四月三十日(金) 発信 nO三九 石黒大圓

 

いつもありがとうございます。 今年ももう三分の一が終わります。 一年過ぎたような激動の時を過ごしました。 光陰矢の如し。 毎日時間が飛んでいます。 

パソコンも手にいれて二ヶ月ちょうど経ち、一人前になれそうです。 後はスキャナーのみ。 明日は妻の七回目の祥月命日です。 一つの節目を迎えた気がします。

 

イラク問題で私のまわりで議論が沸騰しています。 「君の意見は気に食わないが、その口を封じようとする者からは、私は命をかけてでも君を守る」誰かが言った名言です。 民主主義の基本です。 

フセインのイラクでも、共産国、独裁国でも反対論者は抹殺される。 日本では「見そこなったわ!」と村八分。 お互いに意見交換するのは良いが、無理に押し付けようとすると、それこそ言葉の武力行使になる。 

戦争はまず心の中から生まれる もっとも私もFAXで左派から日本を奪還する空中戦をしていますが。 しかしそれは情報提供が目的です。 あとは個人が考えれば良いと思いますが。

 

前回の続 炊き出し現場で以前親しかったカトリック信者のオヤジが興奮気味に近づいてきた。 「一年前の君のFAXに『カトリック信者は左派にマインド・コントロールされている』と書いていたが、そういう許しがたい言い方をするから、私は一年前に『FAX送信を中止しろ』と言ったんだ」とねじ込んできた。 

一年前のことを未だに恨んでいるクリスチャン。イエスは処刑される時「神よ!お赦しください。 あの人たちは何をしているのかわからないのです」と言われた。 

イエスの教えよりイデオロギーにかぶれた信者は恐ろしい。 十字軍が起こるはずだ。 私が釜が崎での活動に疎遠になったのは、こんな支援者と縁遠くなりたかったためです。

 

ある方がこのようなことを言われた。「クリスチャンになると日本人の殻を脱いでいかなくてはならないような気分になる」 無国籍で眼はヨーロッパに向き反日的になる傾向。 遠藤周作・順子夫妻はそのことに警告を発しておられた。 

「カトリックのシスターは日本の文化に興味を示さない。 歌舞伎も能も知らない。 これはおかしい」と順子さんがかって言われた。 

「保守・良識派」のFAX仲間の一人はキリスト教を反日的宗教と毛嫌いする。 日本には他国に比べ多くの神父・牧師・教会があるが、キリスト教信者は人口の一%のみ。 郷土に愛着のない宗教は廃れる。 

韓国のキリスト教徒は非常に愛国的だ。 内村鑑三も「キリスト教徒はもっとも愛国的日本人でなければならない」と言った。

私は一時「キリスト教に改宗したの?」と言われるほど「イエス」のことを書きました。 しかし決してキリスト教に好意的なのではなく、 イエスの姿から醸し出される東洋的雰囲気が好きなのです。 イエス教の信者なのです。 

 

イエスの教えはローマ帝国の国教になる時、帝国の利害に合うように改ざんされた。 イエスが殺されたのは十字架刑だったが、これはローマ式の処刑法。 ユダヤ式は石を投げて殺した。 イエスが殺された時、ユダヤ民衆は「イエス殺害の罪はユダヤ民族が子々孫々まで負う」と叫んだと聖書に書き、ローマの責任を逃れるようにした。 イエスはローマ帝国への反逆者として、殺された。 

そしてこの聖書の言葉によりユダヤ民族への二千年の迫害が始まったのだ。 アウシュビッツなどナチスの虐殺はキリスト教がその責任の一部を負うべき。 

第二次大戦中もバチカンは、ナチスがユダヤ人絶滅作戦を行なっているという情報がもたらされていたのに、見て見ぬふりをして見殺しにした。 最近法王がそのことを謝罪したが、二千年間の罪の償いには遅すぎる。

 

俳優のメル・ギブソンが製作して今、アメリカで空前の大ヒットしている「パッション」という映画をご存知ですか。 イエスが捕まり処刑されるまでの十二時間を描いたものです。 鞭打たれ血と肉片が飛び散り、十字架に釘で両手の甲が打ち抜かれる時のリアルな音・・あまりにも聖書に忠実に描かれていると言われる。 

映画を見ていて卒倒・心臓麻痺した人、議論して喧嘩になった人、映画によって罪を悔いて自首した殺人犯。 映画のなかで「ユダヤ民衆がイエスを殺せ」と叫ぶシーンに「これがアウシュビッツを生んだ」とユダヤ人団体が映画館の前でデモをした・・等すごい映画が欧米を席巻している。

実際に映画を見た人は「映画が終わっても皆が放心状態で立ち上がる人が一人もいなかった」と言っていた。 外国では成人映画扱いだが、日本では中学生以上は見られるとのこと。 

日本人がどんな反応をするか見ものだ。 キリスト教に対する見方に良くも悪くも影響を与える可能性がある。 日本公開は五月らしい。

 

聖書も書き換えられたり、帝国の思想に合わないイエスの言行録は闇に葬られた。 とくに東洋的思想傾向のある言葉は消された。 第四福音書といわれる「トマスによる福音書」は東洋的教えに満ち満ちているといわれる。 またイエスが所属していたと言われる「エッセネ派」は瞑想などの修行をする東洋的ユダヤ教の一教派だ。 

日本の文化と伝統を大切に考える良識派のキリスト教教派「聖書と日本」や月刊誌「レムナント」に載っている専門家の意見によると キリスト教はカトリックという正統の教えに反するイエス言行録は異端として排除してきた。 しかしカトリックの思想自身が異端だといわれる。 

(ロシア革命の時、レーニン率いる少数過激派のボルシェビキが権謀術数や武力を用いて多数穏健派を排除し権力を握った。 その後のスターリンや毛沢東らが率いる共産主義が世界にもたらした地獄絵図(一億人を殺害)は誤った思想がいかに人類に大きな悲劇をもたらすかの例証だ)  

 

カトリック(のちの呼称)はローマ皇帝の権力を利用して、多数を占めていた正統派(ネストリウス派)を追放したという。、地中海地方で広く信じられていた「地母神(母なる神)・女神」信仰(ヴィナスもその一つ)を皇帝の后は深く信仰していた。 それを利用して聖母マリア信仰を生み出して皇后に取り入り、皇帝・宮廷を見方につけた。 

そして使徒・教父の伝統的教えを受け継ぐ、ネストリウス派をクーデターで追放し、「異端」と宣言した。 

今、自衛隊が駐屯しているサマワのそばには昔古代メソポタミア文明の中心地「ウル」があった。ネストリウス派は東に移り、ウルをオリエント教会の拠点として、異端として排斥された西方には行けず、東方への布教に乗り出した。 そしてシルクロードのあちこちに悲田院や施薬院といった施設を作っていった。 

 

この孤児・未亡人・乞食や病人、社会の底辺で苦しむ人々(貧しく小さくされた人々)を救済する考えが、イエスや使徒・教父の社会的実践としてあった。 このネストリウス派が中国の唐に入り景教として大流行する。 

その記念碑が昔、中国で発掘され、教科書にも載っていた。 また同じ記念碑が高野山にもある。 空海は当時唐で学んでいて景教の影響を受けたと言われる。 

空海の前に、景教僧が大和の地に布教に入り聖徳太子に影響を与えた。 太子の建てた四天王寺にも悲田院や施薬院が作られた。 

太子は仏教の聖人といわれるが、それは後世の創作で本当は景教徒だったらしい。 太子の遺物「天寿国図会」はキリスト教の天国を描いたものと言う。(続) 

 

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