いのちの風 bU73―1  
平成24年12月4日(火)発信 
石黒大圓(だいえん)

 
 
【今回のテーマ】 
今年初めての寝袋配り/自民党支持デモに不参加/ファイト! 開戦!
 
 
 
いつもありがとうございます。御堂筋では黄色い落ち葉が道の側道を黄色く染めています。 今年も御堂筋イルミネーションが12月14日から始まります。 すでに街路樹には光のデコレーション点灯の準備が完了。 秋が終わり冬の季節の到来です。 
 
御堂筋イルミネーション
http://www.pref.osaka.jp/toshimiryoku/illumi/ 
http://blog.osakanight.com/article/eid257.html 
 
 
 
【小便の 臭いなんのその 突入す】 
 
 
11月30日(金)に今年初めての寝袋配りへ行きました。大阪駅前炊き出し現場ではすでに50個ほどは配っていました。 しかし車で市内各所をまわって配るのは今期この日が最初。 
 
 
準備は7時くらいからして夜8時半から12時前までの配布。 日本橋電気街の南端での韓国教会のおにぎりと味噌汁配布の列に並ぶ人々に配り、次にお決まりのコースで動物園前広場へ。 
 
ダンボールの棺おけ状箱に入って寝ている人々10人ほど。 この前にはピンク映画館が2つほどあり、釜ヶ崎らしい?懐かしい?小便の臭いが立ち込める。 あちこちで立小便をしたり、店先で寝るので商店街の人は野宿者を嫌がる。 
 
 
しかし野宿者は便所と水飲み場、ダンボールがある商店街や公園で寝ることが多いから仕方がない。 それらが彼らにとって最低の生存条件。 そして次に天王寺公園前広場へ。 動物園前と同じで、ここでもすでに寝袋で寝ている人々が多い。 
 
釜ヶ崎の夜回りグループが配ったのか、自分で買ったのか。 ホームセンターへ行けば最低千五百円ほどで買える。 飯を節約してでも空き缶やダンボールを売って得た金がたまったら買えばいい。 千五百円で凍死からまぬかれる。 自立の気持ちはそこからです。 
 
 
今年から夜の天王寺公園内にはライトアップされたイルミネーションが飾られていて入場無料。 若い男女たち、カップルが続々と入っていく。 いつもなら入口のシャッター前で寝ている野宿者もこれでは寝る場所がない。 大昔は天王寺公園には誰でも入れて、木々の下は野宿のオッチャンたちの寝場所だったのに。 
 
公園でこの日出会った野宿者に、ビッグイシューの「野宿脱出ガイド」を渡して自立支援センターへ入居するように勧めました。 役所経由で自立支援センターへ入れば寝る場所と食事にありつけて、求職への準備ができる。 そのことを知らない人が多すぎる。 役所の怠慢。 生活保護給付の前にすることがあるだろうに。 
    
 
この公園では5個ほど配り、天王寺駅西口へ。 ここはますますきれいになって寝る場所が少なくなっていた。 5人ほど、昔は10人以上は寝ていたのに。 「昨年にもらったものを持っているが、チャックが壊れたのでほしい」という人にも配りました。 
 
1年間も使ってくれていたことに感謝、感激。 
 
次にJR難波駅のそばの湊町リバープレイスへ。 ここでは5個ほど。 そして難波花月劇場の南にある道具屋筋商店街へ。 ここでは0個。 昔は多い時には10人以上も寝ていたのに、ヤクザやチンピラに脅されて恐くて日本橋商店街方面へ逃げた人も多いのでしょう。  
 
 
最後は釜ヶ崎へ。 ここも相変わらず小便の臭いが立ち込めている。 巨大なあいりんセンタービル周辺で寝ている人々、50人ほど。 その裏側の道には、釜ヶ崎の左翼野宿者支援団体が立てた立て看板に「越冬闘争、野垂れ死には許さないぞ、野宿者への襲撃に抗議」などと書かれている。 
 
梅田の野宿者襲撃事件に危機感を感じている。 なお「このことを知って野宿者支援をしたい」と明石市の方から私とビッグイシューへカンパ金が届けられました。 今期はカンパが足りないので助かります。
 
 
ここでは20個ほど配り、次に向かったのが売春地区・飛田の隣の山王地区・各商店街。 大昔はかって大阪の中心地、新世界の歓楽街や通天閣の南の商店街としてにぎわった。 
 
またかって新日本建設に貢献してくださった西日本から体ひとつで流入した若き独身の日雇い肉体労働者たち。 彼らの血と汗と涙によって新日本建設は成った。 そのことに感謝する。
 
彼ら数万人以上が釜ヶ崎周辺のドヤ(安い簡易宿泊所)で生活して、日用品を買い求める人々で商店街は繁盛していました。 しかし特にバブル崩壊後は失業者が増え、買い物客が減り、ひなびた、みすぼらしい姿になってしまいました。 
 
 
あいりん地区(釜ケ崎)日雇労働者の高齢化と生活問題
http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10466/7100/1/2009000698.pdf#search='%E3%81%82%E3%81%84%E3%82%8A%E3%82%93%E5%9C%B0%E5%8C%BA%28%E9%87%9C%E3%82%B1%E5%B4%8E%29%E6%97%A5%E9%9B%87%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E9%AB%98%E9%BD%A2%E5%8C%96%E3%81%A8%E7%94%9F%E6%B4%BB%E5%95%8F%E9%A1%8C' 
 
 
なんにでも活路はあるもので、昨年からこれら商店街に100円カラオケの居酒屋が増えてきた。 若いネエちゃんたち相手に酒とカラオケ三昧の夜。 生活保護受給者らしい老年の人々が客のほとんど。 昨年より増えて今では20軒ほどになり、商店街も明るくなった。
 
 
この各商店街の場末では昔多い時には30個くらい配ったのに今回は7個ほど。 もっとも毎週来たら違う人が寝ているので配らないわけにはいけないのです。 この夜は結局、全部で70個ほど、車で持っていった寝袋はほとんど配布できました。 時間が珍しく余ったので相棒と地下鉄終電に間に合うまで食事をしました。 
 
 
日本橋商店街の北の端に「東京チカラめし」の大阪第1号店ができているのを発見。 味噌汁付きで290円の焼き牛丼。 他の牛丼はすき焼きのように煮込んだものだが、ここは肉片を焼いてご飯に乗せたもの。 
 
肉質も他の牛丼店より厚みがあってけっこう美味しい。 店の前のタッチパネル式の券売機の前には、11時半近い夜中というのに行列ができていて満席状態。 他の牛丼店の素人でもできる肉汁の盛りつけに比べて、ここの焼肉牛丼はコツがいる。  
 
熟練の年配者が肉の焼きぐあいを見ながら、一方で不慣れな店員に接客動作の指示をしている。 だから他の牛丼店より時間がかかり、待ち時間5分ほど。 文句をいう客もいた。
 
 
東京チカラめし 
http://gigazine.net/news/20121025-tokyo-chikarameshi/ 
http://tabelog.com/osaka/A2702/A270202/27068561/
 
 
夜中12時前、相棒を天王寺駅まで送ってこの日は終わり。 帰りの車のなかで仮眠して気が付いたら午前1時、また午前様です。 独身貧乏貴族には同居家族がいないので、文句を言われることもない自由気ままな人生です。
 
 
(その2へつづく)