五月十四日(金)発信 nO四三 石黒大圓

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いつもありがとうございます。世は年金問題でおおもめです。 つまらん政治家に期待してもダメです。 日本人の意識が反映して親に似た子が育っているのです。 賢い国民にならなくては。

映画「氷雪の門」を見ました。 これも反戦映画だ。 しかし従来の日本やアメリカを戦争犯罪者として告発する目的のサヨクの反戦映画とは異なる。 空襲そして機銃照射で殺されていく逃避行の人々。 逃げ惑う樺太の日本人住民を無差別に女、子どもそして病人さえ銃で殺戮しているのはソ連兵

 

日本が無条件降伏したにもかかわらず、樺太南部に侵攻し、虐殺の限り。 「抵抗すな」との日本軍からの命令を守って武装放棄しているにもかかわらず、ソ連兵の銃は軍人、一般市民を無差別に殺害する。 

白旗を掲げて降伏の意思を伝えに行った軍人も「ニエット!(NO!)」の一言でその場で全員射殺された。 

そして本土への避難民を乗せた帰国船も、ソ連の潜水艦により次々沈没させられ多くの人々がいのちを失った。

無抵抗の市民が、非武装の軍人が次々殺戮される。 非武装中立主義者にとっては都合の悪い映像が次々展開される。 武器を放棄すれば攻撃されることはないという神話が、この映画は実話として否定している。 それもサヨクが理想平和国家と呼んでいたソ連の悪業。 

この映画が作られた三十年前はこの映画をソ連もサヨクも反ソ的として圧力で上映禁止したが、今は日本国民の目に覆いをかけることは出来なくなってきた。 

 

病院で病人を救うため残った看護婦、そして主人公となった電話交換手の九人の乙女もソ連兵の毒牙にさらされる前に自害して果てた。 (三十年前の若かりし頃の、今は熟年の、二木てるみ、岡田可愛、藤田弓子らが好演している)

満州で婦女子に暴虐の限りを尽したソ連兵がここでも同じ戦争犯罪を犯している。 サヨクは日本軍やアメリカ軍の戦争犯罪は告発するが、共産国の犯罪には眼をつむる。 何が反戦か?   

そのような反戦はうそ臭い。 両方を裁いてこそ世界恒久平和の目的にかなう。 

 

ベトナム戦争のときの活動家、反戦俳優ジェーン・フォンダや反戦歌手ジョーン・バエズも今は転向して「ベトナム反戦は間違っていた」と証言している。 ベトナムから米国へ逃げてきた人々から「北からの侵略により戦争が始まった」という真実を聞かされたのだろう。 

今では北ベトナム自身もソ連も、そして「ベ平連」創設者の一人、故、開口健でさえ「北侵略」説を告白している。 いまだに南べトナムとアメリカのみを非難しているのは日本のサヨクだけだ。 

日本の反戦活動は反日主義者の扇動でしかない。 でなければ何故「反戦映画・氷雪の門」が他の反戦映画と同様に、学校やテレビで今まで放映されなかったのか? 反ソを嫌がる、またソ連の戦争犯罪の真実が明るみにされては困るサヨクが、学校やマスコミを支配して来たからだ。 

日本も戦争犯罪を犯したではないかと言う人もいるだろう。 しかしA級戦犯は東京裁判で、B・C級戦犯は現地の裁判で裁かれた。 有罪も、そして無罪の多くの人々もふくめて。 

  

しかし連合国の戦争犯罪は裁かれていない。ソ連は百万人もの日本軍人・軍属をシベリアへ捕虜として抑留し、数十万人を帰らぬ人となし。 

アメリカは日本諸都市の百万以上の一般市民を焼夷弾や二発の原爆で焼き殺した。 一般市民や捕虜に対する殺戮は国際法で禁止されているはずだ。 戦争にもルールというものがある。

戦勝国が戦敗国を裁いた前代未聞の東京裁判では、これらの戦勝国の犯罪は不問に処された。

しかし今だに日本の犯罪ばかりが日本人によって告発され、英米豪中ソなどの戦争犯罪は過小評価され、「日本憎し」の大合唱がサヨクやクリスチャンによって日本中に響いている。 

これらの人々は何国人なのか理解に苦しむ。 

 

反戦主義者は「戦争など簡単にできる だから戦争の契機になるものには何でも反対」と言う。 しかし戦争はそう簡単にできるとは思わない。 それは炊き出しの体験からもわかる。   

戦争するためには多くの将兵を国外へ送る。 その人々が異国で長期に駐留する間、どのように生活させるか。 兵隊はロボットではない。 食わなくては生きていけない。 水食料補給をどうするのか。 

千人の野宿者を食わすのに朝早くから十人もの人々が大釜で野菜汁を調理し煮込み、飯を大型炊飯器数台で作る。 数千数万の兵隊を維持するためにはどれだけ多くの後方支援の人員と設備が必要か。このような膨大な食材を毎日、現地へ運ぶ飛行機などの運搬の手段が必要だ。  

制空権を握っていなくては、この事はできない。 毎日食料が届かなくては兵隊は飢えて戦えない。 一週間も水、食料がなければ軍隊は崩壊する。 

 

また日本の食糧自給率は四十%しかない。 食料輸出国が経済封鎖で食料を止めたら、日本そのものが崩壊する。 国家安全保障を常に考えている国はこのような事態を考え、自力で生き延びる方法を準備している。 日本政府も国民も「平和ボケ」で金さえあれば何でも買えると考えている。 

しかし日本にとり最大の仮想敵国アメリカに食料も資源もおさえられている現状では、世界を敵にまわして再び戦うなど到底できない。 アメリカと同盟して戦うとしてもこれらの条件を満たしていなければ自国の軍隊として戦えない。

 

自衛隊はたしかに世界一流の軍備を持ち、事実上の軍隊だ。 しかし軍備だけでは戦えない。毎日の弾薬の補充が長期に必要だ。 そのために常に国内に巨大な軍需工場を整備しておかなくてならない。 

膨大な熟練の技術者や工員もいつも必要だ。 国家予算も日頃からこちらの方にも廻しておかないと、急な対処はできない。

弾薬の原料や戦車などを動かす石油も外国から安全に輸入できるようにしなくてはならない。 そのための制海権ももたなくては。 アラブからの石油輸送ルートが敵国に押さえられたら、戦争どころか日本国そのものが生きていけない。 

戦争する前に日本がこのような国家戦略をもっていなくては全てが砂上の楼閣のなる。

 

戦前の軍部はこのような国家戦略をもっていたのか? 長期戦に備えていたとは思えない。

中国奥地まで戦線が延びきって弾薬、食糧の補給もままならず、現地調達などするようになって、ますます中国人の反感を買うようになったのではないか。 

戦前の軍部と同じようにサヨク補給(兵站)戦略など眼中にない。 ただ戦争の恐怖を煽り、政府を非難して社会を混乱におとしめようとしているだけだ。

 

戦争は悲惨だ。 多くの遺族の血の涙が流される。 私も戦争には反対だ しかし戦争反対が政治目的に利用されている事にも反対だ。 純粋に反戦ならすべての戦争に反対すべき。   

中ソなどには反戦の声をあげず、拉致問題も無視する反戦平和主義は「にせもの」だ。 ともあれこのような映画が再び日本人の眼に触れ、両方の目であの戦争の悲惨さを理解されるようになったのは、日本人が知的に成長してきた証拠だ。 

サヨクからの永い呪縛からやっと解放される時が来た。

 

経済や戦争のことを考える時いかに日本が多くの国々のお世話になっているかがわかる。 日本国も多くの恩恵をこうむって生かされている。 この恵みを夢夢当たり前と思ってはいけない。 

「金を払っているのだから『いただきます』と言わすな」とサヨクのPTAの親が言った。 これと同じようなことを国民も言っていたら、国際社会から感謝の心のない三流国と見なされる。 そのことを心得えて日本の将来を語りたい。


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