11月15日(月)発信 bR90 石黒大圓

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今回のテーマ 戦争を語り継ぐ/残虐行為/軍隊

 

戦争を語り継ぐ

いつもありがとうございます。 「戦争を語り継ぐーリンク集」というパソコン上でメールを使って意見のやり取りをする場があります。 おもに戦中世代の反戦派の方々のメール意見交換の場になっています。 

自分たちが戦時中に大変なつらい体験をした、外国の人々につらい体験をさせてしまったという反省から立ち上げたようです。 しかしここでの価値観は普通いわれているのと逆で、平和憲法に反対する人は反日的と批判されます。 

 

中国や韓国の反日姿勢は日本の侵略戦争の結果なので、他人の痛みを感じる感情があるなら批判できないはず、との意見が主流です。 たぶん拉致問題に対しても「戦前に日本は朝鮮にひどいことをした。 10ほどの命で何を言っている」と批判しない一般的な人権派と同じ考えの集まりです。   

私がそこへ入り込んで投稿した戦争中の残虐行為についての主張に対して、リーダー格の方から送られてきた質問に、私が答えたものです。 皆様の戦争に関する歴史認識の参考になればと転載いたします。 

 

西羽様の質問(1)『「日本だけが残虐行為をやる国だ」と断定をしている人がいるのでしょうか?』
  

私の回答 『それはまず東京裁判で日本を有罪と断定した連合国側の人間と、その後の占領軍による日本人洗脳教育作戦によって,「悪の国、残忍な日本軍」と信じて込まされてしまった多くの日本人たちです。  

そして占領軍の後を継いだその日本人たちの洗脳作戦によって自民党の一部の政治家から小学校の生徒まで、そのウソの神話を信じ込まされてきたのが戦後の歴史です。 

深い罪悪感で、日本人の祖国愛を失わせ、自信を喪失させ、革命に向かわせるのがその人々の目的でした。 高度成長によって日本人が豊かになってしまって、幸いなことに革命は成功しませんでしたが。
  

日本人がその洗脳を受け入れてしまって今も占領軍(GHQ)史観によって支配されていると怒っている右派の人々もいます。 戦後60年近くにもなるのに60歳の老人が「生まれた時の親から与えられたトラウマでこんな性格になってしまった」と嘆いているようなものです。 

いびつな人格にさせられてしまったと反省したならば、自分の努力で親からの洗脳を解けばいいのです。 それにもかかわらず親の洗脳が強力であったのでトラウマから抜け出せなかったと弁解し、今だに親を怨んでいるのです。 

そのような「甘えの原理」が日本人には当たり前のように取れるようです。 外人が見たら日本人は子供のようだ、一人前の大人とは見てくれないでしょう。 
  

戦争中に残虐行為はアメリカもソ連もイギリスも中国も、日本人や外国人に対して行ないました。 
そのことは不問にして東京裁判は行なわれ、日本だけが残虐な戦争犯罪を行なったと断罪されました。   

戦争は双方の責任の結果であり、双方の戦争責任が問われなくてはいけないと思います。 しかし日本だけが残虐な戦争犯罪をした国として告発されました。 

その裁判結果をアメリカは最大限に利用し、「戦前の日本は悪の国・残忍な侵略国」と日本人を洗脳教育しつづけました。 

その結果日本人は日本に対する愛着を失い、民族としての誇りを失ってしまいました。 「祖国が憎い」などという国民は世界広しといえども日本だけでしょう。 

また二度とアメリカには刃向かうことのないように日本を精神的に骨抜きにしようと仕組んだアメリカの国家戦略も成功裏に終わりました。 そしてその反日の後継者も順調に育っています。
  

しかし東京裁判が終わってから、首席検事のキーナンや裁判長のウェッブでさえ「東京裁判は誤った裁判であった」と述べています。 そのうえ東京裁判を開かせた張本人のマッカーサー占領軍総司令官本人が後年「あの裁判は誤りであった。 日本が行なった戦争は自国の正当防衛のためであり、すなわち侵略戦争ではなかった」とアメリカ上院議会で証言していることは皆さんもご承知のことと思います。 

この「戦争を語り継ぐーリンク集」ではこの事実をどのように解釈されているのでしょうか。 納得できるご意見なら私の歴史観も変わりますが。
  

私は東京裁判を強制した連合国側の当事者たちがあの裁判の無効性を証言しているにもかかわらず、日本が有罪「日本は侵略し幾多の残虐な戦争犯罪を犯した残忍な国」という「冤罪」の烙印を押されたままなのは不当と思っています。 

当時インドのパール判事のみが日本を無罪と判決し、裁判を起こした側の主要人物が無罪論に転向しているのに、何故多くの日本人はいつまでも日本有罪論で祖国を犯罪者だと言い続けなければならないのでしょうか。 
  

戦争をやったのは軍部や政治家や天皇で「国民はその被害者だ」というのはドイツと同じです。 ドイツは「すべて悪いのはナチス」であり、ドイツを占領した連合軍は解放者だとしてドイツ国民の責任を言い逃れています。 

日本人も勝ちつづけている間は「勝った、勝った」と提灯行列をして狂気歓喜していました。 そして戦争を賛美し、もし新聞が「そんなに浮かれていていいのか」とでも書こうものなら、民衆の暴徒に襲われていたことでしょう。 

負け戦になってきて被害が自分たちに及んできたら、今までやれ!やれ!と尻をたたいていた軍部を「あいつらが悪いんだ」と責任を押し付け始めたのではないですか。
  

今のように日本憎しの日本人がどんどん生まれて来るくらいならいっそ日中戦争で中華民国軍に負けて日本が中国に占領されてしまっていた方が良かったと思います。 そうすれば太平洋戦争もなく、原爆もなく、戦争犯罪でこんなに国論が分裂することもなかった。 

そして日本解放のために今、中国と戦っているという状況になった方が日本人のために良かったのでは、と思います。
  

アメリカによる日本諸都市への無差別爆撃や原爆、百万人ともいわれるシベリア抑留者の悲劇、満州や南樺太でソ連によって、武装放棄した日本将兵や市民が大虐殺された行為、通州事件のような中国による日本人居留民への数々の虐殺事件・・。 

日本が戦争に勝っていれば、ルーズベルトやスターリンらを戦争犯罪人として絞首刑に処してもおかしくないくらいの悲劇を味あわされているのに、日本だけが何故、戦争犯罪国と断罪されつづけられなくてはならないのでしょか。 ただ勝ったというだけで復讐裁判をおこなったのではないのでしょうか。
  

日本が負けて運が悪ければ国土は連合国により分断統治され、今頃、日本はアメリカやソ連の領土となっていたことでしょう。 今頃我々は英語やロシア語をしゃべっていたことでしょう。 

フランスとドイツの国境沿いの地域は、ある時はフランス語をしゃべらされ、ある時にはドイツ語をしゃべらされたことがあるのと同じです。 

日本の伝統文化・習慣が日本の軍国主義の温床になっていたとして、神社仏閣は破壊され、キリスト教が強制させられていたことでしょう。 歌舞伎などの伝統文化の継承は拒否され、茶道、華道、弓道、剣道、柔道など「道」と名のつくものも旧体制の遺物として抹殺されていたことでしょう。 
  日本文化を破壊することで2度と世界に刃向かわない去勢された国にすることは連合国の願いでした。 そのような最悪の結果を予想して、その日本滅亡の恐怖から日本は最後の一兵まで戦ったのではないでしょうか。 

そのような最悪の結果にならなかったことを感謝します。 そうならないために「いのち」を捧げられた方々に感謝します。
  

戦争はどちらにも甚大な被害が出ます。 一方だけの被害を不問にして片方だけが被害を言い立てるのは不条理ではないでしょうか。 戦争は軍人だけの戦いなら国益の衝突で、それも仕方がないですが、今回の戦争は一般市民にまで大被害を及ぼす戦争になってしまいました。 
  お互いが広島の原爆碑にあるように「もう過ちは繰り返しません」と宣言していれば、お互いの戦争犯罪を激しく非難しあうこともないです。 今の左右両派の議論激突は「また過ちは繰り返させません」と祖国と相手国を憎悪しあっているだけのむなしいだけのものです。 

戦争で亡くなった方々はそれを見て、どのように思っておられるのでしょうか』 

 

西羽様の質問(2)『それでは何故日本だけが自衛隊や軍隊を持つことに皆ヒステリーのように騒ぐのでしょうか」の「皆」とはだれでしょうか?』
  

私の回答 『「皆」とは「日本だけが今後も戦争を起こして残虐行為をやりかねない残忍な前科者」と考える人々のことです。 東京裁判史観で洗脳され「日本は好戦国で軍隊をもったらすぐ戦争をする国」と信仰している人々のことです。 
  

中国も韓国も世界中が軍隊をもっているのに日本の軍隊だけが非難されています。 ドイツもイタリアも周辺諸国から警戒と非難をあびせられながら、再軍備をしました。 

そして彼らはその後周辺国への侵略行為などしていないのです。 未だに軍隊を持つことで非難されているのは日本だけです。 

ドイツは占領軍から非武装の憲法を強制されましたが拒否しました。 日本では非武装憲法に唯一反対したのは日本共産党だけです。 しかしソ連・コミンテルンから「日本革命のためには軍隊は障害となる」との指示で、その要求をやめました。 だが当時の日本共産党の考えが今も世界的な常識です。 

マルクス主義歴史観で書かれた帝国主義的日本観と、中国・韓国といった外国の愛国主義自国中心史観に染まった人々が「狼がくる」とヒステリー状態になっているのです。 先日、書きましたように「大日本帝国」は復活不可能な幻です。

 

毛沢東や周恩来はかって訪中した社会党書記長に「何も日本が中国を侵略したと謝罪することはないですよ。 日本が中国に攻め込んでくれたおかげで中国共産党が天下を取れたのですから。 

中国は皇軍に感謝しています」と皮肉のように述べました。 しかしこれが中国の歴史の真実です。 なにも歴史の一面のみを見て日本を断罪する必要はありません。
  

台湾は百年前は南の海南島より野蛮な、そして風土病が蔓延していた死の島でした。 日本は国家財政の何割も投資し、経営することで近代化へのインフラが整い、現在の高度成長国に変身する基礎を築きました。 

元・台湾総統、李登輝氏はそのことを日本に感謝しています。 朝鮮半島でも同じことが行なわれました。 
  日本の
北海道開拓に似た植民地統治と、欧州の自国財政が何割も搾取によってまかなわれていた植民地政策とがまったく異なるということが今までのマルクス主義歴史観では無視されています。   

このような偏った歴史観をもつ人々が検事的立場から「大日本帝国」の陰の部分をのみ見て、日本を敵視していると私は弁護士的立場の視点から考えています。
  

未来学で有名なアルビン・トフラーは歴史学にも法律にある「時効」を取り入れるべきと主張しています。 先日起きたスペインでの大規模列車テロは500年前の呪いが原因です。 スペインがイスラム教徒を大虐殺し、イベリア半島から追放した歴史に対する復讐でした。 

日本も日本の過去に怨念ある国からテロを仕掛けられても、日本人自らが「日本は悪い国」と思っている限りは数百年たってもやられ放題になって非難することすら出来ません。 

拉致問題も洗脳された人々にとっては許すべからざる事ではないようです。 戦後60年近くになって未だに憎しみを常に思い起こすことをつづけていたら、いつかはもっとひどいスペインのような悲劇が起こります。 
  

戦略的目的もあったでしょうが、戦後、蒋介石が宣言したように「恨みに報いるに徳をもってする」という東洋人の精神を呼び起こさなくてはいけないと思います。 

いつまでも続く「憎悪と暴力の連鎖」は子々孫々にまで害を及ぼします。 そのようなことが戦争で亡くなった方々への供養になるのでしょうか』以上

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