時代が変わる!(村長著書 ザ・智閥 連載10回目)

転んでばかりいる政府の不況対策

「転ばぬ先の杖」という言葉があります。

先を見ずに歩いていくと石につまずいたり、穴に落ちたりして転びます。

転ばないためには、歩いていく先が見えれば、危険は避けられるので安心です。

ところが、先を見て対応しているはずの政府が、バブル崩壊後は、どうも先が見えなくなっているような気がします。転んでばかりいるようで見ていられないのです。

 

今、時代が激変しています。このことは社会現象を見ているとよく分かります。

わが国の政治情勢を見てもそのことが現れています。

1993(平成5年)8月までは、1955(昭和30年)以来、38年間も自民党単独政権が続きました。最後は宮沢政権でした。

 

自民党の単独政権が終わり、それから8ヶ月は細川政権、4月からわずか2ヶ月間は羽田政権、そして思いもかけない社会党の村山委員長が総理となって世界はびっくり、自衛隊は違憲と言っていた社会党から総理が生まれると、日米安保条約は堅持すると言明し、いつの間にか自衛隊は合憲となりました。君が代や日の丸も公に国歌、国旗として認めました。

 

村山総理が突然辞めると言って、橋本龍太郎氏が総理になりましたが景気回復を果たせず、先の参議院選挙で自民党惨敗の責任をとって辞任、小渕恵三氏が引き続いて総理に就任し「金融システム健全化」「景気回復」の決意を表明。一両年でめどをつけると不退転で望んでいますが、果たして如何なものでしょうか?

 

ベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一され、ソ連も崩壊してロシアが生まれ、東ヨーロッパ諸国が次々と民主化され、共産主義社会から自由主義社会へ、統制経済から市場経済へ、ヨーロッパは統一されて欧州連合(EU)へ進んでいます。

 

ロシアでは通貨ルーブルの急落19989月)で、経済が混乱状態になりました。そのためエリツィン大統領にとっては大変な非常時です。首相の解任劇などは最後のあがきとしか見えません。

 

今の世の中を見ますと、近代資本主義(工業社会)が今世紀中に崩壊することは、先ず間違いありません。マルクス経済主義は既に崩壊して過去の歴史となりました。それと同じことが近代資本主義である自由主義経済社会の中でも起こりつつあります。

 

わが国では19902月、空前のバブル景気が崩壊し、気の遠くなるような不良債権が発生、金融機関が倒産するに及んで景気はますます低迷し、次々と打たれる政府の不況対策は効果がありません。

 

宮沢政権は、19928月以降に107000億円、934月以降に132000億円を、細川政権に変わってからも、939月以降に62000億円、942月以降には152500億円、橋本政権も16兆円超を投じましたが、景気は回復するどころか、ますます低迷の度を強めています。

小渕内閣で経済企画庁長官に就任した堺屋太一氏は「景気は低迷状態が長引き、甚だ厳しい状況にある」と停滞から低迷に下方修正しています。停滞と低迷とどう違うのかよく理解できませんけど・・・・?

 

小渕政権は不況対策費として、更に10兆円超の補正予算、6兆円の恒久減税を表明しました。19902月バブル崩壊後、歴代政権は総合不況対策として80兆円を超える不況対策費を投じることになります。不況対策費としては、未だかってなかった膨大な金額です。

 

0.5%という超低金利政策も続行しています。わが国の年間国家予算に相当する不況対策費を投じても、これで景気が回復するという保証は何もありません。

これまで常識であった不況対策の手法が、全く利かなくなったということは、まさに時代が変わったからであることの証拠ではないでしょうか。

 

“政府が何とかやってくれるだろう”という期待は空しく思えてきます。

であれば、自らが勉強して、しっかりした対策を立てて自衛するしか方法はないではありませんか。

 

この現状を見ても、不況対策の工業社会の「定石」が通じなくなったということです。これらのことから政府も官僚も自信をなくし、何をやっていいのか分からなくなっているのではないでしょうか。

 

19902月から始まった株価の暴落と経済不況は、大恐慌の前兆にしか過ぎないとの説もあります。大恐慌の本番はいよいよこれからだと覚悟しなければならないようです。

 

戦後50余年の間に、日本経済はニクソンショック、第一次オイルショック、第二次オイルショック、円高などにより、大きな不況という病気に罹りましたが、これらは単なる風邪引きや肺炎程度、今回の不況はこれらの病気とは異なり、死に至る「癌」という病気にも等しいのです。

 

これまでのような不況対策では「癌」への特効薬とはなりません。80兆円にものぼる不況対策費は、政府にとってまさに特効薬であったはずです。

公定歩合も史上最低の0.5%です。にもかかわらず効き目はありません。

 

マスコミも政府同様、景気は回復するとか、地価も株価も今が最低だとか、個人消費も上向くとか言っていましたが、個人消費の回復とか、本格的な景気回復の望みは持たないほうがいいのではないでしょうか。

 

銀行も経営不振で余裕資金がありません。ですから企業に対して貸し渋りをし、新規の貸し出しはほとんどしてくれなくなっています。

金利が下がったからといって金融が緩んだというわけではないのです。

中小企業にとって資金繰りはますます厳しくなったと理解すべきです。

その最大の理由はバブル崩壊で安心できるような担保がなくなったということがあります。銀行からお金を借りられないとなれば企業はどこかで資金繰りに詰まります。

 

価格破壊という言葉が流行しましたが、価格破壊の直接の原因は、

@    不況の長期化で物の供給過剰が続いた。

A    規制緩和で流通チャンネルがマルチ化した。

B    メーカーの価格支配力が低下した。

という理由がありますが、企業が銀行からお金を借りることができなくなったら、換金のために商品を急いで売ってお金に替えるしか方法はありません。

したがって、やむを得ずディスカウントに走るわけです。

 

このような企業を取り巻く環境が改善されない限りますます物価は下がります。

消費者にとって物価が下がることは嬉しいことかもしれませんが、喜んでばかりはいられません。これからは価格の安いものしか売れなくなります。

価格破壊が起こること自体、近代工業社会の資本主義制度が崩壊することの証明でもあるのです。

 

したがって、企業経営はますます苦しくなります。回り回って消費者に大きな影響が出てくるようになります。消費者が勤めている企業が倒産したり、不況の影響でますます就職難になります。賃金も上がるどころか賃下げしなければやっていけなくなる企業が続出するでしょう。

個人消費が上向きになることは、今後数年間は望めないということができます。これもバブル崩壊の後遺症です。

 

現在のところ、政府もこの後遺症を治す処方箋が全く書けないという状態になっています。したがって、景気が本格的に回復するというめどは立たないと言わざるを得ません。

 

今、わが国で、土地はほとんど売買されないといってよい状況になっています。

換金しなければ資金が回らない企業が土地を売りに出します。もちろん、そう簡単には売れません。ですから、地価はどんどん下がるわけです。

路線価格より実勢価格のほうがはるかに安いといった逆転現象が出ています。

 

土地を買うために借金した企業や個人の倒産や破産が続出し、今後も更に増えることが懸念されます。地価はまだもっと下がります。今どこの銀行も巨額の不良債権を抱えて喘いでいます。金融機関は土地を担保にお金を貸していましたが、土地の資産価値はバブル崩壊前の土地価格の半分以下まで落ち込んでいます。

 

また、金融機関が保有する株の下落も含み益を下回る状況です。金融機関が抱えている不良債権は想像を絶します。考えるだけでも恐ろしいくらいです。

瀕死の重病人といったところではないでしょうか。

不良債権を償却してしまうには、約20年の期間が必要だという説があるくらいです。

 

地価の値下がりは株価にも影響しました。バブル崩壊前は土地を売って儲けた資金が株式投資に回っていました。それが原因で株価が上昇しましたが、地価が下がり、土地の売買ができなくなると株式市場からお金が逃げ出してしまいます。当然のことながら株価は下落します。

 

現状では地価がどんどん下落しています。常識的には地価の下落が止まり、土地の担保価値が回復して、金融機関が安心して土地を担保に資金を融資するようにならないと、株価の上昇は期待できないということになります。

このような状態ですから、現状では株価はもっと下がると見ておかなければならないと思います。地価は絶対に下がらない。土地を持っていれば必ず儲かるという神話は完全に消えました。

(つづく)

ザ智閥 時代は変わる 完結しました

原先生が、1999530日、近代文芸社より発刊した拙著「ザ・智閥」より抜粋し、

若干の修正加筆をして連載していたザ智閥 時代は変わる

200932255号「何か良いビジネスはないか!」で完結しました

皆様には、長い間のお付き合い、心から感謝しますし

原先生にも、御苦労さまとお礼を言いたいと思います

 

また、原先生のザ智閥 「時代は変わる」の記事はこれで終わりですが

原先生の智閥 造りの活動は、今、本格的に始まっています

しかも記事の最後は「何か良いビジネスはないか」ですが

もうそれは、実現の方向に向かって走り始めています

2011724日、テレビの地上アナログテレビ放送の停止によって

本格的に、日本もデジタル時代をスタートさせることになりますが

その準備に向けても、着々と動いています

もうすぐ、すごいことが始まりますよ

 

しかも、時代が、10年前に、原先生が

予測していたように、動いていることは

皆さんも、記事を読めば分ると思います

もう残された時間は少ないです

2009年には、もう縁とチャンスもないと思います


しかし、残念ながら、ホームページでは

皆さんに、これ以上はお知らせできません

伝えたくても、伝えてもいけない事になっているのです

 

 

だから、是非、皆さんの中で何かを感じたら、ぜひ、私までご連絡下さい

2009年の原先生の活動をご説明したいと思います

本当に大切なことです。よろしくお願いします

岩谷正

ennohanakikusakaeru@ybb.ne.jp

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これは、はっきり言って、すごいです。
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