事務局便り

農耕社会から工業社会へ

1735年、イギリスでタービンが発明されました。

ジェームス・ワットが発明した蒸気タービンはそれより30年後で1765年です。

タービンとは各種の流体、例えば、蒸気やガス、あるいは液体などが有するエネルギーを取り出して、有用な機械的動力に変換する機械で、数枚ないし数十枚の羽()を備え、回転する機械のことをいいます。

 

タービンの発明によって、それまで手織りの機(はた)織りがタービンという動力によって機械化され、大量の織物をタービンの動力を利用して機械で織ることができるようになりました。

 

大量に生産した織物はどこかに売りさばいてお金に変えなければなりません。

農耕社会では物(商品)を大量に生産し、販売して儲けようという発想はありませんでした。

工業社会になってから大量生産、大量販売といった考え方が自然発生的に出てきたのです。

 

タービンという道具によって、農耕社会から工業社会へ移行するわけですが、イギリスは産業革命によって家内製糸工業(マニファクチャリング)で手と足の作業から機械的作業へ移行し、生産を飛躍的に増大させたばかりでなく、工業組織における資本家対労働者の関係をつくり、近代資本主義が顕著に成長しました。

これを産業革命といっています。

 

この産業革命が起こったことで巨万の富を得た国家は、富国強兵という方向へ進んで行きます。

これが第一次世界大戦を引き起こし、第二次世界大戦へとつながっていくわけです。タービンという道具も使い方を誤ると大変なことになるということの例です。

 

 

工業社会から情報社会へ

このように時代が大きく変わっていった理由は何かというと「道具」によってなのです。

狩猟社会から農耕社会へは磨製石斧という道具で変わりました。

農耕社会から工業社会へはタービンという道具で変わりました。

このように社会というか、時代は道具によって大きく変わります。

 

そして今アルビン・トフラー博士が言った「第三の波」が来て、工業社会から情報社会へ移行しようとしています。情報革命が起ころうとしているのです。これは産業革命に次ぐ大きな人類の変化です。

 

どんな道具によって時代が変わるかというと、それはCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット=中央演算装置)とコヒーレント光通信(アナログからデジタルへ)と多機能端末パソコン(モバイルを含む)です。

これらの道具がどんどん発達しています。進歩しています。

これらの道具の進歩発達によって工業社会から情報社会に変わっていきます。

 

現在は未だ工業社会(高度情報化工業社会)です。

現在でもCPUと通信回線と端末機を結んだシステムがたくさんあります。

しかし、これが本当の情報社会になるためには通信回線の容量が大きくなり通信速度が速くならなければなりません。

 

通信回線の容量が大きくなり、通信速度が速くなるということは、高度情報社会になったということを意味します。

2011724日「地デジ化」が行われます。これによって日本は本格的な高度情報社会へ移行していきます。(つづく)