061029藤田社長から川崎市へ【転載】
※ひきつづき、「きっこの日記」より続報です
藤田社長が告発した川崎のマンション、「エグゼプリュート大師駅前」に関して、川崎市が、10月27日付で、以下の公式見解をリリースした。(PDFです)
http://www.city.kawasaki.jp/50/50kesins/home/kekouzou/kisya/kisyahapyou-daisi.pdf
■きっこさんのコメント
PDFを読めない人のために、チョー簡単に要約すると、「藤田氏の指摘は間違ってる。該当マンションの耐震性は、川崎市がちゃんと見たんだから合格してる」ってことだ。だけど、この公式見解を読んだ読者から、次のメールが届いた。
お名前:F
E-mail:xxxxx@xxxxx.co.jp
コメント:きっこさん、こんばんは。川崎市のリリースを読みましたか?私は法律の勉強をしている者ですが、あのリリースには建築基準法に違反している行為が明記されています。あのリリースの内容が事実であれば、これは公務員による建築行政の違法行為にあたります。根拠は「建築基準法6条1項」及び「同6項」です。概要は「工事着工後の確認済証の交付」です。6条1項を要約すると、当該工事に着手する前に確認済証の交付を受けなければならない。計画変更する場合も同様とする。すなわち、工事に着手する前であれば、何度でも構造に関する計画変更をできるが工事着工後は計画変更できない、と言うものです。同6項にも明記されています。そして、川崎市のリリースによれば、川崎の公務員は、18年1月26日に計画変更確認済証を上記法令に違反して交付したことになり、公務員による虚偽公文書作成です。18年1月30日に中間検査が済んだ物件と言う事は、当然その数ヶ月ほど前に着工されているわけだから計画変更はできません。なのに、中間検査の4日前に計画変更確認済証を交付している。これは明らかに建築基準法6条1項及び同6項違反です。また、こちらの売主(デベロッパー)は、虚偽公文書行使による同罪です。これは、耐震偽装問題とは直接関係ありませんが、虚偽公文書も違法は違法です。
‥‥で、藤田社長は、この川崎市の公式見解を受けて、次のような見解を発表した。
■藤田社長が発表した川崎市に対する文書
(以下の文章、リンクはご自由に転載ください。文責は全て私にあります。藤田東吾)2006.10.29
「川崎市の公式見解に対して」
川崎市の公式見解の「曖昧さと嘘」を論破いたします。
1.大師駅前の、問題の核心は、確認申請図書において、構造計算書が偽装(改ざん、若しくは不整合、いずれも結果的に、偽装という点では同じ)されていたことです。
2.そして、この確認申請図書のままで工事が進行していることが一般的には推測できます。(建築業界の常識です。)だから、川崎市が自らの主張を明かす為には、施工写真(施工途中の鉄筋本数、スパン、太さ、材質等の仕様明細書も添付)と施工図と計画変更図面の一致を、直ちに、購入予定者の方に公開して証明するべきです。川崎市の言うことが本当なら、是非そうして頂きたいと思います。
3.この物件の工事着手は10月17日となっています。そして、藤光から川崎市に、計画変更申請が出されたのは、12月16日です(計画変更の内容も日時も当方には不知です)。つまり、工事着手後2ヶ月を経ってから計画変更をしたわけです。既に2ヶ月間工事が進行した部分は、当初の申請図書のままだったはずです。(建築業界の常識)
4.一般に、この段階で、計画変更が行なわれる場合、その内容は、構造的な主要部分についてではなく、意匠的な、上層階の間取り変更や、部屋数の変更などが主です。
5.すなわち、構造部分の計画変更、特に、耐震性能を低減するという偽装された構造計算図書の変更は、通常では考えられないのです。大幅な設計変更となるので、本来であれば、既確認申請図書を取り消して、再度、新たに確認申請を出すのが筋です。
6.このケースは、私どもとヒューザー社との間で、去年の10月27日に議論となった、「グランドステージ北千住」のケースと全く同じです。北千住の物件も、工事着手後、2ヶ月ほどが過ぎた頃に、10月27日の会議となりました。皆様、ご存知の通り、ヒューザーサイドも設計者も、「計画変更」を願い出ました。しかし、工事は既に2ヶ月も経過しているのですから、図面だけ正しいものにしても、実際の工事が確認申請図書のまま進展してるなら、それは絵に描いたもちであって、計画変更を受け入れることはできない。というのが、イーホームズの結論でした。
7.川崎市役所は市長から職員全てまで、今、試されています。これほどの大事件の渦中において、住民の命と財産に影響を与える大問題に対して、公式見解としてリリースを発表していますが、誰が書いたものかの記名がありません。まさしく、卑怯な大人です。誰がこのリリースに責任を持つのでしょう。当然に、川崎市の建築主事と川崎市長は責任から逃れることは出来ません。誰が書いたものか、責任を持つ大人として、名前を明らかにするべきです。
8.ところで、ある方からの情報で、現在、大師駅前のマンション工事現場は、依然として、工事が進行している状況だと聞きました。本当でしょうか?藤光は、今回の問題が生じた時に、「販売を中止して十分に調査する」というリリースを出して、調査結果がわかるまで工事を中止したとの発表をした記憶があります。であれば、嘘をついたことになります。
9.そして、これに合わせて、全く根拠も責任の所在も明らかでない、川崎市の公式見解という、全く解き明かされていないこの文章が出ましたが、まさか、これを根拠に、藤光サイドは工事を続行し、販売を再開するのでしょうか?
僕は、藤光サイドは意図したかもしれないが、結果的に被害者だと思います。公正中立な公僕でなければならない、川崎市の職員が、不公正で不中立な業者の僕(しもべ)となり果てて、もたらした被害です。
もし、藤光さんが、国家賠償法で川崎市及び国家に損害賠償請求を行なうなら、私が生き証人として、手弁当で出廷します。是非に、国家に巣食う詐欺師同然の公務員の輩を、21世紀の日本社会から追い出しましょう。とは言え、公務員は、一般的に、徒党を組むと強いですが、一人放り出されると、大抵の人が、弱虫ですから、海外ではとても生き延びることは出来ないものと推測できます。
その際には、是非に、藤光さんが率先垂範して、もっともっと沢山の公務員によって隠蔽されてきた、数百万棟に及ぶ「日本耐震偽装隠蔽建築物」の改修と補強工事等を推し進めていただき、役立たずかとは思いますが、これらの公務員を罷免した後には、現場で「半人工」になるか否かも分りませんが、建築の厳しさをご教授お願い申し上げます。
藤田東吾
■きっこさんのコメント
‥‥そんなワケで、デベロッパーである藤光建設株式会社は、藤田社長の告発に対して、「弊社の構造に対する中傷は事実無根でございます」としながらも、「構造計算につきまして、再度第三者機関に調査依頼をしているところでございます」としている。事実無根なら、調査なんかする必要はないと思うんだけど、どうせ調査をするんなら、藤田社長が指摘してるように、絶対に「非破壊検査」をするべきだろう。藤田社長は、川崎市が検査過程において不正を行なったって指摘してんのに、その検査を根拠に「事実無根」て言われても、説得力は無いと思う。
そして、一番の問題は、去年の10月か11月から工事が始まってたのに、1ヶ月以上も過ぎた去年の12月に「構造」の計画変更をしてるって点だ。川崎市も、デベロッパーも、この計画変更で合格してるってことを「耐震強度に問題なし」ってことの証明にしてるけど、最初にあげた読者メールに書いてあるように、建築基準法では、工事着工後の「構造」の計画変更は認められない。たとえば、内装を変更するとか、外観のデザイン等を変更するとかなら、工事着工後でも計画変更できるけど、建物の構造に関わる部分に関しては、工事着工前にしか認められない。だけど、あたしはシロートでよく分かんないから、藤田社長に聞いてみた。そしたら、すぐに回答が来たので、最後に紹介する。
■藤田社長からきっこさんへ
きっこ様
全くその通りなのです。ここで言う工事とは、解釈に拠れば、該当箇所の工事の着手前であれば、計画変更できるものと解されています。構造は基礎から連動していますので、工事着手後に躯体に影響する構造設計の計画変更は、法律的にも技術的的にも出来ないのです。(去年にヒューザーに言ったのと同じ理由)
結果的に、藤光が悪いのではなく(もし共謀していたら訴えの利益はありませんが)、本件に関しては、役所が責任を負います。先ほどの長いメールで書いたのはそういう理由です。しかしながら、購入者が直接役所を訴えるのは簡単ではありません。いち早く川崎市民が総団結して動く必要があります。市民が力を合わせて市を弾劾しなくてはいけません。
建築基準法に関わる訴訟は、ほとんどの弁護士が経験値が少なく難儀します。この点、イーホームズは百戦錬磨(あまり良い表現ではありませんが、建築においては、様々な近隣住民からのクレームが生じます。だから、法的対応は、役所も指定機関も含めて、イーホームズは断然一番の大成だったと思います)ですから、もし、藤光さんが川崎市を相手に国賠法で訴えるなら、僕は証人として参加するつもりです。もし、訴えなければ、藤光と川崎市が共謀している証ですね。この共謀の結果は、住民の命のリスクの上に構成されているのです。
藤田東吾
松楽さん、2006年10月31日
10月31日 関連ニュース
■姉歯被告に懲役5年、罰金180万円を求刑
耐震強度偽装事件で、建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪に問われた元1級建築士・姉歯秀次被告(49)ら2人の論告求刑公判が10月31日、東京地裁であった。
検察側は「多くの人の生命や財産を危険にさらした前代未聞の悪質な犯行。新生活への夢や希望を踏みにじられた、購入者の失望と怒りは想像するに余りある」として、姉歯被告に懲役5年、罰金180万円を求刑した。
姉歯被告の名義を借りて建築士法違反の罪に問われた建築デザイナー・秋葉三喜雄被告(46)には懲役1年2月を求刑した。11月9日に弁護側が最終弁論を行い結審する。
検察側は論告で、姉歯被告が構造計算書の改ざんで得た不正な利益を、高級外車や女性へのプレゼントなどにつぎ込んでいたことを指摘。「ぜいたくな生活を送るため、多くの人が死ぬかもしれない惨状の発生に目をつぶり、脆弱(ぜいじゃく)な建物を次々と建てさせた」と厳しく批判した。
(読売新聞) - 10月31日18時56分更新
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