縁の花
(本物を目指して心と心のネットワーク)
第99号
分水嶺
紫陽花の専門は経済です。
その中でも情報社会というものをずっと勉強していますが、この頃は少し書いていませんでした。
でもその間に世間は随分騒がしくなって来ました。
北海道拓殖銀行という都市銀行が倒産したり、四大証券の一つである山一証券が自主廃業に追われたり、この縁の花でも以前紹介して来た浅井隆などがいっているような事が起こり始めました。
今なら一般の多くの人にでもいろんな銀行がどんどん倒産し、来年は大変な事になる。
大恐慌が起こるといっても、馬鹿にされずにすむと思います。
考えてみたら本当に大変な時代になったものです。
今の紫陽花の心境はついに来たかという気持ちで一杯です。
だから来年はひとつふんどしを締め直して望みたいですし、皆さんにも絶対に甘い事は考えないで欲しいと願っています。
絶対に日本経済はますます悪化していくのは間違いないからです。
しかしそれでも紫陽花はやっぱりこの時代を楽しんで生きていきたいです。
正直言って吹けば飛ぶような身分ですから、不安がないかといえば嘘になりますが、たぶんやっと皆さんが紫陽花に近づいてくれるのかと思うとなんか不思議な気持ちがします。
お互いに大変だとは思いますが、これから経験する事はたぶんもう何回生まれ変わっても経験できないぐらいのすごい事なので、是非無理しても楽しく生きて欲しいと思います。
このプラス思考が一番大切です。
と同時に今大切な事は、実際日本や世界で何が起きているのかをどれだけ冷静に見つめられるかです。
1997年の末に何が今、起こっているのか、皆さんははっきり認識していますか。
紫陽花はそれを是非皆さんと共に考えてみたいと思います。
何故なら紫陽花は今、天が与えた人類の運命が決まる最後の分水嶺が起きていると思います。
今更もうすぐ起こる恐慌や環境破壊を止める事はできませんが、それをどの位の被害にするかどうか、その判断を天がしている。
人類は、いえ特に日本人はそれをどれくらい反省して、意識を高めたか、じっとみられている気がするのです。
それが日本に今、起きている二つの大きな出来事、日本の金融不安と12月1日から始まった世界温暖化防止京都会議なんです。
何故なら紫陽花は人類の未来を決める出来事が二つ日本に、ちょうどこの時期に起きている事はもの凄く大きな意味があるような気がします。
決して偶然ではないはずです。
しかもどうやらその分水嶺を日本や世界はいい方向に舵を向けているのかといったら、残念ながらそうなっていません。
「この時になってもまだ人類は目覚めないのか」という天のおしかりが、特に日本人の紫陽花には聞こえて来そうな気がします。
それがまずアジアを中心とした通貨危機や各国の株不安です。
紫陽花はこれは世界史の流れを大きく変える本当に大変な事が起きていると考えています。
第2次世界大戦以後アジア諸国は欧米諸国から独立し、日本をモデルにして大発展を迎え、21世紀はアジアの時代だといわれるようにまで成長して来ましたが、それが全部吹き飛んでしまう可能性さえあります。
最初からやり直し、何もかもなくして、1950年代から1960年代に逆戻りしてしまうのです。
いえ、これから始まる情報革命に完全に乗り遅れて、欧米の再び植民地、別な形で経済的な支配を受ける事さえ考えられます。
そんな危険性が十分ある。
下手をしたらアジア諸国の危機は、アジア諸国だけでなく、他の南米やアフリカ諸国に対しても広がり、再び欧米の植民地になった暗黒の時代に戻る可能性があるのです。
紫陽花は本気でそこまで心配していますが、皆さんはその事をどう思いますか。
その上このアジア諸国の危機に対して、経済大国といわれていた日本は何もできません。
これがバブルショック前の10年前ならいろんな対策を打てたと思いますが、今の日本にはそんな力はありません。
まったく動けず、かえってアジア諸国が援助を求めて来ても、逃げようとするしまつです。
日本に他のアジア諸国を救う気配は残念ながらなさそうです。
このままアジア諸国が欧米の手に委ねられるのを、金融を支配されるのをじっと見過ごすつもりなのです。
紫陽花はその事を考えると本当に腹がたちます。
しかもそれでは日本自身だけでも何とかしようという気があるかといえば、そんなものは少しも感じられません。
だって政府にしろ、官僚、国会議員にしても、日本を何とかしないといけないという意志が感じられません。
もしあったら行政改革や規制緩和でも、もっと進んでいるはずです。
天が金融会社を潰したり、アジアの金融市場を混乱させる事でこれだけ警告を与えているのに、自分達の事ばかり、省や業界の事しか考えない族議員や官僚の姿をみせつけられる度に怒りを覚えた人は、決して紫陽花だけではないはずです。
たぶん皆さんの中にもいると思います。
ただそれでもこの日本が行った行政改革に対しては、戦後一度も変えられなかった制度を変えたのだから、あれでも最初にしてはよくやった方だという考えもありますが、あの人達が本気で日本の事を考えていたのかという観点から考えたら、結局最悪の結果しか選択できなかったのではないか。
紫陽花はそんな気がしています。
天からみたら自分達のエゴばかりで、日本の事や世界の事を考えている真剣味が少しも感じられないからです。
日本は最初の分水嶺を乗り越えられなかったのです。
そしてそれは京都で行われている世界温暖化防止会議でも同じです。
皆さんもご存じのように、日本はこの会議の議長国として世界をリードしていく役目を天から頂いていました。
だけどその役目を日本は果たせませんでした。
結局土壇場で揉めた結果京都議定書が採択され、ECは二酸化炭素の排出を1990年の8パーセント減らすというのに対して、米国は7パーセントで、日本は6パーセントと決まりました。
これに対しては日本にも言い分はあるのでしょうが、議長国として指導しないといけない立場なのに一番低いです。
その上日本は素人目からみてもこれが決まるまでには最初は0パーセントしか減らさないといっている米国の顔色ばかりみており、憤りを感じます。
一体日本はいつまで対米追随外交をやるつもりなのか。
何でも米国の顔色ばかりみていたらいいもんでもないだろうと思いますし、こんな事をしていたら他の国からは、日本は物笑いの種です。
このままでいったら日本は世界からみたら環境問題に対して、非協力的な国として烙印を押される事にさえなります。
紫陽花はそれを心から心配しています。
日本は将来世界から村八分になる恐れがあるからです。
でも残念ながら、そんな危機意識を日本の政府や議員の人達が持っているかといえば、正直ありません。
彼らが考えている事は、環境問題よりもはっきりいって経済です。
それを今回本当に痛感しました。
何故なら大気中に出る二酸化炭素を減らすという事は、車とかエアコンなどの量を減らすという事です。
今の日本経済の成長を止めるという事です。
が、この事を日本の大企業や官僚、政治家が今の段階では受け入れられないのかもしれません。
経済が成長する事が何よりも優先する事だからです。
ですから紫陽花には日本政府が、地球の事やこのまま温室効果が進んだら海の中に沈んでしまう島国の気持ちなんか考えているとは思いません。
所詮は外国の話。あの人達にとっては他人事なのかもしれません。
ただそれでも地球規模の温暖化防止は、始めて法的拘束力を持つ削減目標を盛り込んだ国際的取り決めが決まったので、遅すぎたかもしれないけど今ようやく始まりました。
その事は評価しないといけません。
又もしかしたら将来日本が先進国として大きく貢献する可能性もあります。
が、それでもいえる事は残念ながら今の日本政府の意識ではたぶん何もしないという事です。
はっきりいって環境問題という二つ目の分水嶺も天からみたら、日本は今の所は不合格です。
折角天が今世紀最大のエルニーニョ現象などで警告を与えているのに、この分水嶺も乗り越える事はできなかったのです。
紫陽花はそう断言します。
人類の意識は悲しいけどまだその程度なんです。
だけど紫陽花はそれは日本政府や議員だけが悪いのかといったらそんな事をいうつもりはありません。
そんな議員を選んだのは紫陽花達国民ですし、今の日本政府は紫陽花達国民の税金で動いているのですからしっかりと監視する義務があります。
結局日本国民一人一人にも十分責任があります。
地球村の人達やいろんなNGOの人達が京都に集まって努力したり、マスコミがいろいろ騒いでいますが、しょせんは一部の人達の行動や報道にすきず、日本政府を少しも動かす力にはなっていないからです。
けれどこれは余談ですが、それを含めて、大体日本人は紫陽花からみたらおとなしすぎます。
行政改革にしろ、環境問題にしろ、日本の政府のとっている態度にもっと怒りをみせるべきです。
そういった日本国民の怒りの空気が感じられないから日本政府は動きませんし、今日本政府がとっている行動は、外国からは日本人は環境問題よりも経済にしか興味のない国民なんだと判断されても仕方がない事に気が付いていないのだと思います。
今回の事で日本人はますます世界から金儲けだけの国民だとみられる事になったのです。
しかしここで紫陽花がそんな事をいっていても仕方ありません。
いえ紫陽花にはそれをいう資格もありません。
京都の温暖化防止会議にも全く参加していないからです。
何か巨大な壁というか、日本や米国のエスタブリッシュメントの力をみせつけられたような気がして、京都に行こうという意志さえ起こりませんでした。
少しも燃えて来なかったのです。
でもじゃ紫陽花にやる気がないかといえば、そんな事はありません。
反対にこの二つの分水嶺を紫陽花は本物の旅という事で、じっと外から見つめている内に、二つの大きな結論に達しました。
その一つは地球環境をよくするのは日本を問題外にしたとしても欧米の政治家や官僚でもなければ、いろんなNGOでもないという事です。
そんな一部の人達では例え欧米の優れたNGO団体でも無理です。
それが紫陽花にもよく分かりました。
一般のもっともっと多くの国民、日本でいえば1億人近い人を巻き込んだ形でないと、日本を動かす事は不可能です。
環境問題に関心のある人だけでなく、環境問題の深刻さにまだ気が付いていない大半の95パーセント以上の人達にも参加して貰って始めて、画期的な事ができると思うのです。
これが紫陽花が一つ目に分かった事です。
又紫陽花が二つ目に分かった事は、世界経済や地球が抱えている環境問題を解決する方法は、やはりどう考えても紫陽花が勉強している高度情報社会でしかないという事です。
これは今の段階では皆さんにもピーンと来ないかもしれませんが、それしか方法はないと思います。
だけど残念ながら、それが今回の温暖化防止京都会議で議論されたという話を聞いた事もありません。
まだ日本だけじゃなく、欧米でも情報社会が具体的に進んでいないからだとは思いますが、紫陽花はそれが残念で仕方ありません。
もっともっと情報社会というものを形のあるものにしないかぎり、情報社会がクローズアップされないのです。
それが紫陽花が二つ目に分かった事です。
そしてこの二つを何としても、早く日本人だけでなく、世界中の人に分かるようにしないかぎり、地球をいろんな環境問題から決して救う事はできません。
紫陽花はそう考えるとむらむらと闘志がわいてきました。
この事を理解している人達としっかりネットワーク、縁を組んで、社会党の元委員長の土井さんのように「やるっきゃないのです」
しかも紫陽花や縁の花の読者の皆さんにはその二つをこの日本や世界に実際に行動を起こす事で実現する事ができます。
それがMGの縁です。
実はMGの事は紫陽花自身も、他の本物活動が忙しかったので、しばらくご無沙汰していたのですが、その間に大きな進展がありました。
その事は来年の2月までにはある程度はっきりすると思うので、その時に詳しく報告します。
ただ紫陽花の感じではついに天も何とかしないといけないという事でいよいよMGを動かす決心をしたように思いますし、紫陽花にもMGに帰ってこいといっているような気がします。
その事はまだはっきりとは分かりませんが、どうやらそれが紫陽花が本物の旅に出た事の答えの1つのような気がします。
この縁の花は元々MGの事を一人でも多くの方に知って貰いたい為に始めたのですから、原点に帰る事になりますが、それもいいと思います。
来年は一つ情報社会、高度情報社会とはどういった社会なのかを、皆さんにもはっきりと分かるように今までとは違った角度から書いてみたいと思います。
では皆さん来年も一つよろしくお願いします。
平成9年12月13日
縁の花 トップページに戻る
縁の花村トップページに戻る