宇宙幽閉
またわたしが見ていると、ひとりの御使が、
底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手にもって、
天から降りてきた。
彼は、悪魔でありサタンである龍、
すなわち、かの年を経たへびを捕らえて千年の間つなぎおき、
そして、底知れぬ所に投げ込み、
入口を閉じてその上に封印し、
千年の期間が終わるまで、
諸国民を惑わすことがないようにしておいた。
その後、しばらくの間だけ解放されることになっていた。
ヨハネの黙示録 20
陰謀者は、不要人類のみを抹殺するつもりであったが、地球まで破壊してしまったのだ。長くとも数年で、地球に帰れると思ったからこんな宇宙に来たのに。帰る惑星を失い、彼らは宇宙空間に幽閉されてしまったのである。宇宙基地、宇宙ステーションが、彼らの牢獄になってしまったのである。
数年で食糧は尽き、恐ろしい飢饉が襲ってきた。さらに、暴動、共食い、、、、宇宙ステーションの中は、まさに地獄絵図と化した。
彼らは、地上で一思いに殺されるよりずっと苦しい思いをして、後悔と絶望の内に死んでいったのだ。
地球そして人類という生命の木は、切り倒されたが、その切り株から若枝(ひこばえ)が生えるがごとく、その僅かな子孫は種人として生き残ったのだ。そして、第二の地球となりうる惑星を求め、いくつかのグループに別れ、宇宙という不毛の砂漠に旅立って行った。
この宇宙放浪の間に、彼らの体は宇宙の生活に適応し、宇宙人になっていった。グレイと呼ばれる宇宙人の姿を思い出して欲しい、無重力の宇宙で体の筋肉は萎縮し小型化し、頭はそれに反して巨大化し、体毛は抜け落ちた。あれが、未来の地球人の姿である。その上、生殖能力も徐々に失われていったのだ。
もう、子供を作れない体になってしまった彼らには、種を保存する方法は、自分の細胞を培養しクローン人間を造る以外なかったのである。彼らはクローンを造ることにより、絶滅を避けたようだ。
しかし、このクローンが、永遠の生命につながっていた。バイオテクノロジーの進歩は、老化細胞の発見とその除去に成功し老化しない永遠の若さを手に入れ、さらに肉体が駄目になった場合でも、意識をクローニングで作られた新しい肉体に、移し変える技術を開発したのだ。
不老不死となった彼らは、なんとか住むことが出きる惑星は発見したものの、彼らの祖先が破壊した地球ほどすばらしい惑星はなかった。しかし、研究に研究を重ね、とうとう時空の仕組みを解明し、タイムマシンを開発し、宇宙での千年の幽閉から解放されることとなったのだ。
またわたしが見ていると、ひとりの御使が、
底知れぬ所(すなわち宇宙空間)のかぎと大きな鎖とを手にもって、
天から降りてきた。
彼は、悪魔でありサタンである龍(不要人類抹殺計画を実行した人々の子孫)、
すなわち、かの年を経たへびを捕らえて千年の間つなぎおき、
そして、底知れぬ所(すなわち宇宙空間)に投げ込み、
入口を閉じてその上に封印し、
千年の期間が終わるまで、
諸国民を惑わすことがないようにしておいた。
その後、(タイムマシンを完成し)しばらくの間だけ解放されることになっていた。
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