いのちの風 bU26―その1
平成23年4月29日(金・祝)発信 石黒大圓(だいえん)
【今回のテーマ】
人の分まで生きる/いのちと出会う会/原発には愛がない/放射能は怖い?/脱原発
いつもありがとうございます。 桜の季節が終わり木々には新緑の若葉が芽吹いています。 東北でも今年も桜が咲き、若葉が春の風に揺れていることでしょう。
桜は寒さが厳しいほどきれいに咲くそうです。人生も同じと教わりました。 東北の桜は特に今年はきれいに咲いてほしいものです。 そして、これからの日本人の心に咲く桜が、世界で一番きれいな桜になってほしいです。
【亡き人の 分まで生きて 供養となす】
今回の大震災で多くの方々が亡くなられました。
私も家族を亡くして多くの思いを持ちました。 「いのちの風」bT26に書いた文章「人の分まで生きる」に追加文を加えて転載いたします。
「その人の引き裂かれた人生を、私が代わりとなって全力疾走で走り抜けて行ってあげる。
一生懸命、代わりに生きていってあげる。 今日、私が自堕落に生きている時間は、昨日亡くなった人たちにとっては心から味わいたかった時間。 無駄にしてはいけない。
亡き人が味わいたかった時間を、私が自分の人生で大切に味わい、代わりに輝いて生きていこうとすることが、その人の供養になるのではないか。
次の世界で待っている家族にいつか私も再会します。 その時には彼らが味わいたかった人生を私が代わり生きて、面白おかしく話してあげる義務が、私たち生き残った者にはあるのです。 その時まで高杉晋作の如く『面白きこともなき世をおもしろく』そんな波乱万丈な人生を送りたい。
自慢話の報告が終わったら、思いっきり2人を抱きしめたい。 そしてそれは私たち遺族だけでなくどんな人にも、その責務はあるのです。 このかけがえのない「いのち」を天からいただいた限りは。」
亡くなった方々の分まで人生を思いぞんぶんに生きていただきたい。 亡くなった方の人生を誇りをもって語ってあげていただきたい。
それが一番、亡くなった方にとって喜ぶ供養です。
意味のない人生はない。 意味のない死はない。 意味ある死を輝けるものにするのは生き残った人の生き方次第です。
遺族はその使命を亡くなった方から託されています。
人の死は悲しいことだけど、死はすべての終わりではない。 死は生の延長上にある。
生き残った人の生が意味あるものとなった時に、亡くなった人の死も意味あるものとなる。 決して無駄な死はない。
この苦難が「いつかいい日」にやってくる幸いとなって結実するように、祈りながら生きてほしいと思います。 亡くなった人も輝けるあの世からきっとそれを応援してくれています。
そして日本人としての立場から言えば、日本人として誇りをもって日々生きることが、過去の諸先輩のご恩に報いることとなります。
今回の震災を通して諸外国から大きな賞賛をあびた日本や、日本精神を築いていただいたご先祖様に感謝と誇りをもって生きる。そのことを子孫に語り伝える義務が私たちにはあると思います。
●5月19日(木)に第104回「いのちと出会う会」 『鬼から生まれた映画』があります。
話題提供者は岩崎靖子さんです。 彼女は私が試写会の時から応援しています「1/4の奇跡」の共同制作者で、ご本人も映画「宇宙の約束」の製作監督となられました。 なおテーマに映画とありますが、当日に映画上映はありません。
「岩崎さん製作の映画「宇宙の約束」の誕生のきっかけは自身の鬼体験だった。子どもの頃からネクラで心が晴れず、自分を表現したいと女優にもなったが、それにも飽き足らず映画「1/4の奇跡」製作に加わった。しかしその時に感じた嫉妬する鬼として自分。人生で最も排除したかったものこそ最も自分を輝かせてくれる宝物。過去のすべてが今の自分につながっていたのです」
18時半 千円 應典院6771-7641(地・谷9駅から徒歩8分、坂を西に下り下寺町交差店を左折して百m)
【神州を 汚す原発 許すまじ】
日本は21世紀に世界をリードするという考え方があります。 しかし私は世界への発信力のない日本人にそれができるのか?
と疑問符がいつも付きまとっていました。
しかし今回の災害はまさに神の御心です。 日本人ができないことを神々がなされた。
日本は世界中がこれから克服しないといけない難問の多くにいち早く直面しています。
今回の国家的危機をどのように政治的経済的精神的に乗り越えていくか。 それを世界は注目しています。
その苦難克服に成功した時には日本的モデルとして21世紀は日本がリードする時代になると思うのです。
その機会を与えていただいた神々を擁する日本はやはり「神の国」です。
そして「日本を美しくする会」「掃除に学ぶ会」の鍵山秀三郎氏は「代受苦」と称された。
東北の被災者、犠牲者は、皆の苦しみを代わりに受けられたすばらしい使命をもった魂の持ち主だった、と言われた。
日本も世界に変わって「代受苦」を受ける尊い使命があるのです。 私も家族を失なった体験からも、そう思います。
先日、大阪竹田研究会で竹田恒泰氏の講演を聞きました。
この日、竹田氏は反原発派とわかり参加者が皆びっくり。 左翼や環境左派は反原発で、保守系の論客の多くは原発推進派と見なしていたからです。 竹田氏は「保守のための反原発」として全国で講演をされているらしい。
竹田氏は学生時代から反原発学者の下で学んでいて豊富な知識で「原発には愛がない」論を話されました。 以下はその概略です。
「神州日本の土地を放射能で汚してはいけない。 低レベルの放射線でも人体に悪影響を与える。 原発は必要悪でなく絶対悪。 核事故が起きたら、その地域は未来永劫封鎖するしかない。 復興などできない。
日本の国は神の土地である。 原発災害で畜産も農業もできない死の土地となる。 これは尖閣を奪われたことと同じとなる。 これこそ神州を汚す行為である。
原子力は自然界のものではない。 これを扱うことは神の領域を侵すもの。 原発は日本的でない。 原子力を人間の力でねじ伏せているのであり、自然を克服して戦い、管理しようというキリスト教や西洋の思想にもとづく。 日本では自然は神、その神を管理するという発想は日本人にはない。
また原発の炉心などの掃除をするために高額の給与で日雇い下請け労働者を雇っているが、多くが放射能被曝で死んでいる。 原発は一定の確率で作業員が死亡することを前提として成り立っている産業。 彼らも天皇の赤子、大御宝であるにもかかわらず奴隷と何ら変わらない。 「原発には愛がない」とはこのことを言う。
原発はCO2を出さないという。 しかし原子炉建設や使用後の解体、使用済み核燃料などの原発ゴミの処理、何百キロもの送電線施設建設の過程で膨大な石油を使ってCO2を排出している。
また「石油が将来枯渇するから原子力を」というが、数十年前からこのことは言われつづけて、未だに枯渇はなく将来もない。
福島原発が停止して、関東地方などの夏は大規模停電の危機を迎えると言われる。 しかし春秋は今の電力で十分足りる。 夏のピーク時には足りないが、この時には石炭を使った巨大火力発電所を利用すればまかなえる。
なお放射能温泉周辺に長く住む住民のガン死亡率はかえって高いというデータがあり、また核兵器と原発はまったく違うものであり核兵器は必要だ」
(その2へつづく)