10月22日(金)発信 bR86 石黒大圓

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今回のテーマ 猫を奪還/憂国/霊的世界/動物虐待

 

いつもありがとうございます。 御堂筋のイチョウの木からオレンジの銀杏の実がたくさん落ちてきていて、拾っていく人々を見かけます。 日が短くなり曇り空かと思ったら日没でした。

今年も歳暮れ行く時期になってきました。

 

今回から新しい通信は1週間に1度のペースに変更しようと思っています。 忙しい年末もあっという間に来ます。 用事もたまってきました。 言いたいことが湧き出してきて週1では足りないので、FAXの方へはA4用紙・3枚の送付になるでしょう。 

また新しい通信仲間の方には相変わらず過去の通信を送りますので週2回送信の予定です。 よろしくお願いいたします。

 

猫の奪還

エリマキトカゲ猫が帰って来ました 先週の土曜日です。 死神から執念で「邦之」の奪還を果たしました。 北朝鮮から拉致被害者を奪還したかのようにうれしい。 同じように見ては失礼ですが。 

3週間も狭い檻にいれられていて、解放されたのがうれしいのか元気に歩き回っている。 猫の邦之は本物の邦之同様、誰にでもなついていく性格だ。 だから医師や看護婦さんに「おしゃべりクー君」と呼ばれ、可愛がられ、別れを寂しがられた。 

 

帰宅後2匹の感激の対面か、と思ったらそ知らぬふり。 それどころか次の日から2匹で私の取り合いが始まってしまった。 邦之は初めての家へ来たみたいに家中の探検ばかり。 歩き方が堂々としている。 目つきも違う。

試練をくぐり抜けてひとまわり大きくなったようだ。 人間も「可愛い子には旅をさせよ」というではないか。 幼い頃に愛情をたっぷり与えた子は試練のあとは自立が早いといわれる。 

動物でも同じだ。 邦之はまさに自立を始めている。 年季奉公を終えて帰宅した息子を迎える父親の気分だ。 

 

憂国そして軍国主義

過保護の日本人は大きくなっても子供に苦労させないようにしている。 そのため最近の日本の若者は覇気がないといわれる。 全世界の若者は軍隊で昔の若衆宿的な集団生活で鍛錬され、上下の人間関係の規律でもまれて立派に成長している。 

人間としての目標を問い直され、何に人生を賭けるのかを考えさせられる。 日本はもともと世間の仕組みが昔のように機能していれば強制集団での学習はいらなかった。 しかしそれが機能しない自己チュウ主義の現代では強制が必要だ。 

 

軍隊を持てば軍国主義になる、と批判する人がいる。 それなら世界中の国々が軍隊をもっている現在、なぜ軍国主義と世界を非難しないのか。

日本だけは別だという人は、東京裁判で軍国主義・侵略者という冤罪を負わされたことを知らず、洗脳され「悪玉の国」と思い込まされている。 軍隊のない日本は精神・規律の面で外国の遅れをとってきている。 日本の没落がささやかれている。 

中国首相はかって「日本は20年で消えてなくなる」とまで言った。 そのための国家戦略として日本人に自虐史観を植え付け謝罪させ、民族として萎縮させようとしている。 その戦略に協力しているマスコミ・教育者などの日本人がいるのが問題であり、中国としては逆にそれがうれしい。

 

猫の邦之については一時は死を覚悟しました。 「減っていく血液に輸血が間に合わない!」「あと3日で死ぬのか!」。 末期患者の家族としての経験をされた方なら、この刻一刻と谷底に落とされていくような絶望感をご存知と思います。 

幸いにも3回目の輸血が骨髄を刺激したのか減少が止まった。 輸血した若い猫の血液中の抗体も刺激材料になって、尿道の損傷も回復しつつありました。 しかし尿道の修復が完全でないため、尿が体内にもれたら腎不全を起こし再入院となる不完全な退院です。  

 

不思議な体験

今回不思議な体験をしました。 ある夜に仏壇で勤行をしていて、ふと横を見るとお盆に戒名を書いた経木がそのままに置かれている。 送り火の日に川に流しに行けなかった。 

彼岸に四天王寺で流してもらうつもりだったのが、中国旅行や猫の病気で手間取ってやってなかった。 「あっ、これかも知れない!」。 

 

帰国後の猫にしても数々のトラブル、悩みごとにしても経木への不敬からかも知れない。 「明日四天王寺へ行こう」と思った。 そして次の日、猫の面会に行った時に担当医から言われた。 

昨夜から血液が増えてきています」と。 その後、貧血から脱して急角度で猫は元気になっていった。 不思議だ。 経木のことに気づいた夜から血液の増加が始まっていた。 偶然だろうか。   

次男の死後仏壇での供養を始めて以来、経木のことをそのままにしていたのは今回が初めてだった。 先祖からのお叱りだったのだろうか。 信じられない人はいいですが。 

 

霊的世界

宗教者でも科学的思考の人はこのような霊的な話題は受け付けない。 科学がすべてを説明すると考える唯物主義を神仏のごとく信仰して、霊的世界を無知な人間のたわ言と無視する宗教者たち。  

宗教の底には霊的世界を認める世界観があるにもかかわらず、幼稚なおとぎ話の類いと鼻で笑う信仰者たち。 宗教が空理空論の科学的知識をふりまわすようになってから人心が宗教から離れていった。 

宗教を科学と同次元で考える唯物主義者と共闘する僧侶・神父・牧師が日本の信仰世界を自滅させつつある。 宗教が科学の軍門に降って敗れ、すたれていくのは当然だ。

 

遺族の多くは霊的体験を多く知っていて事実と信じている。 死の体験から学んだ人間がこれからの日本の宗教改革の先頭にたって、死から生を考える教学を打ち立てるべきと思う。 

霊的世界からのメッセージこそ古来からの宗教の原泉であった。 日蓮、親鸞、法然、道元などの宗祖の「宣伝マン」が宗教者であってはいけない。 

宗祖を真理のそばまで導いた霊的世界からあふれ出る叡智を世の人々に伝えなくてはいけないのではないか。 私は古来からの普遍的な宗教が生まれ出たすべての「おおもと」、霊的なスピリチュアルな人間観、世界観の立場に立っています。

 

動物のストレス

猫に戻ります。 面会に行くと受付での私の声を聞きつけたのか「ぎゃおー」と泣き始める。 看護婦さんたちも突然の大声にびっくりする。 「クー君よかったな。 お父さんが来てくれはったで」。     

皆に「クー君、クー君」と可愛がってもらっている。 入院していた頃の次男邦之と同じだ。 「ぎゃおー、ぎゃおー」と体をすり寄せてくる邦之の体をなでまわす。 

狭い檻の中で味わうストレスには肌ふれあうことが一番。 免疫も上がり生きる力も出てくる。 動物も人間も同じだ。 

 

こんなことになった原因は何か。 弱い遺伝子をもっていたのか、何か腹を強打したのか、尿石が尿道をきずつけたのか(猫は最近の猫用乾燥餌の影響でこれが多いと聞く)、ストレスか。 

通信仲間から電話があって 「今回の件は長いこと放っとかれて猫のストレスで病気になったんや。 『中国へ行く前に猫に留守するで』と言っといたか? 猫も顔を見て十分説明したらわかってくれるねんで」と言われてしまった。 

以後猫によく声をかけるようになった。 人間も同じだ。 会話のない家庭が病いや非行の源になっている。

 

確かに動物にも魂があると先日言ったばかり。 植物にも動物にも感情や意識がある。 サボテンに電子端子をつけて感情をもっているかどうか、と検査する有名な実験がある。 

以前にサボテンに傷をつけた人が、サボテンがいる部屋に入ってくるとサボテンが悲鳴をあげるのが、端子からの電子信号音でわかる、という。 

 

動物虐待

それを理解できない人が動物虐待する。 また考えてみれば牛・豚・鶏を屠殺して肉を食う行為も動物に感情があると思えばできないだろう。 

屠殺されるまえに動物は予期して不安な態度をみせるという。 中国などで食べられる動物が狭い籠のなかにぎゅうぎゅうに入れられて市場に運ばれていく映像をよくみる。 

動物に意識も感情もあると思ったらあんなことはできないだろう。 また殺された時の苦痛の波動が肉のなかに入り、人間の健康を阻害しているという人もいる。

 

東南アジアなどから飼育用に動物が小さな檻にいれられて運ばれていく。 オランウータンの子供などその時のストレスで精神を病む子もいるという。 

人間は有史以来1番残虐な動物かもしれない。 戦争をして同種族どうしが殺し合いする。 動物は同じ種同士は種の保存のために殺し合いなどはしない。 

 

また寄り道になりました。 元気のない時は「2人も邦之を死なせてなるものか」とファイトがわく。 事情を知っている担当の女医も「私もがんばります」と言ってくれる。 

医者、看護士、家族が一体になって1つの特別の命のために救援体制をとった。 亡くなった次男にもう1度生きて直してほしいと思って一緒に生活しているのに殺してなるものか。 寝るときにはいつも体に手を置き「レイキ」のエネルギ―を送っていた。 

最後は茶断ち、コーヒー断ちもやった。 つらい思いの患者とつらさを共有しようと、昔の人はそれに祈りを込めた。 

次男の時はこれほどまではやらなかった。 医者にまかせっきりだった。 悔いが残った。 だからこの邦之だけは救ってやりたかった。

 

障害

一時は尿道の傷穴がふさがらなかったら手術をして、尿道を乳首のところに持ってきて尿の出口を作るという話もあった。 障害をもった猫になりかけたのです。 

人間の邦之の方も白血病細胞が頭に入り込んでいてそれが致命傷になっているので、脳に放射線を当てる治療をするという予定もあった。 その代わり重度の知的障害が残る、と言われた。 

障害が残ってでも生き残ってほしいと願ったが、そこまで行く前に亡くなった。 私にとり障害は他人事ではないのです。 

 

障害といえばスーパーマンの主役クリストファー・リーブが先日亡くなりました。 彼が趣味の乗馬中に落馬して脊髄損傷で下半身マヒになり闘病中とは以前聞いたことがあります。 

初代のスーパーマンはたしか自殺でした。 2代続けて不運の無敵人間。 世の中には無敵な者など存在しない、との神仏のお示しか。 しかし彼は後に障害者のスーパーマンになった。(続) 


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