いのちの風 bS47
12月16日(金)発信 石黒大圓(だいえん)
今回のテーマ 寝袋で寝る/赦しと愛と慈悲/小泉首相にテロ?/ホリエモン天皇家
いつもありがとうございます。 もう今年も余すところあと半月です。 がんばって行きましょう。 本格的な寒波が来ました。 グウォー、寒いですね。 皆さまお元気ですか。 炊き出しも寝袋配りも酷寒の中でがんばっています。
先日ビッグイシューの赤い帽子をかぶった元気なオバチャンの販売員に大阪駅北口で出会いました。 阪急駅のそばで私たちが渡した寝袋で夫婦で寝ているそうです。 彼ら販売員は暑い時も寒い時も路上で立ちぱなしで、自立のために働いて体をこわす人が多い。
今年もまたビッグイシューの大阪と東京の事務所に寝袋を送りました。 一日2000円ほどの稼ぎを宿泊代に使うのはもったいないと路上で寝て、将来のアパート暮らしのために貯めている人が多い。 そんな自立のこころざしを持つ人をせめて寝袋で支援したい。 暖かくぐっすり寝て明日へ活力をつけてほしいものです。
寝袋は少し寒いがサンタの気持ち
以前から通信仲間から言われていたのですが、先日私自身が寝袋の中で寝ました。 「本当に野宿者の気持ちを体験するには外で皆と同じように寝袋の中で寝なアカンで」と。 私の家の前の商店街では本町から心斎橋までに60人は深夜に寝ています。
その横にダンボールと毛布と寝袋を持って行って「お邪魔します」と一緒に隣で寝ようか、とも思ったけれど、やはり危険。 昨年商店街の監視カメラに放火されて飛び出してきた野宿者の姿が映っていた。 チンピラか、おかしな奴が野宿者の寝ているダンボールに火をつけている姿が映っていました。
放火で足に火傷したと訴える人も別にいたし、動物園の入り口で寝ていた人は子供に花火を投げつけられて寝袋に穴が開いたと訴えていた。 また野宿者同士でケンカになって殺傷事件になり自分の寝袋にまで血がついて交換してほしいと言っていた人もいた。 皆んな危険に震えながら寝ている。 夜起したら皆目を丸くして驚く。 警官や監視員からの注意されるのでは、と皆ビクビクしている。 悲しい姿だ。
という言い訳で今冬は外ではなく家の中で先日寝ました。 もっとも寝袋配りを他のグループに入ってやっていた数年前にも寝ましたが、記憶がうすれていました。 風呂上りで体はしばらくは暖かかったが、室温十度では夜中に体が冷えてきて、たまらず寝床にもぐりこんだ次第。
800円の寝袋は夏用仕様でやはり肉が薄い。 真冬に外で寝るには数千円か1万円以上のものでないと寒さから身を守れない。 しかしそれは重いし移動して働く野宿者には負担になるし、支援するには金がかかりすぎる。 800円で我慢してもらって毛布を中に入れて、外はダンボール。 この3重式で寝てもらうしか仕方がない。
これからはクリスマス。 私たちは赤鼻のトナカイ。 サンタさんからいただいたカンパで買った寝袋をプレゼントとして大阪中の路上でダンボールのなかで寝ている人々に配ります。 眠けまなこのオッチャンたちの元にさっと来て、風の又三郎のようにさっと去ります。
就寝中のオッチャンたち、「あれは何者だったのか」。 「いや、幼い頃にクリスマスプレゼントをくれた、あなたの亡きお父さんお母さんの代理の者です。 寝袋の中でゆっくり幼い頃の幸せな夢を見てください。 元気に明日も働いて生き抜いてください」と風がつぶやく。
浮浪者と突き放す心に赦しなし
(前回の美輪明宏さんの続き) マザーテレサもインド人の間で貧民救済活動を始めた時にインド人に「彼らは過去のカルマのために今苦しんでいる。 助けたらカルマ解消の行ができないから助けるな」と妨害された。 「しかし今、目の前で苦しんでいる人を私が見てしまった限りは手を差し伸べるのが私の務め。 その人に中に私はイエスを見る」というようなことをマザーは言われた。
私も路上で泣いている野宿者の姿に亡き妻子の姿を見るので救援しているのです。 苦しんでいる人を無視することは私にあなたに、悪いカルマを残すことにもなるのです。 自分のためでもあると自己チュー的と見られてもいい。
「彼らは自分が何をしているのか分からないのです」と書かれているイエスの言葉の意味するものは「赦し」です。 自分を十字架に張り付けて喜んでいる人々に対して、神に向かって「あの人々をお赦し下さい」と祈っておられた。 過去にどんなことがあろうと今のその人の現実を受け入れて赦す。
過去のあなたの行為が今のこの現実になっているのです、と説教して立ち直らせようとするよりも、その人をありのまま受け入れて、慈悲の心で許す。 赦すという言葉は傲慢かもしれませんが、非難はせず、その人の全存在を受け入れるということ。 また昔聞きました、赦すという字の「赤」の部分には十字架がついていると。 赦すということがキリスト教の愛の根幹にある。
これは仏教も同じ。 釈迦もチュンダという旅の途上で世話になった人の家で出されたきのこ料理が元で亡くなられた。 周りの人はチュンダが殺したと非難したことでしょう。 しかしお釈迦さまは「チュンダよ、私に最後の食事を出してくれたお前に感謝する」と言われた。
自分に苦しい最期をもたらしたチュンダを赦し感謝までされた。 お釈迦さまは最後に自分の教えの究極のものを身をもって示された。 それは「赦し」。 イエスと同じもの。 皆お互いに赦しあえば幸せへの道に至るということだろう。
赦して受け入れる、というその暖かい心の波動が道から外れて苦しんでいる人の心を打つのではないのでしょうか。 自分のことを真剣に思っていてくれる人がいるという思いが、人に希望を与えて立ち直りへの勇気を与えてくれると信じます。
まずは赦しとやさしい思いやりです。 突き放すことはさらにその人を地獄に落としてしまう場合もある。 人によりけりですが。 美輪さんはその辺の気配りができていない。 預言者というか超能力者としての自分の意見に慎重にならないと日本人の心を無慈悲にしてしまいます。
愛国の憂士のテロに死すは本望
今回の皇室典範を改正して愛子様を女性天皇にしようという策略は小泉の国賊ぶりを示していると保守系から大反対の旋風が巻き起こっています。 悠久の歴史をもつ日本の昔からの長い皇室の伝統を踏みにじり、皇室の権威をなきものとし、天皇制廃絶をめざす動きに対しては断固阻止の怒りが大きく渦巻いています。
ひょっとしたら昔、社会党の浅沼党首を刺殺した愛国民族主義者と同じテロに小泉首相が巻き込まれる可能性もあります。 公安当局は今左翼勢力より右翼勢力の動向に注意を向けています。 左翼は団体でしか行動をしない弱虫揃いだが、右翼は単身で行動して殺傷事件を起している。
郵政民営化について愛国的サヨクでさえ小泉売国奴として非難し始めている昨今です。 行動右翼によるテロが起こる可能性がある。 しかし小泉首相に対するテロを断固阻止しなくてはいけない。 私は小泉ポチとして小泉首相反対派から非難されていますが、この件でも小泉を支持します。
何故か。 小泉首相はあらゆる戦後の宿題を自分の任期中に手をつけようとしています。 目的は何か。 戦後の国民や政府が真剣に検討すべき問題を先送りして来たがために現在の日本の混乱と停滞が起こっている。 拉致、郵政、政府系機関、靖国、自衛隊、天皇制などあらゆるものが国民の議論を呼ばず、官僚や左巻き勢力によって封印されてきました。 経済は停滞し祖国日本への誇りも失われてきました。
小泉首相はすべて戦後に議論することがないがしろにされてきた問題にスポットライトを浴びせてきました。 今までの他の首相の在任中にこれほどまで日本問題が議論されたことがあったでしょうか。 日本の行く末に国民が思いをはせたでしょうか。 経済、外交、伝統。 今まで官僚や左巻きに支配され眠り込まされて、考えることをはばかれていた問題が今国民の議論の的となっています。
拉致問題を取り上げ北朝鮮の悪辣な姿を白日の元にさらせてくれました。 これで一気に世論は変わり愛国の気運が盛り上がりました。 そして拉致を黙殺してきた左巻き勢力や左巻きマスコミは衰退の一途です。 「普通の国家」になってきました。
郵政問題では多くの国民が自分の国の行く末に関わる選択に参加すると国政選挙に走りました。
靖国神社参拝や靖国に代わる戦没者追悼施設問題では戦争責任などの歴史問題や中韓朝の干渉といった外交問題について議論が白熱しました。 そして人権擁護法案では左巻き勢力と対決しようと保守系が団結しました。
大事なのはこの戦没者追悼施設問題や人権擁護法案に小泉首相が郵政ほど力を入れてごり押しで成立をめざしていないことです。 配下の関係者に丸投げにして主導権を発揮していないことです。 そしてこの2つとも次の国会での議論からは外される公算が多くなってきました。
彼の目的はこの外交、人権問題を国民の議論の的にして国民に日本の国家意識に目覚めさせること、ではないかと思うのです。 今回の女系天皇や皇室典範改正問題も素人学者をわざと選ばせ、その未熟な議論に国民の怒りを巻き起こさせて、この問題を国民的議論の渦中に投じたのではないかと思うのです。 この問題も結局は小泉がごり押しで改正を求めるものではないと信じます。
その証拠に彼の後継者として安倍晋三氏を選ぶという発言をしました。彼は拉致問題を真剣にとらえ、そしてこれらの代替施設問題や人権擁護法案、そして皇室典範改正に反対している中心人物です。
彼が首相となる花道に、この3つを成立させて彼の立場を弱くすることを小泉がするはずがないと予想しています。 皇室問題は戦後議論の対象とさせず、天皇の存在をないがしろにしてきた左巻きの連中によって国民は眠りこけさせられてきました。
今度の皇室典範問題が発端で国民は日本の伝統文化に目を覚まさせられました。 目覚めさせる良い話題だと彼は信じた。 だからこそ愛子様の結婚など20年も先の話なのに、今の時点で彼は取り上げて愛国的気運を盛り上げようと仕掛けたものと推測します。
まさに彼は「殺される覚悟」で政府を改革し、日本国民の意識を改革して、政界から去ろうとしていると信じています。 もし殺されるとしてもテロリストが愛国の憂士なら小泉首相は本望でしょう。
ホリエモン帝の親になりたがり
(女系天皇の続き) 秋篠宮殿下以来35年間、男性皇族の誕生がない中、愛子様が天皇に即位されることとなれば、配偶者は民間人です(皇統を継ぐ皇族との結婚でないならば)。 そしてそのお子様が皇位に就かれると男系ではなくなります。 その時点で神武天皇以来といわれる日本の皇室の皇統の伝統は途絶えます。
昔の女性天皇は(8代10人―お2人が二度天皇に即位)結婚してその子が次の天皇になったのではない。 次期天皇候補者が若いか、適切な候補者がいない時に男性の後継者があらわれるまで仮に中継ぎとして天皇になられた方ばかりです。
愛子様が天皇なられて子供を生んでその子が次の天皇になられるなどということは日本建国以来始めてことです。 それは皇統の廃絶につながり日本にとって大問題である。愛子様の配偶者が民間人で、今後民間人の誰とも結婚できて、民間人の血統が入り混じり、純系の天皇家の血統がなくなるということはいつかは天皇家王朝交代にたどり着きます。
そして多くの民間人が配偶者となってその家系が皆皇族となる。 ホリエモンの子供でも天皇になれて彼自身も皇族となり、外国人も皇族になれる。 皇族は将来無限に増え続けて、皇族としての貴種の存在価値が希薄になります。 一般国民と血統上の何の違いもなく、本来天皇の資格のない人が天皇になっていいのか。
将来、昔のように血統の正当性を争って南北朝時代のようになったならば、天皇が国民統合の象徴になることはできない。 そのような天皇に対して国民がこれまでと同じような尊崇の念を抱くでしょうか。 神武天皇以来の血脈を今に伝えてきた方であるからこそ国民は昔から尊崇の念を持ってきた。
男性にはYとXの染色体遺伝子がある。 女性にはXとXの染色体しかない。 女系天皇では男子天皇がもっておられるこのY遺伝子が受け継がれない。 皇族の男性にはこのYがあるが、皇族でない一般庶民にはこの天皇家のYがない。 民間男子との結婚でこの皇室のY遺伝子は消えていってしまうのです。
たとえば天然記念物の「トキ(ニッポニア、ニッポン)」の日本産のトキは絶滅しました。 しかしたとえ生きていたとして中国の雄のトキを連れてきても、相手が日本の雌のトキでは日本のトキのY遺伝子は残りません。
XX染色体遺伝子しか持たない雌の遺伝子の子供には、古来から残されてきた日本のトキがもつY遺伝子は残っていません。 XY両方の遺伝子を持つ雄のY遺伝子がない限り日本のトキの復元は不可能。 天皇の皇統とトキと一緒にするのも不敬な話ですが、わかりやすい例として思いつきました。
天皇家も同じで皇族男子がもっているY遺伝子が途絶えれば日本の皇統は途絶えます。 それゆえに戦後GHQによって強制的に皇族から離れさせられた旧宮家を復活して、旧宮家のY遺伝子をもつ男子と愛子様が結婚されるのが唯一残された手段です。
皇統の廃絶の後でも残る形だけの皇室。 いわば「天皇制の民主化」。 これは左巻きの人民民主主義者にとっては天皇制打倒には戦略としてはもってこいでしょうが、日本の伝統と文化秩序の要としての天皇制はここで事実上崩壊します。 そしてこれは日本の秩序の崩壊につながるのです。
(続く)
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