しい気持ちを持っていました。

 亜希さんが帰ってくるのなら、自分は出て行かないといけないのではないかと思うようになっていたのです。

 

                  ♀「翔子と亜希」♀

亜希と田口洋介が、緑の家に着いた時は驚きの連続でした。

 亜希は海外にいった時も、美由紀の事は忘れていませんでした。

 美由紀は田舎に帰った様子もなく、居所が分かりません。

 日本に帰ったら、美由紀の事を探そうと思っていた亜希は、緑の家で、小山と一緒に翔子(記憶をなくした美由紀)が居たのにびっくりです。

 思わず「美由紀」と呼ぶと再会に喜んだのです。

 またそれは田口洋介も同じです。

 洋介もまた「美由紀」と驚きの声をあげ、亜希に「どうして美由紀を知っているの」と尋ねられると、とっさに、田舎の同級生だと答えました。

 昔、付き合っていた恋人だとはいえなかったのです。

 でも、そんな亜季と田口洋介は、美由紀との再会を喜び、美由紀が記憶を無くしているという事を知ると2度ビックリです。

 そんな美由紀との縁に、運命を感じられずにおれなかったのです。

 と同時に、翔子もまた、覚えていませんでしたが、自分の過去を知っている二人の再会に、救われました。

 自分の本名が芳本美由紀だと知り、亜希によって、心配していた自分の過去に大きな傷がない事も知りました。

 亜希は、かぐや姫とハイジとして文通していた頃の手紙を見せてくれるといい、翔子は、亜希と再び友情を持ちました。

 亜希とは自然と合うのです。

 しかしこの再会に一番びっくりしたのは、緑でした。

 亜希が文通していたという自分の子供かもしれない芳本美由紀の事を、緑はいまだに、調査会社に依頼して探しており、その美由紀が、まさか翔子だったとは夢にも思いませんでした。

 しかも翔子は、「まだ持っているの。ルビーのネックレス」と亜希にいわれた赤いルビーのピアスをつけたネックレスを持っており、それを美由紀にみせられた緑は、その場で倒れそうになりました。

 それはまさしく6歳の時の美由紀に渡したもので、もう片方のピアスは緑がいまでも大切に持っています。

「ずっと探していた美由紀がまさかこんなにちかくにいたなんて」緑はそう心の中でいうと、大きな運命を感じました。

 嬉しい反面、天が罪を犯した自分に対して、大きな罰を与えたような気もしていたのです。

 だけどそんな事をよそに翔子と亜希の仲は、どんどん深まり、周りに大きな波紋を起こしていきます。

 というのも田口洋介は、もう美由紀の事は、忘れたつもりでした。

 美由紀は、自分に連絡先を告げずに、消息をたったからです。

 でもその訳が記憶をなくした為だとなると事情が変わってきます。

 美由紀が苦しんでいるのに、自分は何もしてあげられなかったと田口洋介は思うと、美由紀に対する思いを捨てられなくなりました。

 まだ美由紀を愛している自分を発見し、動揺します。

 何とか美由紀に過去を思い出して貰おうと、翔子に詰め寄ってしまうのです。

 その上川島新一郎までも、美由紀の秘密を知ってしまいます。

 美由紀の居場所が分かったので、緑は調査会社の依頼を打ち切りましたが、それに困った調査会社が、緑の不在の時に電話して、代わりに用件を聞いた川島新一郎は、緑がずっと前から芳本美由紀を探していた事を知ります。

 それに疑問を持った川島新一郎は、亜希が自分の娘ではないかという疑問を含めて詰めより、緑から真実を聞き出します。

 美由紀と亜希を取り替えた事。自分の娘が翔子だという事を知り、呆然とするのです。

 でも川島新一郎は、翔子に対して親子の名乗りをあげる事はできませんでした。

 自分の二人の娘が幸せになるまで、真相を話すのは待って欲しいと緑に頼まれたからです。

 川島新一郎は、影から、足長おじさんとして、美由紀の事を支えていく事になるのです。

そんな川島の役に感動覚えた多くの視聴者が、ホームページの提示板に、「川島さんのようなお父さんが欲しい」「ファンになりました」という感想が多く書き込まれ、川島さんは一番人気になるのです。

また、翔子と緑の関係も、以前のようにはいかなくなりました。

亜希の手前、緑は、翔子に優しくできなくなりました。

自分の実の子だけに意識してしまい、翔子に冷たくなりました。

亜希さんが帰ってきたから、自分が出て行った方がいいのではないかという翔子に、そうネと突き放すようにいってしまい、翔子は、再び小山の家で、暮らす事になるのです。

だけどそれに、動揺したのは、田口洋介です。

田口洋介は、カメラマンの経験をいかして、緑の会社、エステ、ムロイの広告の仕事をするようになりましたが、翔子の事が頭から離れませんでした。

妹が居るといっても、美由紀と小山勝治が一緒に暮らす事に耐えられなかったのです。

ですから田口洋介は、どうして交通事故を起こした加害者の小山勝治が被害者の美由紀と一緒に暮らすのだと食ってかかるしまつです。

やがて田口洋介のそんな態度は、亜希にも気づかれ、田口洋介は、亜希に、美由紀と自分は昔、付き合っていたという事を告白し、亜希にショックを与えます。

亜希は、美由紀に好きな男性が居たらしい事を思い出すのです。

だから亜希は、田口洋介との結婚を延期しようとします。

翔子が記憶を取り戻して、美由紀になるまで待とうとします。

たった一人の親友、美由紀には心からおめでとうといって貰い、結婚式の時に、花嫁衣裳の亜希にベールをかけて貰うのが夢だというのです。

だけどそんな亜希の気持ちを知った翔子は、亜希の為に、小山の気持ちに応じる決心をします。

自分が小山と結婚すれば、亜希も田口洋介と結婚できると思い、勇気を出して小山にプロポーズするのです。

しかし小山は、そんな翔子に対して断ります。

紫陽花なら絶対にやりませんが、翔子が死ぬ程好きな小山は、翔子が自分と結婚した後、記憶を取り戻して苦しむ事を恐れて、翔子を抱きしめる事はできません。

「記憶が戻るまで待ちましょう」と言い「私の記憶が戻った時に、小山さんとの思い出を忘れてしまうかもしれません。それでもいいのですか」「その時は、もう一度、振り向かせてみせます。死ぬ程好きですから」と、ホームページでみても、ベストワンの言葉を吐くのです。

 こうして小山と翔子の関係も大人の関係になり、紫陽花の大好きな愛が一杯のシーンが生まれます。

 遅くまで勉強している小山の為に、翔子スペシャルの紅茶を入れてあげたり、カレーのスパイスを二人で、仲良く、ほのぼのとこねたりするシーンです。(ビデオを取っていない事が今でも悔やまれます)

 翔子は、そんな小山の愛に支えられて、過去を捨てて、翔子として生きる事を決意すると、二人の思い出があるカラオケの店、ララで亜希に会うとその自分の気持ちを伝えます。

 亜希も、その翔子の気持ちで、田口洋介との結婚を再び決心します。

 田口洋介に改めてプロポーズし、この世で起こる事は、すべて意味があると思っている田口洋介は、その亜季の言葉で、亜季を愛している自分に気が付くと、亜季と共にこの試練を乗り越えようとするのです。

 しかし運命は残酷です。

 結婚式の当日、翔子は田口洋介と偶然結婚式場で会い、この人とこれからどう接したらいいのだろうかと考えている翔子に、田口洋介は、最後のお別れのキスをします。

 それで美由紀の事は、完全に忘れるつもりだったのです。

 でもそのキスがきっかけになって、翔子は過去を思い出し始めます。

 最初に海外に出て行った時に、田口洋介にキスをされた事は、美由紀には強烈な思い出だったのです。

 そして結婚式が始まり、亜希と田口洋介がちかいのキスをしようとした時、何と翔子は、過去を思い出しました。

 記憶が戻り、翔子から美由紀になったのです。

 

                  ♀「芳本美由紀」♀

記憶が戻った美由紀の目の前に最初に、あらわれたシーンは、長年待っていた田口洋介と亜希がキスした瞬間でした。

 記憶を取り戻した美由紀は、その二人の姿に衝撃を覚えると、結婚式にもかかわらず、式場を飛び出してしまいました。

 そんな悲しい現実が待っていたのです。

 でも美由紀が記憶を取り戻した事を悟って後を追いかけた小山が、「紫陽花の事が分かりますか」と聞くと、頷いた美由紀は、自分が翔子だという事を思い出しました。

 小山や明日香と暮らしているのが今の自分だと、美由紀は、やっと冷静さを取り戻すと、つらいけど花嫁の亜希にベールをかけるのです。

 美由紀は、記憶を取り戻すのがあまりにも遅すぎた事を痛感するのです。

 でもその時から、美由紀は混乱して、自分を取り戻せなくなってしまいます。

 美由紀の時間は、田口洋介を愛している所で止まっていたのです。

 また亜希と田口洋介は、美由紀が記憶を取り戻した事に気が付くと、翌日の新婚旅行を取り止めてまで、美由紀に会おうとします。

 美由紀もまだ亜希に「おめでとう」といっていない自分に気が付くと、亜希に会おうとし、二人はカラオケの店、ララで会うと、友情を誓います。

 亜希におめでとうというと、美由紀は、洋介との恋を諦める決心をするのです。

 でもそんなに簡単にいかないのが恋です。

 田口洋介も動揺し、二人はあってもぎこちない関係を続けるしかなかったのです。

 しかしそんな関係が、長く続く訳がありません。

 記憶を無くした事で、小山との関係も元に戻れなくなった美由紀は、自分が美由紀として生きていいのか、翔子として生きていいのかさえ分からなくなっていたのです。

 でも、そんな苦しんでいる美由紀に誰も何もしてあげられません。

 唯一、緑だけは、美由紀を抱きしめる事で、救ってあげる事ができますが、「昔のように、私を抱きしめてくれませんか」という美由紀のお願いに、答える事はできませんでした。

 緑は我が子を抱きしめたくても、抱きしめてしまうと、自分を見失いそうで恐かったのです。

 そしてそんな自分を失った美由紀と田口洋介はやがて、東京タワーで偶然会うことがきっかけで、とうとう一夜を二人で、無断で過ごしてしまいます。

 緑や川島新一郎、亜希や小山勝治、明日香の心配をよそに、二人はホテルで一泊するのです。

 だけど二人は、亜希の事を考えると、それ以上関係を進められませんでした。

 田口洋介は美由紀を抱きしめ、美由紀は、「もう待たなくていいのネ」と涙声でいい、田口洋介は「ああ、もう待たなくていい」と答えます。

 やっと美由紀は、美由紀の過去と翔子の過去の二つを背負って生きていく決心をしたのです。

 でも亜希は、そんな美由紀や田口洋介を許せませんでした。

 美由紀の苦しみは痛い程、分かっていても、二人のした事を認める事はできなかったのです。

 といって亜希は、田口洋介を責める事もできず、美由紀と亜希は、カラオケの店で始めて喧嘩をしてしまいます。

 亜希は美由紀を憎む事で、田口洋介を許そうとしたのです。

 ですから亜希は、緑に、「お母さん、美由紀ともう会わなくていい。縁を切ってもいい」といい、緑はそんな亜希に真実をいう決心をします。

 緑に取っては、亜希も美由紀も、自分の娘です。

 そんな二人が憎しみ合うなんて耐えられません。

 二人の縁は、切っても切れない縁、絆で結ばれる事を知って貰い、緑は、自分の犯した罪を亜希に知って貰う事で、憎しみを自分に向けようとしたのです。

 でもその緑の試みは、亜希を益々追い詰めました。

 最初は信じようともしなかった亜希も、緑がみせた証拠、美由紀が持っているものと同じ赤いルビーのビアスを見せられると、自分が緑の本当の子供ではなく、美由紀が本当の子供だという事を受け入れ、精神的におかしくなってしまいました。

 ホームページの掲示板でも、この時点で緑が亜希にいうのは不自然だ。

 亜希がかわいそうだ。おかしいという意見がよく書かれていましたが、(紫陽花もそう思います)緑はそれを実施します。

 偶然その事を聞いていた田口洋介は、緑に亜希の事を支えると約束しますが、亜希は、何も食べられなくなってしまいます。

 田口洋介は亜希の病気に気付いても、緑や川島新一郎に伏せるだけで、何もしてあげられず、ついに亜希は入院してしまうのです。

 また一方、美由紀の方も、田口洋介と一晩過ごした事で、小山勝治や明日香を苦しめる事になり、段々、小山家で住めなくなっていました。

 小山も事情は分かっていても、美由紀が好きだという気持ちもおされられないのです。

 ですから川島新一郎は、そんな美由紀の親代わりになると、マンションを一つ借りると、誰にも内緒で美由紀を住まわせます。

 川島新一郎は、実の娘の美由紀に対して、マンションの費用を出してあげる事しかできなかったのです。

 こうして美由紀は、一人暮らしを始める事になったのです。

 でもそんな美由紀に、美由紀が居なくなった時に、田舎に帰ったのではないかと思って、小山勝治が美由紀の田舎に電話した事で、美由紀の居場所を知った親戚の島田夫婦が訪ねてきました。

 島田夫婦は、美由紀の出生の秘密に気が付いており、緑や川島新一郎を脅迫する為に、2、3日美由紀のマンションで泊まったのです。

 だけどその島田の脅迫は、何か様子がおかしいと気が付いた美由紀と、島田が脅迫していることを知った亜希の試みで、失敗します。

 お金を払う為に、自分の家に島田夫婦を呼んだ、緑や川島新一郎の前に、美由紀や病院から抜け出した亜希が、別々に現われ、亜希は、美由紀が緑の本当の娘である事。

緑が亜希と美由紀を取り違えた事を、美由紀にいうのです。

 けれどそれを聞いた美由紀は、そんな話を全然信用しようとせず、別な理由で、きっと田口洋介が亜希と結婚した事で、脅迫していると思うと、島田夫婦との縁を切ってしまいます。  

 島田夫婦は、諦めて田舎に帰ってしまうのです。

 だけど亜希は、自分の血に、島田夫婦と同じものが流れていると思うと、益々、度重なる心労と悩みでついに本格的に入院してしまいます。

 まったく食べられずに、やせ細ってしまい、命さえ危なくなってしまうのです。

 そしてついに精神的に追い詰められた亜希は、自殺を考えると、病院の屋上から飛び込もうとします。

小山勝治に言われて、入院した亜希を見舞おうとした美由紀は、亜希を見つけると、二人だけで話をします。

「一緒に死のう」という亜希に対して、美由紀は「亜希と一緒に生きたい。亜希は私のもう半分だから」と答えます。

 亜希もそんな美由紀に救われると「私も、美由紀を憎む事ができない。忘れられる訳がない。美由紀は、私のもう半分だから」と涙ながらいうと、美由紀と生きる決心をします。

 亜希はやっと立ち直る決心をするのです。

 こうして、亜希の病状は良くなり始め、美由紀はそれに安心すると、念願の司法試験に挑戦します。

 美由紀は記憶を取り戻した事によって、戸籍が判明したので、やっと司法試験を受ける事ができるようになり、弁護士になる決心をすると、何もかも忘れてもう勉強したのです。

 ですからその後、亜希や緑、川島新一郎、小山勝治なども気を使って、美由紀の勉強の邪魔をしないようにそっとするようになりました。

 美由紀の合格を祈るように、静かに見守ったのです。

 また美由紀は、その試験に見事に合格しました。

 しかし美由紀は亜希や明日香の待つ合格発表場にはいかず、電話で合格を聞くと、緑の会社に電話で言付けると、借りて頂いていたマンションのカギを返す為に、川島新一郎だけには事情を説明するとそのまま、弁護士の研修に向かいました。

 司法試験に合格すると、見習として、2年間、いろんな所で研修しなければならないのです。

 自分がいる為に、いろんな人によくない事が起こると思っている美由紀は、黙って姿を消そうと決心していたのです。

 だから亜希や明日香は、美由紀には合えませんでした。

美由紀のマンションに入った時にはもう、美由紀の荷物はなく、緑と亜希は、合格した時にしっかりと今度こそ真実を話そうと決心しただけに、ショックを受けたのです。

と同時にそれは小山勝治も同じでした。

小山勝治も、美由紀が突然居なくなった事に、ショックを受けていたのです。

でも川島新一郎は、そんな小山勝治や明日香に、美由紀から頼まれた、美由紀の宝物、主題歌、エーデルワイス(名曲です。映画ふたりの曲に匹敵します)の曲を流れるオルゴールを渡すと、取りに来るから預かって欲しいそうだと、美由紀の伝言を伝えました。

「これが彼女の精一杯の気持ちだろう」といい、小山は、かならず取りに帰るという美由紀の気持ちを理解します。

 小山勝治は、美由紀を信じて、ずっと待つ決心をしたのです。

 こうして美由紀は、後は亜希に、簡単な手紙を書いただけで、会うと悲しくなるのか、皆の前から「さよなら」もいいませんでした。

 美由紀は、「頼むから自分にだけには居場所を教えて欲しい」と頼む、川島新一郎だけには、「川島さんは私の親代わりだから。大泉先生にだけは連絡するつもりです」というと、後は誰も美由紀がどこに行ったのかも分からないまま姿を消したのです。

 

       ♀「芳本弁護士の挑戦」♀

美由紀が消してから2年以上の歳月がすぎました。

 その間に明日香や亜希、田口洋介も、それぞれの道をガンバッテいました。

 明日香は大学を卒業すると、将来、花屋をする夢を持ち、花屋に就職しました。

 持ち前のバイタリティで美由紀の縁があった大泉弁護事務所や、緑の会社、エステ、ムロイ、小山の縁ある所も取引先にして、花を納めていました。

 美由紀から預かっているオルゴールを夜な夜な、一人で手入れして「美由紀さん」といっている小山勝治に比べて、ものすごく元気なのです。

 また亜希は、退院すると、小山の紹介で、小山の勤めている病院で、看護婦としてガンバッテいました。

 夜勤も勤め、本格的に看護婦として働いていたのです。

 と同時に田口洋介も、ムロイでの広告担当の仕事だけでなく、自分の最初の夢だったカメラマンの仕事もこなしながらガンバッテいました。

 カメラマンとしての仕事も順調になり始め、ムロイの仕事は、辞めるような段階まで来ていたのです。

 でもだからといって亜希と田口洋介は幸せではありませんでした。

 美由紀が去った後、二人は、別居していました。

 田口洋介の夢、カメラマンとしての仕事をさせてあげたいという事で、亜希が提案した事です。

 お互いを見つめ直そうと、亜希は緑の家、田口洋介は、マンションを借りて、離婚はしませんが、別々に暮らしていたのです。

 しかしこの別居の選択は、二人の関係を悪くしました。

 だんだんすれ違いが多くなり、歯車が狂ったのか、うまくかみ合わなくなっていたのです。

 しかも亜希には、もう一つ、気になる事がありました。

 それは昔、亜希と付き合って、子供までおろさせて捨てた大竹恵一が、アメリカから戻ってきた事です。

 大竹恵一と亜希は同じ病院に勤め、お互いに避け合って、仕事をしていたのです。

 でも大竹は、そんな亜希をまだ愛しているのか、未練をもっているのか、狙っており、亜希と大竹恵一はある事がきっかけで、一時だけ結びつきます。

 というのも看護婦として優秀な亜希も、このまま田口洋介との関係は壊れ、離婚してしまうのではないかと真剣に悩んでおり、点滴を置き間違えるというミスをして、婦長に大目玉を貰います。

 それで落ち込んだ亜希は、田口洋介のマンションに行きますが、田口洋介に合う勇気がないのか、マンションの所で帰ってしまい、その帰り、待ち伏せしていた大竹に合うと、そのままホテルに入ってしまいます。

 結構寂しいがりやの亜希は、一時の安らぎが欲しく、大竹恵一は、そこをうまくついたのです。

 しかしそんな二人の関係は、一回だけの過ちという事で、それ以上は進みませんでした。

 冷静になった亜希は、過ちを犯した事を後悔し、再び迫ってきた大竹恵一に、ただの遊びだったと突き放したからです。

 大竹恵一のプライドを傷つけたのです。

 ある大変な事件が起きたのは、それから3日後でした。

 夜勤をしていた亜希は、可愛がっていた少女、白石和子が苦しんでいるのをナースコールで知ると、大急ぎで、当直をしている大竹恵一を呼び出しました。

 大竹恵一は、ドイツ留学をする為に、論文を書いており、徹夜続きで眠そくでしたが、駆けつけると、研修員でもミスをしない誤診をしてしまいます。

 点滴にいれる薬ベンダゾシンを、15ミリグラムにいれる所を150ミリグラムと指示簿に書いてしまいます。

 眠そくで、頭がぽっとしていたのです。

 その上に、指示簿の内容に疑問を持った亜希が「本当にこれでいいのですか」と確認を取ろうとした時も、「ナースはドクターの指示に従っていればいいんだ」と突き放してしまいます。

 亜希のいう事を素直にきけなかったのです。

 でも、それは大変な事を引き起こしてしまいます。

 白石和子は亜希が間違った指示簿でした点滴が原因で死んでしまいます。

 亜希は大変なショックを受けるのです。

 しかも白石和子が死んだ事を知った大竹恵一は、慌てて指示簿をみて、間違っているのを確認すると、指示簿を書き換えると、責任をすべて亜希に押し付けてしまいます。

 亜希は、責任を取らされて辞めさせられてしまうのです。

 その上、亡くなった患者の親が、亜希を刑事告訴しました。

 病院は、内部報告書を提出すると、医師の大竹恵一の指示通りしなかった亜希の責任を認め、白石和子の告訴を受けた警察は、亜希を訴えたのです。

 だけど亜希は、警察に問い詰められても、責任を認めようとせず、裁判になる事が決まりました。

 亜希は、生涯最大の大きなピンチを迎えたのです。

 しかも、緑から弁護を頼まれた大泉弁護士は、この裁判はきわめて亜希が不利だという事を伝えます。

 すべての物証は、亜希に責任があるといっており、勝てる物証は何もありません。

 裁判を引き受けてくれる弁護士はいないというのです。

 でもそれでも緑が頼むで、大泉弁護士は、自分は手一杯という事で、ある女性弁護士を紹介します。

 それが皆の期待した芳本弁護士ではなく、恵美弁護士(戸田菜穂、美由紀役の戸田麻衣子のお姉さん、ショムニの番組で、秘書役として活躍)でした。

 視聴者は見事に予想を外されましたが、tbsは姉妹の競演という粋な事を、ほんの一瞬だけどやってくれたのです。

 でも、恵美弁護士は、亜希が無罪を訴えても、勝てる自信はないと降りてしまい、再び、大泉弁護士が、万が一の可能性に賭けますかと紹介した弁護士は、研修を終えたばかりの芳本美由紀弁護士でした。

 芳本弁護士は、長崎の弁護事務所から、弁護をする為に派遣されると、颯爽と現われました。(ものすごくカッコ良かったです)

 亜希を助ける為に、美由紀は帰ってきたのです。

 だけど最初、亜希は美由紀との再会に喜んだものの、弁護を美由紀に依頼するのには、慎重でした。

 勝てる可能性の低い裁判で、美由紀に迷惑をかけたくなかったし、亜希は、美由紀に自分の過去、大竹の子供を身ごもって、おろした事を知って欲しくありませんでした。

田口洋介に内緒にしていたのです。

 けれど今の亜希を助けられるのは美由紀しかいません。

 緑や川島新一郎、田口洋介もそう思っています。

 亜希はしばらく考えたすえ、弁護士になった事で大きく成長した美由紀に頼む事にしました。

 美由紀との再会を祝って、亜希は、緑の家でパーティーをする事に企画すると、美由紀を招き、その時に集まった緑や川島新一郎、田口洋介に前で依頼したのです。

 こうして正式に、美由紀は、亜希の弁護を引き受け、緑や川島新一郎は楽しいひと時を過ごしました。

 特に川島新一郎は、車で美由紀を、住んでいる大泉弁護士の事務所まで送り、しみじみと家族のすばらしさを感じたのです。

 しかし亜希達の不幸はこれだけでは終わりませんでした。

 翌日、心労が続いていた緑は、心臓に痛みを覚えると、緑の家で倒れ、緊急入院をしてしまいます。

 意識不明で、命さえ危ない重体になったのです。

 でも美由紀は、そんな緑に会えませんでした。

 川島新一郎に、「冷たいことをいうようだけど、会っても何もできないだろう。君には他にやるべき事があるはすだ。緑さんの願いをかなえてあげて欲しい」といわれ、裁判に専念する事にしたのです。

 けれどこの裁判は、調べれば調べる程、亜希に不利でした。

 亜希が勤めていた小山のいる病院は、新しく医院長になった人の命令で、厳しく緘口令がひかれていました。

 美由紀が訪ねても、誰も答えようとせず、亜希の友人の看護婦や小宮勝治さえ、非協力的でした。

 小山勝治は、親友である大竹恵一を信じています。

 優秀な医師、大竹恵一が誤診し、ましてやその責任を亜希に押し付けるとはとても思えませんでした。

 病院で会った美由紀にも、「美由紀さんが紫陽花の立場だったら、協力しますか」といいました。

 美由紀はそんな小山に、「真実は一つです。もし、私が小山さんの立場で、亜希が間違った事をしていたら、小山さんになら協力すると思います」と答えましたが、小山の気持ちは動きませんでした。

 亜希も大竹恵一も信じたい気持ちで一杯で、いつの間にか、小山は、病院の人間として、亜希や田口洋介、美由紀の敵になってしまった事に苦しんでおり、何も協力できる立場ではなかったのです。

 その上、病院がみせた内部報告書も問題がありません。

 美由紀は裁判の争点は、医師の大竹恵一が、間違った指示簿を書いて、亜希に点滴をさせ、後でその指示簿を書き換え、証拠の間違った指示簿を消滅させたと判断しましたが、証明する物証は発見できなかったのです。

 しかも相手の片桐検事は、大泉弁護事務所の久我もよく知っている、医療犯罪になると異常な闘志を燃やすやり手で有名です。

 美由紀は辛い裁判をする事になるのです。

 そしてその裁判は、争点を、医師大竹恵一が指示した薬の分量と、内部報告書による分量が異なり、指示簿の改竄が行われたという点で戦われました。

 証人喚問が、病院の医院長、看護婦長、大竹恵一、亜希に対して行われ、美由紀は、片桐検事にこっぴどくやられてしまいます。

 美由紀はことごとく片桐検事に先手を打たれ、殆ど反論できずに、反対尋問を終える事になったのです。

 しかも亜希は、大竹恵一との過去を隠したい為に、尋問が大竹恵一との関係に及ぶと急に黙ってしまい、時より怯えているのか、美由紀と目も合わさなくなり、美由紀を戸惑わせました。

 美由紀は、ろくに亜希を弁護できなかったのです。

 こうして第1回公判は、警察有利で終わりました。

 芳本美由紀弁護士のプロとしての最初の裁判は、惨敗だったのです。

 

                 ♀「芳本弁護士の苦悩」♀

裁判の結果は予想通りでした。

 一審で亜希は有罪になりました。

 懲役2年、執行猶予3年の執行猶予つきの実刑判決がでたのです。

 その時の亜希は、テレビも見ても本当にかわいそうでした。(悲しい、悲しい)

 でも実は、紫陽花がホームページは、すばらしいなあとしみじみと思ったのは、そう思っているのは、紫陽花だけでない事が分かったからです。

ホームページの掲示板をみると「あれでは亜希がかわいそう」「裁判をする必要が一体あるのか」「ドラマの雰囲気が変わって面白くなくなった」など、皆さん好きな事を書いていました。

あまりない永遠の1/2の非難記事が、始めて続々と登場したのです。

賛否両論でした。

 特にその中でも「大竹が改竄した指示簿には、亜希の指紋がついていないから、それを指摘したら勝てるはずなのにどうしてしないのか」というものまであり、紫陽花もその通りだと変に納得しましたが、掲示板というのは、多くの人が永遠の1/2のドラマで、縁を持てるのですばらしいと思ったのです。

 ところが、そんな皆さんの意見は、二審では吹っ飛ぶ事になりますが、それは後のお楽しみにして、とにかく、美由紀は一審では、執行猶予を勝ち取るという善戦はしましたが、見事に負けてしまうのです。

 その上、この裁判で負けた事で、周りの人にまで大きな爪あとを残してしまいます。

 というのも裁判で負けた事で、緑の会社、ムロイまで、マスコミに叩かれ、経営的にも大きなピンチを迎えましたし、亜希や美由紀にも、覚悟していたとはいえ、大きなショックを与えました。

 亜希は二審をしないといい、美由紀も弁護士としての自信を無くしました。

 美由紀のいつもの前向きな考え、コップに水が満杯なくても、3分の1あれば、まだ3分の1もあるという考え方にはなれませんでした。

 自分の力量の無さを痛感し、上告しても負けると思ったのです。

 ですから美由紀は、「二審では、別な弁護士を頼んだほうが亜希の為だと」川島新一郎や田口洋介にいってしまうのです。

 しかし川島新一郎は、そんな美由紀に、入院している緑の前で、「ごめんなさい。亜希を救おうと一生懸命ガンバッタ。だけど・・・・」と泣きながら詫びている美由紀の前に、そっとハンカチを渡すと、すばらしい言葉をいいます。(ビデオ撮っています)

 「さっきの話だけど、やはり控訴する場合、弁護は君に頼みたい。緑さんは、君も亜希チャンも二人とも信じている」といい、緑の部屋で探してきた、美由紀が持っている赤いルビーのピアスと同じものを、美由紀の手に「お守りだ。緑さんと紫陽花からの」というと渡しました。

 それに驚いた美由紀が「やっぱり川島さんは・・・」というと「こんな事しかしてあげられないから」と病室から出ていってしまったのです。

 川島新一郎は、こうやって励まし、美由紀は、川島新一郎に心から感謝すると、もう一度やるだけの事はやってみようという気になりました。

 美由紀は、前に亜希に、「美由紀は緑や川島新一郎の本当の子供なの」といわれた時は、とても信じられませんでしたが、この2年間で、もしかしたら、緑さんは、自分の母かもしれないと思うようになっていました。

 そうだったらいいと思い、東京に帰ってきた目的の一つは、それを確かめる事でした。

 川島新一郎は、何も言わなくても、赤いピアスを貰うだけで美由紀は、もう十分でした。

 弁護を引き受ける決心がついたのです。

 しかしそんな美由紀や川島新一郎に大変な事が起こります。

 用心していた田口洋介がちょっと隙をみせた間に、亜希が姿を消したのです。

 川島新一郎からその事を携帯電話で聞いた美由紀は、亜希を探します。

 亜希は裁判で負けたのは、美由紀に大竹恵一医師と自分の関係を正直にいっていなかったからだと思い、それで苦しんでいました。

 これ以上、裁判で負ける事で、美由紀を苦しめられないと、意識が戻らない緑の前で泣いていました。

 その後、病室を無意識で出た亜希は、何と、電車に飛び込もうとしますが、亜希なら、きっと緑さんに会おうとするはずだと気が付いて、後を追い掛けた美由紀に助けられます。

 それでやっと亜希は正気に戻り、二人はその後、いつものカラオケの店、ララに行き、二人きりで歌いまくると、控訴する決心をします。

 第2回公判が始まる事が決定したのです。

 と同時に、この第2回公判で負ける事は、絶対に許されません。

 今度負けたら、再び上告しても、勝てる見込みはありません。

 美由紀は、前回の反省をすると、大竹恵一医師の生い立ちから、今までの過去を徹底的に洗う事にしました。

 大竹恵一の田舎にまで生い立ちを調べに行ったり、何故大竹恵一が米国から日本に帰国したのか、美由紀は大竹恵一が勤めていた米国のヒューストンの病院に問い合わせたりしたのです。

そうする事で、いろんな事が分かってきました。

美由紀は、自分と同じような生い立ちから、歪んだ考えを持つようになった、大竹に衝撃を受けたのです。

しかも病院でも、第1回公判が終わった事で、緊張が緩んだのか、今まで隠されていた事が分かってきました。

亜希の友人の看護婦も、「亜希を助けてあげて欲しい」と大竹恵一医師が、論文を作成する為に徹夜続きだった事や、指示簿を改竄していたのをみた看護婦がいる事を教えてくれました。

状況証拠も集まってきたのです。

しかし決め手になる物証の証拠はありません。

美由紀は法廷で、尋問で大竹恵一医師を揺さぶって、決定的な証言を聞き出す決心をします。

それ以外に勝つ方法はないのです。

だけどその為に必要な、亜希と大竹恵一の関係は、美由紀には、はっきり分かりませんでした。

一審の裁判の様子から、亜希と大竹は、看護婦と医師だけではなく、もっと隠されたものがある事は分かっていますが、決して亜希はそれを美由紀に話そうとしません。

亜希自身、言おうとするのですが、田口洋介に知られるのが恐いのか、どうしてもいえなかったのです。

でも美由紀は、それをとうとう知ってしまいます。

調査中に、事故が起こった3日前に、亜希と大竹がホテルに入っていたという事を調べて衝撃を受けるのですが、何故そうなったか、真実が分からないので苦しむ事になるのです。

けれど、そんな美由紀を、緑さんの魂は助けてくれました。

意識は戻らなくても、緑も一緒に戦ってくれており、緑の病室で寝ている美由紀の夢の中に出てくると、無言であるキーのありかを教えてくれました。

それは緑の家にある、部屋の机の引き出しを開くキーで、中には美由紀が裁判の研修に行った時から、2年間の事を書いた緑の日記がありました。

美由紀はそれを川島新一郎に、「私を信じてくれますか」とお願いして、亜希や田口洋介に内緒にして貰って受け取ると、亜希が以前、大竹と恋愛し、妊娠すると子供をおろさせられた事をしります。

緑の日記には、亜希の病院に、大竹が戻ってきた事を、憤りを持って、書いており、美由紀は、亜希が隠している悲しい過去を始めて理解したのです。

ですがその反面、美由紀は、裁判に勝って亜希を救うには、亜希と大竹の関係をあきらかにする事しか方法はないけど、そうすれば亜希を傷つけ、田口洋介、川島新一郎までも傷つけないといけない現実に、益々悩む事になります。

真実って一体何だろうと疑問を持つのです。

でもそんな美由紀を大泉弁護事務所の久我さんは、叱咤激励をしてくれました。

「久我さん、真実って一体何でしょう。それが明かされる事で、人を傷つけような真実ならいらないと思いませんか。私、もう・・・」という美由紀に、大泉弁護士の片腕で、美由紀が新米でも、ちゃんと弁護士として扱い、芳本先生とたててくれる久我さんは、「一瞬だけ、昔に戻りますネ」というと、「甘ったれるのじゃありません。真実を明らかにするのが弁護士の仕事でしょう。それが嫌ならおやめなさい。やるべき事をやるのがプロです。泣き言をいっている暇があったら、他にやる事があるでしょう。貴方はプロの弁護士でしょう。」と本当にカッコのいい、アルバイトをしていた頃の美由紀にもいわないような、目の覚めるような事をいいました。

 ホームページの掲示板でも、「久我さん、さすが、よくぞいってくれました」という称賛の言葉であふれていましたが、美由紀は、その言葉で、弁護士としての自分の使命に気がつくのです。

 また、そんな美由紀に、小山から、「紫陽花からのささやかなプレゼントです。最初で、最後の」と書かれた手紙と、大竹が改竄する前の、亜希に間違えた指示をした、指示簿を入れたものが送られてきました。

 というのも、これはホームページの提示欄でも、絶対におかしいとか、ありえないと散々でしたが、大竹は、小山の所に寄る時に、書き損じた書類や、いらない紙に、お菓子を包んで持っていく習慣があります。

 小山の部屋で、捨てていたのです。

 だから大竹は、絶対に処分しないといけない証拠の指示簿も、何とお菓子を包む紙にすると、小山の部屋で、ごみ箱の中に捨ててしまいます。

 亜希に責任を押し付けた罪の意識が、無意識でそうさせた。

 親友の小山にs0sを出していたとしか解釈できませんが、大竹はそうしており、何と小山は、美由紀のものを大切にする癖が移っており、その紙を指示簿と気がつかずに、ごみ箱から取り出すと四角に折ると持っていたというのです。(どう考えても、少し無理があります)

 そしてそれを小山は、亜希の判決がおり、二審が始まった時に、ある偶然から気がつき、呆然とします。

 大竹が亜希に責任をおしつけた事は明白です。

 親友の大竹を疑い始めていた小山は、大竹が医師として、人間として、許されない事をしようとしている事を知るのです。

 だけど小山は、それを美由紀に、なかなか渡す事はできませんでした。

 自分の事を唯一の親友だと思っている大竹、今まで、自分を助けてくれた大竹を、裏切る事になるからです。

 小山は、自分の手で、大竹を有罪にし、医師としての使命を奪う事が絶えられなかったのです。

 でも小山は、悩んだ末に美由紀に渡す決心をしました。

 これを親友の為だといって見逃せば、自分自身、医師として失格ですし、大竹の為にもなりません。

 昔の医師として情熱に燃えていた頃の大竹に戻って貰う為にも、小山は、美由紀に渡す決心をしたのです。

ただそれをしたら、親友の大竹だけでなく、病院も裏切る事にもなります。

小山は病院を辞める決心、辞表を書き、美由紀とも、もう会わない。

辛いけど美由紀の事を忘れる事にすると、「最初で最後のプレゼントです」と手紙に書いたのです。

さあ、こうして、小山の願いをこめた、物証の亜希に指示した指示簿も手に入り、すべての資料が、美由紀の元に集まりました。

 美由紀は、やっと真実を見つけ、第2回公判に臨む事になったのです。

 

                ♀「芳本先生大勝利」♀

2回公判は、多くの人が見守る中で行われました。

田口洋介や川島新一郎だけでなく大泉弁護士も来てくれていました。

皆のエネルギーを貰って、戦う事になるのです。

だけど美由紀にとっては、亜希の隠している過去、大竹医師との関係を、多くの人の前で、明らかにしないといけない辛い裁判でした。

マスコミにも知られてしまうのです。

けれど美由紀は、皆を信じて徹底的にやる覚悟をしていました。

というのも、裁判の前日、美由紀は、決心すると、亜希に、カラオケ、ララに来て貰うと、「亜希、真実は一つしかないと思うの。だから明日の公判で、私が何を言っても、どんな事になっても、それでも私の事信じてくれる」と必死で訴え、亜希は、その美由紀の言葉で、美由紀が大竹との関係を知り、公判で言う事を悟ると、静かに頷くと、「私は美由紀を信じる。美由紀は私のもう半分だから」と答えたからです。

どうしても洋介に、自分がした過ち、大竹との関係をいえない亜希は、美由紀にいって貰う道を選ぶのです。

美由紀は、そんな亜希に「絶対に裁判に勝つから」と約束したのです。

また、美由紀は、田口洋介にも、裁判の当日、「私が今日の裁判で、何をいっても、亜希を愛し続けますか」と聞いています。

「なんだよ。突然」とその言葉に驚く田口洋介に、「大事な事なの。これで亜希の運命が決まるかもしれないの」といい、「俺は亜希を愛している、何があっても永遠に」という言葉を引き出しています。

美由紀はそんな田口洋介にお礼をいうと、亜希と田口洋介の縁、永遠の絆は、こんな事でも壊れないと確信しました。

そんな二人と共に裁判を戦うのです。

と同時に美由紀は、意識がまだ戻らない自分の母、緑とも一緒に戦っていました。

裁判所の控え室で、美由紀は、亜希を落ち着かせる意味もあって、川島新一郎から預かったルビーのピアスを取り出すと、右耳につけました。

「そのイヤリング」と驚いている亜季に対して、美由紀は、ネックレスにしているもうひとつの同じピアスを、ネックレスから外すと、左耳につけ「川島さんがこっそり貸してくれたの。緑さんならそうするだろうって。大事なお守り。この前は、検事に言われて外したけど、今度は大丈夫。緑さんも一緒に戦ってくれる」と力強く亜希にいいました。

美由紀はそういうと前の裁判で、片桐検事から、裁判中に、そんなネックレスをつけるべきでないと注意されて外した事を思い出すと、「今度は外さない。みていてお母さん」と心の中でいい、亜希も、その言葉で、安心しました。

美由紀が、まるで母親、緑に思えたのです。

そしていよいよ裁判が始まり、ルビーのピアスをつけた美由紀は、前回とは違って、大活躍をします。

本当にカッコ良かったです。惚れてしまいました。

ホームページの掲示欄でも、最初の裁判の時には、「裁判をする意味があるのか」とか、「面白くなくなった」と書き込んでいた人が「この時の為に、前回はわざと駄目にしていたのか、さすがtbsさん」「おみそれしました。納得です」なんて書いていましたが、正直脱帽でした。

まず前回の時と同じように、医院長や看護婦長などの尋問があったのですが、片桐検事の尋問が終わり、裁判長が「反対尋問どうぞ」と美由紀にいっても、「ありません」とそっけなくいって、片桐検事に「一体、わざわざ、呼んでおいて、何なのだ」と初めて、戸惑わせました。

美由紀は、こうして、大竹医師にプレッシャーを与えると、いよいよ、大竹医師の反対尋問になると、片桐検事や大竹医師も予想もしなかった所から、攻めました。

大竹医師の生い立ちから尋問を始め、大竹の父がお金のない貧しさ上に、診察も受けられず肝硬変で亡くなった事や、母親がそんな病気をいい事に、若い男とできて、父親や大竹を見捨て行った悲しい過去を明らかにしました。

美由紀は、そうする事で、その後医師になった大竹自身の本来の目的が、お金がない父を殺した医師、医療産業に復習をする事だった事や、そういった復習心が、いつの間にか、歪んだ閉鎖社会の中で変容すると、大竹医師自身を、権力と名誉に取り付かれた、エリート医師に変えた事を、言い当てたのです。

しかも母親に対する極度の復習心が、大竹医師の中で優しさと冷たさという相反する形であらわれ、女性と関係し、冷たく捨てる事で、無意識で母親に復習していた大竹医師の心情を暴きました。

美由紀はそうやってどんどん責め、片桐検事はそんな美由紀の反対尋問にうろたえると「本件とはまったく関係のない事です」といって逃げようとしましたが、美由紀の反論に負け、裁判官に却下されると、裁判は完全に美由紀のペースで進みました。

次に美由紀は、米国のヒューストンの病院を、何故、大竹が辞めたのか質問し、「今の病院に頼まれたから」という大竹に対して、リンダー・ウエバーという女性の名前を出すと、大竹医師が、米国の病院で、看護婦を妊娠させ、冷たく捨てる事で、自殺未遂に追い込み、今でも意識が不明だという事実を明らかにしました。

その後、美由紀は亜希を見つめ、亜希がゆっくり頷くのを待って、いよいよ核心部分の大竹が、日本にいた当時、被告である亜希に対して、同じように妊娠させ、冷たく捨てた、重要な事実をいいました。

大竹と亜希がただの医師と看護婦でない事をいって、大竹医師の亜季とは個人的な関係はないというのは嘘である事、今までの発言に信憑性がない事を証明すると、次に、事件の起きる3日前に、二人が、ホテルに入った関係であった事を、大竹に認めさせ、裁判官から弁護士の主尋問を勝ち取ります。

裁判は、20分の休憩の後で、再び、始まったのです。

でもその間にも、いろんな事はおきます。

これではあまりにも亜希ちゃんがかわいそうだと美由紀に抗議しようとした川島新一郎は「自分の子供達を信じられませんか」と大泉弁護士に止められましたし、最初は美由紀の言葉で動揺した田口洋介も、休憩の間に、亜希と話し合う事で分かりあえました。

美由紀にいわれた「今日、何があっても亜季を愛し続けますか」という言葉を思い出した田口洋介は、亜希に会うと「ありがとう」と感謝しました。

別居中に、何も亜希の事を分かっていなかった自分に気が付いている田口洋介は「今日、美由紀にいわれたよ。何があっても亜希を愛し続けるか」というと、難民キャンプの診療所で、死んだも同然だった自分を、救ってくれた亜希に改めて感謝の言葉を述べ、「それにくらべたら、こんなもの何でもない」と亜希の手を握りました。

田口洋介は、その後、亜希を「今度は俺がずっと守ってやる」としっかり抱きしめ、洋介に知られた事で動揺している亜希は、そんな田口洋介の胸に飛び込むと、救われました。

再び、二人の心は、一つになったのです。

こうして、それぞれの休憩の時間が終わり、弁護側の主尋問が始まりました。

美由紀は、今度は、大竹がつい最近出した論文に対して質問し、事件当夜、大竹が画期的な論文を書く為に、1週間徹夜続きで、誤診をしても不思議ではない状態だった事実を明らかにしました。

その上で美由紀は「事件発生までの流れを簡単に整理させて下さい」というと、女性をもてあそぶ事で、無意識に母親に復習していた大竹が、亜希と関係を持った事で、関係が復活したと勘違いして、継続を求め、亜希に見事に振られた事で、初めて女性に、最大限の屈辱を与えられたと取った大竹医師の心情を暴きました。

「客観的にみれば、あなたは被告人に、逆にもてあそばれたと事になるのですから」とあえて挑発するような事をいい、その後罠を仕掛けます。

美由紀は、徹夜続きだった大竹医師は、半分眠ったような状態で診察したが、本当は、屈辱を与えられた被告人に意図的にミスをさせようとしたのではないか。

そう大竹医師を追い詰め「大竹さん、本当は被告人にプライドを傷つけられた貴方は、その復習の為に、何の罪も無い、幼い子を犠牲にして、被告人を犯罪にする事で、自分を捨てた母親に復習を果たそうとしたのではありませんか。どうなんですか・・」と激しく責めました。

美由紀はそういう事で、わざと大竹が誤診をしたのではなく、本当は子供を計画的に、亜希を陥れる為に、殺したのではないかとけしかけ、追い詰められた大竹は、ついに良心の呵責から、逆上したのか「違う、違うといっているじゃないか。ばかか、あんた、はなからそうするつもりだったなら、指示簿の書き換えなんかする意味ないじゃないか」という決定的な発言を、言ってしまいます。

美由紀は、とうとう大竹の口から真実を言わせる事に成功したのです。

その瞬間、亜希や田口洋介、川島新一郎だけでなく、被害者、白石和子の父親やその弁護士、片桐検事、裁判官でさえ息を呑みました。

事実上美由紀の勝利が確定しました。

美由紀は、その大竹の発言が、裁判内容を記録している人に、証拠として記録された事を確認すると、「証人に伺います。私は指示簿の書き換えとは一言もいっていませんが、それはどういう意味ですか」とがっくりしている大竹に最後の念押しをすると、その後、この永遠の1/2の一番のテーマ、いいたい事をいいました。

というのも人間である以上、誰でも間違いはおかしますが、その一つの間違いを隠そうとすると、まったく別の新しい悲劇を生み出してしまいます。

紫陽花自身、少しはそういった経験がありますし、もしかしたら、皆さんもあるかもしれません。

誰でも一度や二度は、大なり小なりあるものだし、企業でも、個人でも、こういった事は、よく聞きます。

企業でいえば、三菱自動車のクレーム事件や雪印の問題もそうです。

だから自分の持った問題は、正面から向かい、自分自身で決着をつけないかぎり、新たな悲劇が生まれ続け、最後には多くの負債をかかえて倒産したり、破局を迎えたりします。

真実を話す事は勇気がいるし、当人ととっても知る事はかならずしも幸せとはかぎりませんが、たとえそれを知って傷ついたとしても、早く知らせないとならない事は、話さないといけません。

たった一つの嘘が数多くの悲劇を生み出す前に、勇気を持って、真実と向かい合い、悲劇の連鎖を断ち切る事が必要ある訳です。

 美由紀は、テレビを見ている紫陽花達、視聴者にそう教えてくれたのです。

 何故なら亜希が苦しんでいる事も、緑がした事も、この勇気がなかった為だからです。

 紫陽花も考えさせられましたが、美由紀は、自分に言い聞かせるようにいい、尋問を終えようとしたのです。

 しかしそれでも大竹は、まだ認めようとしません。

「それで勝ったつもりですか。紫陽花は貴方の不当な追及により、精神的に混乱しただけです。指示簿の書き換えなんて、この裁判中、あなたが何度もいっていた事だ。それとも、何か、物的な証拠でもあるのですか。あるのなら、紫陽花の前で、見せて下さい」

 と大竹はそう開き直り、とうとう美由紀は、切り札の小山から貰った、改竄する前の指示簿、150ミリグラムと大竹が書いたものを裁判官に提出しました。

 小山の病院での立場を考えて、美由紀は、あえて指示簿の提出は避けていたのですが、大竹が認めない以上仕方がなく出してしまい、大竹は、親友の小山が美由紀に渡した事を知ると、ショックのあまり、何もいえなくなってしまいました。

 片桐検事も、反対尋問を勧める裁判官に、ありませんと答えると、ここで第2公判は終わりました。

 後は、結審を待つばかりとなり、結審は2週間という異例の速さで、行われると、一審は破棄され亜希の無罪は確定しました。

 美由紀は一つ大きな仕事をやり終えたのです。

 

                ♀「美由紀と亜季の姉妹」♀

 裁判で勝利した事は、久しぶりに皆を明るくしました。

 今までに起きたいろんな事件がすべて、いい方向に向かいました。

 緑の会社ムロイも裁判で勝った事で、売上が戻り始めました。

 大きな危機を免れ、緑の会社を預かっている専務の川島新一郎は、心からリラックスできるようになったのです。

また亜希は、医師が間違った指示とはいえ、実際に点滴をしたのは自分である以上、罪を許されたとは思いませんが、精神的に救われました。

晴れて、白石和子さんの墓参りにもいけるようになり、美由紀や田口洋介と行った時に、偶然、白石和子さんの父親と会い、「おかげで実際に責任をとらないといけない人が誰なのか分かりました。」と述べられました。

 亜希は「和子さんのこと、絶対に忘れませんから」と答えましたが、やっと止まった自分の時計を動かすと、新しく自分の人生の針を進ませる気になりました。

 もう一度、看護婦になろうという決心さえしたのです。

 こうして、皆、それぞれ、亜希が事件を起こす前の生活に、戻ろうとしていたのです。

 そして美由紀もまた、亜希が事件を起こす前の生活、長崎に帰らないといけなくなりました。

 亜希の弁護を引き受ける為に、戻ってきたので、それが終わった以上、すぐに長崎の弁護事務所に帰らないといけないのです。

 大泉弁護士は、そんな美由紀の為に、東京で、遣り残した事がないようにと、三日間くれました。

長崎の弁護事務所に報告書を作成するのに二日間と、後一日、余裕をくれたのです。

こうして美由紀の「やり残し」探しが始まったのです。

と同時に、美由紀が長崎に帰るという事は、亜希や田口洋介、川島新一郎、明日香などそれぞれを驚かせました。

裁判に勝った事で、田口洋介が、緑の家で、ガンバッタ亜希と美由紀の為にパーティーを計画し、その時に美由紀から長崎に帰らないといけないと聞き、がっかりしたのです。

亜希はまた離れ離れになるのと悲しいそうでしたし、川島新一郎も、ショックを受けました。

明日香はそれを聞くと、兄である小山勝治に伝える為に、パーティーの途中で慌てて帰ったのです。

こうして、それぞれの人に対しても、美由紀に対する遣り残し探しが始まりました。

大きく運命が流れようとしていたのです。

またその中で美由紀はさっそく、一つ目の遣り残した事を実現しました。

パーティーが終わった後、川島新一郎と田口洋介が、帰ったのをみた美由紀は、亜希に「亜希、ちょっと話があるの」というと、「何」という亜希に「どうして洋介さん帰ってしまうの。まだ全部終わっていないネ」と優しくいいました。

その後美由紀と亜希は、田口洋介の居るマンションを訪れ、美由紀は、亜希と田口洋介が二人だけで話をできる縁をつくりました。

「私ができるのはここまで、二人の事は、二人しか解決できないと思う」と帰り、その後、二人は、2年間、別居していた意味を考えました。

 亜希は初めて素直に、この2年間、本当は寂しかったこと、一人でいる事に絶えられなかった事を告白し、洋介も、この2年間、何故孤独だったのかを考え、それは自分にとって、一番大事な人の事を思う時間だろうと思っていたというと、「亜希と一緒にいたかった」という本心をいいました。

 2年間、一人になる事で、田口洋介は、美由紀ではなく、亜希を心から愛している自分を認識したのです。

 だから二人は、別居を止め、再び一緒に住む事になりました。

 初めて洋介の部屋に入った亜希は、部屋に何もないのに驚きながらも、ここで一から一緒に住みたいといい、その気持ちに洋介は、緑さんが意識を回復するまで、緑さんの家で、二人で待とうと答えたからです。

 洋介は、亜希の待つ緑さんの家に帰る事になったのです。

 美由紀の望み、亜希と洋介が一緒に生活してくれる事が実現したのです。

 と同時に、美由紀には、今度は自分自身が、遣り残した事もあります。

 緑さんや川島新一郎との事や、小山勝治の事です。

 美由紀は、それを一つ一つ実現しようとしますし、周りの人達も応援します。

 大泉弁護士は、美由紀の心情が分かるのか「まだ心の整理が終わっていませんネ」と一日長崎行きを伸ばしてくれ、美由紀は、その一日で、緑の会社に行くと川島新一郎に会いました。

川島新一郎は、美由紀が弁護士の研修員としてガンバッテいた時も、美由紀が勉強できるように、マンション代などの面倒をみる足長おじさんになっていました。

 一度も会おうとはせずに、ずっと援助だけをしていたのですが、田口洋介に、「いつまで足長おじさんのままでいるつもりですか」という助言を貰った事で、美由紀にすべてを告白する決心をしました。

 ここからは紫陽花自身も、涙がちょちょきれだったのですが、川島新一郎は、美由紀をこのまま長崎に行かせたら駄目だ。父親として何をしないといけないかずっと考えており、美由紀が、自信がついたので、これからは一人で生きていく、研修中にお借りしたお金もお返していきますというと、しみじみと「わかった。でもお願いがあるんだ。なるべく、ゆっくり返してくれないかな。5年、10年、いや、20年、紫陽花が歳をとって、年寄りになって、死ぬまで、君と繋がっていたい。これから先、ずっと」と美由紀に優しくいいました。

 その後、川島新一郎の言葉に少し驚いた美由紀も「分かりました。喜んで。私も川島さんから離れたくないから」と答えるのです。

 そしてその後、川島新一郎は、椅子から立ち上り「もう一つお願いがあるんだ。君の事を抱きしめていいかな。抱きしめたいんだ」と頼み、美由紀が、「はい」と立ち上がると、初めて父親として抱きしめました。

 ここで川島新一郎は、今までずっと我慢していたものが押えられなくなったのか、涙を押えられないまま「美由紀、君は、紫陽花の、紫陽花と緑さんの本当の娘だ。すまなかった美由紀、ずっと一緒にいたかった」と親子の名乗りをあげ、美由紀は初めて、お父さんと呼びました。

その後、美由紀は、川島新一郎に「お母さんに会いたい。緑さんにも、あなたは私の娘よといって貰いたい」と涙声でいうと、その日、緑の病室に泊まると、ベッドを運び、緑と一緒に寝ました。

 その瞬間、美由紀は、緑の匂いから、6歳の時に、自分にピアスをくれた女性が緑だと確信しました。

 感じるお母さんの鼓動、お母さんの息遣い、お母さんの匂い、美由紀は、緑に抱きつくとそう心の中でいい、素直になりました。

 亜季と一緒に、緑に裁判に勝った報告をした時は、緑さんの口から聞くまでは、お母さんと呼べない美由紀でしたが、お母さんと言えるようになったのです。

 そんな美由紀に奇跡が起きたのは、翌日でした。

 川島新一郎から、美由紀が一日、長崎行きを伸ばしたと聞いた亜季は、美由紀に会いに、緑の病室に出かけ、二人は、緑の前で、姉妹になりました。

 美由紀は、亜希がいたから、亜希と文通するという縁を持ったから、母親に会えたと心から感謝し、大切な宝物のルビーのピアスを取り出し、

「これがあったから、このイヤリングがあったから、私、今までやってこられたの。田舎に住んでいた時も、東京に住んだ時も、記憶を無くした時も、そのもう片方をお母さんは持っていたの。ようやく引き合えて、二つ揃った。だからイヤリングが二つあるように、私と亜希は緑さんの娘」というと、一つを亜希に渡し、

「お母さんの手から私達に一つずつ、私たち姉妹だから。私達は永遠の1/2」と亜希にいい、美由紀と亜希は、緑の手にイヤリングを戻し、再び貰おうとしたのです。

 でもその時、緑は、意識を回復したのか、イヤリングをぎゅっと握り、長い夢から目を覚ましました。

 意識を回復した緑は、美由紀と亜季を見つめ、「夢の中でみていたの。美由紀のすてきな姿も、亜希の笑顔も」というと「ごめんなさい。美由紀。あなたは私の娘よ」とついに告白しました。

 その待ちに待った言葉に、美由紀が、緑の胸に飛び込んで号泣きすると、今度は、亜希が「お母さん、美由紀ネ。そのイヤリングを二つつけて裁判に勝ったの」と報告し、緑は、この間の事情が分かりました。

 その上で、イヤリングを美由紀に返そうとし、「一つは亜希の分」と美由紀にいわれ、二人が姉妹になった事に気が付きます。

 緑は、今度は亜希をみると、「亜希も、私の娘よ。二人とも」といい、後は涙、涙でした。

 紫陽花も何度みても、涙、涙です。

 こうして美由紀は二つ目の遣り残した事もやる事ができたのです。

 しかし奇跡は、それだけではありませんでした。

 大泉弁護士に会って、最後のお別れして、長崎に帰ろうとした美由紀に待っていたのは、大泉弁護士のこの事務所にずっといて下さいという言葉でした。

 弁護士としても優秀な美由紀の為に、大泉弁護士は、わざわざ長崎まで出張してまでも、交渉し、美由紀が東京で働けるようにしてくれました。

 大泉弁護士は、そんな自分の行動に、まったく気が付かなかった美由紀に「君はまだまだ甘い所がありますネ」と冗談をいうと、笑ったのです。 

こうして美由紀の長崎行きは中止になり、見送りに来ていた亜希や田口洋介、父親の川島新一郎は大喜びしました。

 もう離れ離れになる事はなく、東京で緑や川島新一郎、亜希や田口洋介と共にいれる事になったのです。

 こうして、それぞれの美由紀に対する遣り残した事もどんどん消化され、川島新一郎は、それを緑に報告した時に、「川島さん、私、ようやく夢から覚めた気がするわ。美由紀と亜季を取り替えた時から始まった長い、長い夢、私のすべての罪を知って貰って、二人が姉妹になって、夢から覚めた。そしてここから私達の本当の人生が始まる」といわれます。

 緑はそういうと、崇と並んで写っている写真を取り出すと「許してくれるわネ。あなた。私達はあの二人、美由紀と亜季を見守っていくの。永遠に」と頷いている川島新一郎を見つめるといい、紫陽花の解釈では、自分を守ってくれる唯一の男性、川島新一郎の愛に、やっと答える決心をしました。

 緑と川島新一郎は、一緒に住む事になり、美由紀は素敵な両親を持てる事になるのです。

 でも美由紀には、最後に、もう一つ、遣り残した事があります。

 小山勝治の事です。

 研修の2年間で、美由紀も、いかに翔子として、小山勝治、妹の明日香と三人で暮らした日々が、自分にとって、大切だったか知りました。

 美由紀の人生で一番心が安らいだ時、小山の優しさと明日香ちゃんの明るさに包まれていた時が、楽しく、一番幸せだったのです。

 ですから、美由紀は、ようやく、自分に一番何か必要なのかも分かりました。

 しっかりした愛情、自分の居場所は、小山さんの所だと確信できていたのです。

 小山勝治をやっと心から100%好きになっていたのです。

 でも、その美由紀は、その自分の心を小山にいえません。

 小さい頃から、人に愛される事が少なかった美由紀は、どうしても愛に臆病なのか自分から小山の胸に飛び込めない所があります。

 そんな美由紀にとって、裁判相手の大竹が小山の親友だった事は、あまりにもタイミングが悪すぎたのです。
 また小山も同じです。

 美由紀が研修を行った2年間、小山はずっと美由紀を信じて待っていました。

 今でも昔、翔子にいったように、美由紀の事が死ぬ程すきです。

 けれど研修を終え、弁護士になった美由紀は、あまりにも大きな存在になり、小山は、もう美由紀は自分には手の届かない女性になったと諦めようとしていました。

 親友の大竹を、結果的には裏切ってしまったという理由ではなく(大竹も、病院を辞め、自分と同じように、再出発をした小山の決意を知って、小山に感謝しました)美由紀は、自分と違ってこれからも大きく羽ばたく人だ。

 裁判所で亜希の無罪を見届けた後、小山は病院を辞めており、今の美由紀と一緒にやっていける自信がありませんでした。

 医者としては、出世がおぼつかない小山は、美由紀の重荷になって、自分が傷つくのが恐かったのです。

 だから小山は、自分の事を心配して、美由紀から預かったオルゴールを返して来てという妹の明日香の願いとは逆に、美由紀に会うと「昔の翔子さんが好きでした。紫陽花が、前にいつまでもずっと待っていますといった事がありましたネ。それで美由紀さんを混乱させたかもしれないけど。もう待ちませんから」と心にもない事をいってしまいます。

二人とも恋に臆病で、美由紀と小山は、愛しあっているのに、本当に別れようとしていたのです。

でもそんな美由紀の心を知った亜希は、一人で会うと、小山から美由紀をどう思っているか、本心を聞き出そうとし、小山が美由紀さんと紫陽花ではつりあわないと言うと「目を覚まして下さい」というきつい一発を放ちます。

小山に「そんなのは自分勝手な身勝手な考えです。本当は、自分が傷つくのか恐いだけだ」といい、小山に考えさせるのです。

しかも妹の明日香も、自分の夢、小山の自宅を花屋にする夢をやめて、病院を辞めた兄の為に、小山診療内科医院を作る事を計画します。

小山はそんな二人に支えられると、美由紀に自分の本当の気持ちを伝える為に、長崎に向かうのです。

だけどもちろん、美由紀は長崎にはいません。

このへんが小山らしいとホームページの提示板にいろんな人が意見を載せていましたが、美由紀が勇気を出して、パーティーに小山勝治と明日香を誘った電話で、美由紀が東京に住む事になった事を知って、慌てた明日香からの連絡を受けた小山は、東京に戻る事になるのです。

さて、こうして長かった永遠の1/2のドラマも、最後のシーンになります。

というのも緑の家では、美由紀が、東京にずっといる事が決まった事で、今までお世話になった人達を招いてのパーティーが行われ、大泉弁護士や久我さん、カラオケララの店長夫婦、明日香、亜希、田口洋介、川島新一郎が集まっていました。

仮装大会をして、美由紀は「私が主役です」という襷と豚鼻をつけ、亜希や田口洋介、大泉弁護士も面白いカッコをしていました。

ここらへんの最終回の演出は、憎いと思いましたが、ドラマでは、美由紀は、自分の為に集まった人達を、本当の宝だと思っていましたが、小山が来ない事に気にしていました。

明日香は何も美由紀にいわず、ただ、「おにいちゃん、何しているの。早く着てよ」と焦るばかりだったのです。

そしてそんな小山からの一本の電話がかかり、明日香から、受け取った美由紀は、嬉しそうな顔になると、照れくさそうに、「ちょっと出てきます」と静かに緑の家を出ます。

二人はこうして会い、小山は美由紀に、待ちのはもう嫌なので自分の気持ちを伝える為に長崎に行った事、飛行機の中で、人はどうして一人で駄目なのか、人を愛するのか考えて、きっと人は不完全で、永遠に1/2だからと思った事などを話します。

その後も、小山は、亜希に、自分の気持ちがいえないのは、自分自身が傷つくのが恐いからだといわれた事をいうと、素直にそれを認め、たった一言「美由紀さんが好きです」とプロポーズします。

その小山の言葉に、美由紀も、今の自分の正直な書いた手紙を今朝書いた事、私にはしっかりした愛が必要だという事が分かっても、私も恐くて本当の気持ちがいえなかった事をいうと続けて、「小山さんは、翔子の事を好きだといってくれましたネ。嬉しかったです。だって翔子は私ですから。だから小山さんは私の事が好きであってくれて、私も小山さんの事がすきです」

美由紀は、そう涙声でいったのです。

またその後、美由紀は、手を差し出すと、「手をつないで貰えませんか。そこから始めたいから」と小山に言い、小山は「はい」というと握ります。(遅いです。紫陽花ならすぐに手を握ります)

はっきりいって、このシーンには「美由紀と小山らしい。」「小山さん、手ぐらいすぐに握らないと駄目じゃないですか」など、皆さん、ホームページでも感動した意見が多かったですが、紫陽花は少しあっさりしすぎて、残念な面もあったけど、二人が結ばれて良かったです。

最後の美由紀の「もう探さなくていい。ようやく本当の居場所が見つかった。ねえ、亜希」という言葉が印象に残り、永遠の1/2のドラマは、紫陽花の心の中で永遠に残ったのです。

 

                エンドロール
 永遠の1/2のドラマは、最後に、美由紀と亜季のそれからのシーンを、簡単に流してくれました。

 映画「ふたり」の時の同じように、主題歌のエーデルワイスの曲が、あっているのが印象的でしたが、まず、教会の鐘がなっているシーンが出て、美由紀と小山勝治が結婚した事を想像させ(美由紀の花嫁姿、皆さんみたかったと多くの人が、掲示板で、残念がっていました)、次に美由紀と小山、亜季と田口洋介が、ペアーでテニスをダブルスで楽しむシーンと続き、小山心療内科医院がオープンし、明日香が、花を教える先生として活躍し、美由紀を苦しめた、あの悪役の叔母の島田夫婦が改心したのか、ちゃんと働いているシーン(永遠の1/2には悪役はいません)が出て、多くの視聴者をびっくりさせ、緑が会社に戻り、亜季が看護婦に復帰し、美由紀が弁護士として颯爽と活躍しているシーンが出てきます。

 そして最後に一つずつ、赤いルビーのピアスをつけた美由紀と亜季が、おなかを大きくして、自分達が生まれたふるさと産院跡の前に来ている所で終わったのです。

 では皆さん、これからもご縁に。永遠の1/2の縁でいきましょう。

平成12年12月16日

 

 追伸、やっと終わりました。

 32ページに及ぶ大作です。

 でも少しも、苦痛ではありませんでした。

 書いている間、ずっと永遠の1/2の世界に入れて、幸せでした。

 今でも紫陽花の心の中では、美由紀や亜季、緑さんが住んでいます。

 紫陽花をここまでするのですから、やはり、本当にすごいドラマです。

 と同時に、この作品は、永遠の1/2の「多くのファンの方」のおかげで書けました。

 ホームページの掲示板で、皆さんに教えて頂いた事は、ものすごく参考になったからです。

 ここであつくあつくお礼をいいたいと思います。

 紫陽花は、永遠の1/2が大好きな多くの人と一緒に、この作品、第139号、永遠の1/2を書いたのです。

 また永遠の1/2のホームページは、残念ながら、消えてしまいますが、紫陽花の「縁の花」のホームページ、永遠の1/2は、紫陽花が生きているかぎり、永遠に残ります。

 川島新一郎さんの言葉を借りたら「5年、10年、いや20年、30年、紫陽花が年寄りになって、縁の花が書けなくなるまで。いえ、死ぬまで、死んだらもういいです」となります。

 紫陽花はそう考えると、ものすごく嬉しいです。

 少し問題はあるかもしれませんが、(tbsさん御免なさい)一フアンのやった事として、ご理解して欲しいと思います。

 何故ならそうしないと、永遠の1/2が、ドラマの題名のように、永遠に残る方法はないのですから。

 というのも紫陽花は、多くの永遠の1/2のファンの方で、いつか、何かのきっかけで、このホームページと縁を持った時は、本当に喜んでくれると思います。

何年後でも、縁を持ったら、美由紀や亜季の事を思い出し、永遠の1/2のドラマが蘇ると思うのです。

まさしく永遠の1/2の花が咲くのです。

紫陽花はそういったホームページを作成したつもりなんです。

しかも、その方が、感想をメールで送ってくれたら、永遠の1/2の楽しい話ができます。

 かぐや姫とハイジのように、あなたと紫陽花で、永遠に1/2のように、メールでやりとりできたらいいなあと思うと、ワクワク、ドキドキしているのです。

 いえ、美由紀と亜季のようなすばらしいメール仲間、永遠の1/2の縁を持ちたいのです。

 紫陽花は小山さん程優しくなれないし、田口洋介のようにカッコよく、ましてや川島新一郎さんのように包み込む、すてきなお父さんにはなれませんが、努力したいと思います。

 だから男性でも、女性でも、ご結婚している方でも構いませんので、語り合いましょう。

 永遠の1/2のホームページで話題になったように、永遠の1/2に感動した人達が語れる場を作れたら幸せです。

 何人かでつくれたらいいなあと思っているのです。

 どうです。永遠の1/2のファンの皆さん、そう思いませんか。

 そして最後に、今から紫陽花の永遠の1/2探しが始まります。

 紫陽花も美由紀のように、自分の本当の居場所を早く見つけたいです。

 それが見つかる事を願って終わりたいと思います。

 最後に永遠の1/2のスタッフの皆さん、すごい、すごすぎるドラマ、ありがとう。

 戸田麻衣子ちゃん、ずっとずっと、これから応援するからネ。

 ではこれで。・・・

 

 来年、永遠の1/2は、プロデューサーの鈴木新太郎さんによると、ファンの力で再放送検討しているようです。

 是非、是非、縁を持ってみて下さい。

 

 

       

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