いのちの風 bU38―その2 
平成23年10月12日(水)発信 
石黒大圓(だいえん)

 
 
【今回のテーマ】 
メチャハピー祭へトラ出動/薄汚れた日の丸/いのちと出会う会/最後だとわかっていたなら
 
(その1からのつづき)
 

【最後なら きつく抱きしめ 離すもんか】  
  
 
以下の詩は以前に見つけてインターネットサイトのmixiには書き込んでいたのですが、「いのちの風」には載せていなかったようなので転載いたします。
 
この詩は、アメリカ人のノーマ・コーネット・マレックという女性が、わが子を亡くしたときに書いたものです。それを、テロのときに追悼集会やテレビで朗読され、「アメリカ同時多発テロで貿易センタービルに一機目が激突したあと、救助のために最初にビル内に突入した数百名のレスキュー隊の一人」の青年が書いた詩として チェーンメールで勝手に流されてしまったものです。
 

『最後だとわかっていたなら』
 
あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
 
あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう
 
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう
 
あなたは言わなくても 分かってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたなら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう
 
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい
そして わたしたちは 忘れないようにしたい
 
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを
 
明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
 
微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと
 
だから 今日
あなたの大切な人たちを しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だということを
そっと伝えよう
 
「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
 
                  (サンクチュアリ出版より)
 
最後だとわかっていたなら [公式HP]
http://www.sanctuarybooks.jp/saigodato/ 
最後だとわかっていたなら [単行本]
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%A0%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88-%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF/dp/4861139066 
【動画2つ】 最後だと分かっていたなら
http://www.youtube.com/watch?v=Borkmbc6dPk 
http://www.youtube.com/watch?v=CX5iZx7FIok 
 
 
 
遺族の会「あすにin大阪」の4年前の会報に、この詩が載っていて胸からこみ上げるものがありました。 
 
私にとってもこの詩は特に思い出を呼び起こしてくれるものです。 次男が亡くなって、しばらく経ったときに、夢に彼が現れた。 笑顔で遊んでいる彼を見たときに、とっさに夢のなかでカメラを探していたのです。
 
病院のなかでの彼の姿をほとんど写していなかった。 永遠にもう来ないこの瞬間を写しておきたかった。 抱きしめてもう離さないよ。 目覚めたときには涙が一杯でした。
 
妻の自宅での私たちの必死の看護を受けながら、妻は遺言のように「良彦さんと結婚して幸せでした」とたったひとこと言ってくれました。 この「最後だとわかっていたなら」の詩を聞いて、妻は温かい最後のメッセージを残してくれたと知ったのです。 
 
実際に今も生きていたらケンカもしたでしょう、離婚もしたかもれません、もう一人子供もできていたかも知れません。 でも彼女はすべてをのみこんで「ありがとう」だけを残して天に召されていった。
 
いつもこの一瞬が最後だ、と思って生きられたら最高です。 平成の特攻隊員も、いつこの命が召されてもいいという気持ちで生きたいのです。
 
                              (完)
 

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石黒大圓
メールアドレス gytkm947@ybb.ne.jp