時代が変わる！（原裕一郎著書 ザ･智閥 連載40回目）
モトローラ社の脅迫
1994年2月11日、細川元首相がアメリカを訪問してクリントン大統領と首脳会談をした結果、数値目標の設定で双方の主張が決裂しました。
アメリカは直ちに日米経済包括協議を中止し、包括貿易法スーパー301条（この紋所が目に入らぬか！）の適用も辞さない、と強硬姿勢を崩さず経済圧力の強化に出ました。
カンター通商代表の記者会見の模様がテレビニュースで放映されましたが、モトローラ社の電話をかざしながら、日本に対して、期限を切って回答を求めていた姿が今でも目に焼き付いています。
この件に関して、毎日新聞は1994年3月15日朝刊の「経済観測」というコラム欄に次のような記事を掲載しモトローラ社を批判しました。
モトローラ社は、アメリカ政府が包括協議で日本に数値目標を強要していた時に、取引先の日本移動通信（IDO）に対し、来年3月までに基地局159局をつくることと、同社の携帯電話機（HP501型）225,000台を買うことを要求した。
しかも、期限を切って回答を求めた。
取引先に対するこのような仕打ちは常識では考えられない。暴挙ではないか。植民地時代でも、宗主国の企業が植民地の企業に、こんな要求を突きつけることはなかったであろう。
通商代表部（USTR）の人が、わざわざ“包括協議と携帯電話機の問題は関係がない”と言明したのは、語るに落ちたということであろう。
アメリカのマスコミが、本件を日本市場の閉鎖性の問題だとして、モトローラ社の行動を不問に付しているのは意外である。
地球上のどこであれ、アメリカの企業が理不尽な行動をとれば、それを批判するのがマスコミの使命というものである。
本件は郵政省の対応のまずさによるところが大きく、アメリカ側が郵政省を責めるのは自由だ。無いと言った割り当て電波が、あとから出てくるなんて、郵政省は何という役所だろう。
しかし、経営の苦しい私企業に対し、政府を後ろ盾にして投資と購買を強要するのは許せない。
最終的に局面打開に苦慮した大株主が、IDOの増資に応ずるなどして、基地局は大筋でモトローラ社の要求通りに建設し、携帯・自動車電話の購入は見送ることになったとのことであるが、IDOの今後の経営はどうなるのだろう。
モトローラ社のトップに聞きたい。“貴社は、どんな権利に基づいて、このような当初要求をしたのですか？ 法の裏付けがありますか？”
“貴社のIDOに対する要求のやり方が、日本人の反感を買うと思いませんか？”
“IDOに対する当初要求は、日米包括協議の進行とタイミングを合わせて提起しましたね。それは脅迫だと受け取られます。それもやむを得ないということですか？”と、「大三」の署名入りで書いています。
その後、IDOは225,000台の携帯電話機を買い取ることで決着しましたが、これはすべてアナログ型の電話機です。このため、IDOはアンテナの設置などで無駄な経費を使わせられています。世の中の流れはデジタルなのに。
ヨーロッパはすでにデジタル化しているし、アメリカも1994年5月からは漸次デジタル化して行くというではありませんか。となればアナログ型電話機は日本だけにしか売れない製品ということになります。（IDOだって早くデジタル化したいのではないでしょうか）。もしそうであるなら、この件に関して、完全にモトローラ社は在庫処分のため、政治を利用したのではないか？と疑われても仕方がないでしょう。
※現在ではすでにデジタル化が進んでいる。
モトローラ社製の携帯電話機（HP501型）で無駄な費用を使わせられた。
※クリントン大統領になって「日米構造協議」の名称が「日米包括協議」に変わった。（つづく）
ザ智閥 時代は変わる 完結しました
原先生が、1999年5月30日、近代文芸社より発刊した拙著「ザ・智閥」より抜粋し、
若干の修正加筆をして連載していた、ザ智閥 時代は変わる
2009年3月22日、第55号「何か良いビジネスはないか！」で完結しました
皆様には、長い間のお付き合い、心から感謝しますし
原先生にも、御苦労さまとお礼を言いたいと思います
また、原先生のザ智閥 「時代は変わる」の記事は、これで終わりですが
原先生の智閥
造りの活動は、今、本格的に始まっています
しかも記事の最後は「何か良いビジネスはないか」ですが
もうそれは、実現の方向に向かって走り始めています
2011年7月24日、テレビの地上アナログテレビ放送の停止によって
本格的に、日本もデジタル時代をスタートさせることになりますが
その準備に向けても、着々と動いています
もうすぐ、すごいことが始まりますよ
しかも、時代が、10年前に、原先生が
予測していたように、動いていることは
皆さんも、記事を読めば分ると思います
もう残された時間は少ないです
2009年には、もう縁とチャンスもないと思います
しかし、残念ながら、ホームページでは
皆さんに、これ以上はお知らせできません
伝えたくても、伝えてもいけない事になっているのです
だから、是非、皆さんの中で
2009年の原先生の活動をご説明したいと思います
本当に大切なことです。よろしくお願いします
岩谷正
人が生まれた時に、持っている性格や運勢が分かります。
これは、はっきり言って、すごいです。
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