風林火山 第21話 消えた姫
山本勘助と由布姫の愛二



 また、由布姫は、眠っている勘助を温めている間に、不思議な気分になっていました。諏訪の姫である由布姫は、諏訪神社が、古来、男女を奉っている神社であることはよく知っていました。 諏訪神社は、古事記にも登場する、わが国最古の神社の一つだけに、そういったものが、ずっと残っていたのです。

 何故なら、諏訪神社の祭礼、式年大祭といわれる、申年と寅年の7年に一度の御柱祭では、5丈5尺(約16.8m)の樅の木16本を山から切り出し四宮の四隅に御柱として建てる神事をしますが、この大きな柱が実は、男性の象徴を示すことも、諏訪家の姫として聞かされていたからです。今は、神霊の寄りつく柱(または神地境界)を意味する勇猛な盛大なお祭りということになっていましたが、昔は、違っていたのです。
 
それに自分が、今年、諏訪の姫としてした「御神渡り(おみわたり)」:真冬、諏訪湖が全面結氷し更に寒気が襲ってくると、湖面に亀裂が入り轟音とともに氷がせり上がる現象も、これは諏訪大明神(建御名方富命)が女神(八坂刀売命)のもとへ渡った跡だと信じられていました。諏訪七不思議の一つと言い伝えられてきたが、男性の神と女性の神の愛の現象だと思われていたのです。

しかも、諏訪湖の上社と下社はそれぞれ上社(男)が金剛界の大日如来、 下社(女)を胎蔵界の大日如来をあらわす神と考えられていました。つまり諏訪湖はその一つの湖水で、陰と陽の両方をあらわしています。これを「金胎不二」と言います。

この金胎(こんたい)とは、仏の専門用語で、仏 金剛界と胎蔵界という意味があり、不二(ふーに)とは、-対立していて二元的に見える事柄も、絶対的な立場から見ると対立がなく一つのものであることを言います。

諏訪神社は、古来、男女の愛を奉る神だったのです。そして今、由布姫は、勘助とこうなっていることはすべて諏訪大明神のお導きだと確信していました。もし、勘助に意識があれば、絶対にこんな事は許さないだろうと思いました。いえ、信玄を崇拝している勘助は、どんなに自分に恋がれていても、絶対に自分を求めてこないことも分かっていました。

しかし、由布姫は、勘助が密かに、自分を好いてくれていることも、十分に分かっていました。自分の父親である諏訪頼重公の命を、乱世の戦国時代の掟としてたつように進言したことを、内心後悔し、苦しんでいることもよく分かっていました。

由布姫は、今、自分が、山本勘助にできることは、そんな山本勘助の自分に対する思いを、遂げさせてあげることだと思いました。それが、命がけで、自分を見つけてくれ、今、死ぬかもしれない山本勘助にできる唯一の感謝だと思ったのです。また由布姫は、今、意識のない山本勘助となら、それをしても許されると思いました。今宵、一度だけなら、愛する信玄も許してくれると思いました。今宵の事は、神々の世界の話で、山本勘助は、諏訪大明神の化身(建御名方富命)、自分は、女神の化身になっている気がしていたのです(八坂刀売命)

だから、由布姫は、山本勘助の思いを受けいれてあげました。信玄に教わったことをしました。意識のない山本勘助も、それで目覚めました。最初は、由布姫とは思わず、亡き妻、みつと思っていたのです。

なので、それが、由布姫と分かったとき、勘助は、本当に後悔しましたが、後の祭りでした。由布姫は、そんな山本勘助に、今宵だけ、一度だけ、誰にも言わない二人の秘密と何度もいい、山本勘助は、そんな由布姫を受け入れて、自分の思いを一度だけ果たしました。ここで、由布姫を拒めば、二人の信頼が消滅します。明日になれば、自分は、信玄の軍師、由布姫は、自分を信頼してくれる主君の、愛する女性に戻ると約束すると、一度だけ深く深く愛し合ったのです。

ですから、朝、二人は、普段の山本勘助と由布姫になっていました。二人は、その事は、死ぬまで内緒にして、自分達の役目を果たしたのです。

人が生まれた時に、持っている性格や運勢が分かります。
これは、はっきり言って、すごいです

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