大河ドラマ「風林火山」
第12話 勘助仕官 青木大膳
 

勘助が、いよいよ仕官しました。大河ドラマでは、井上靖さんが書いた風林火山と同じように、浪人の青木を利用して、仕官をしようとしています。

菊が、このシーンで覚えているのは、映画の風林火山です。映画の冒頭で、三船敏郎が演じた山本勘助は、浪人の青木大膳に、板垣信方を襲わせて、それを助ける演技をすることで、板垣信方に気に入られようとしました。二人の芝居だったのです。

でも、勘助は、それが将来、もれることを恐れて、青木大膳を遠くに追いやると、唖然としている青木大膳を斬ってしまいました。目的の為には、手段を選ばない人物。まだ中学生か、小学生だった菊には、そんなイメージがあったのです。それが軍師でした。

でも、今回の風林火山では、少しは救われた気がします。勘助が、板垣信方の家臣、二人を殺した青木大膳に、何故、殺したかといったことです。二人の約束では、それはなかった事に、少し救われた気がしたのです。青木大膳だけでなく、結果的に、二人の人物が死んでいます。このようなことは、策としてすべきではないと思うのです。これで板垣信方が許すのは、どう考えても変です。

だから菊には、いまだに、このシーンはよく分かりません。できたら、今回の風林火山では思い切って省いてもよかったと思います。でも、その当時の武士が、何とか仕官しようと必死だったことは本当だと思いますし、戦を通して、手柄をたてて、仕官しようと、ぎらぎら野望で燃えていたことも間違いないと思います。

青木という浪人は、その事を、多くの戦国時代に、仕官できなかった浪人を代表して、見事に演じてくれたと思います。心から感謝したいと思います。南無阿弥陀仏です。

しかし、ここで菊が言いたいことは、山本勘助が、板垣信方が襲われたのを助けたという事実はないということです。井上靖さんのまったくの想像の世界です。ただ、それでは、何故、駿河にいた浪人の山本勘助が、武田家の招かれる事になったのかはよく分かっていません。板垣の推挙があったのかも、はっきりしないのです。

だから菊としては、青木の存在はないと思っています。理由は、どうあれ、山本勘助が、信頼できない人物とはいえ、浪人の仲間を騙して、殺して仕官したことはないです。
きっと、そんな愚策ではなく、筋を通して、たぶん、重臣、板垣信方を通して、仕官したのだと思います。

9年間、駿河にいる山本勘助の存在の評判を聞いた板垣信方が、晴信に、その事を話した。山本勘助が、信玄を見込んで、そのように、仕掛けて持っていった。
是非、そのことに夢を走らせて、皆さんと一緒に、風林火山を楽しみたいと思います。