「お・ばんざい」　第３話　
「御霊は、何でも分かるの」

　第３話の風太郎と雷智の会話の中で、御霊になった、風太郎が、何でも知っているので、「どうして知っているの。幽霊になったら、何でも分かる」と、雷智が、尊敬の眼差しで、父、風太郎を見ながら言うシーンがありました。風太郎が、母親のクルミが、落ち込んでいることを知っていたので、驚いたのです。

　それに対して、風太郎の御霊は、「知っているよ。なんたって、とうちゃんは、幽霊だからな」とあっさり言うシーンがありました。御霊になったら、何でも分かるみたいなのです。

　菊は、この事は、本当の事だと思います。「なんでも分かる」ということはないとは思いますが、この世の事なら、大抵のことは分かるはずです。

　というのも、御霊さんは、波動を感じることはできます。どんな人でも、今、その人が考えていることが、すべて嘘偽りなく分かるのです。だから、御霊さんには嘘はつけません。真心でしか、ご縁が持てないのです。

だって葬式で、いくら仏さんに、お悔やみのようなことを言っていても、その人が、心の中で罵倒していたら、それは全部、御霊には分かるからです。本音しか通用しないのです。

　しかも、感情も伝わります。喜びも伝わりますし、悲しみも伝わります。相手が、落ち込んでいたら、どのくらい落ち込んでいるかも分かります。生前に生きている人にも、もちろん、喜びや悲しみ伝わりますが、その何倍もストレートに伝わるのです。

　だから、御霊さんを怒らしたら怖いのです。正直言えば、今、自殺者が増えているそうですが、人をどんどん落ち込ませることを求めている御霊さんが、憑いたら、自殺さえさせられてしまうのです。だけど、その反対に、常に、いつも笑いや喜びを、心の中で持っていたら、心の温かい御霊さんが、多くつくことになります。すべては、その人の持っている波動で決まるのです。

　その上に、御霊さんになれば、空も飛べますし、行きたいところには、どこにでも行けます。空を飛ぶスピードは、車で走る程度の速さで、あまり速く走ると、ついていけないそうですが、よく映画であるように、思ったところには、どこにも瞬時に行けます。あそこにいきたい、あの人の側にいたいと思えば、一瞬で、いく事も可能なのです。

　ですから、御霊さんは、何でも分かります。今、この人は、こんなことを、本心では思っていること、全部、嘘偽りなく、分かるのです。

　ただ、そんな御霊さんでも、霊界、天国に帰ってはいないので、すべてが分かるわけではありません。風太郎は、何故、自分が、今、御霊になって、この世にいるのか分からないのと同じように、この世に彷徨っている御霊は、魂ではありません。どうして自分は、生まれてきたのか、今世で、今回、どんな使命があったのか、魂になったら、思い出すことは分からないと菊は思います。それが、思い出せば、分かれば、この世ではなく、あの世、霊界に帰ると思うのです。

　ということで、御霊さんは、何でも知っているのではなく、何でも分かるというのが、正解だと思います。

人が、生まれながら持っている性格や運勢が
簡単に分かります。
はっきり言って、これはすごいです。
　　　　　　　　　　

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